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鏡は夏よりも冬に曇りやすいのはなぜ?寒いと表面張力が高くなるのが原因だった!





はじめに


夏場だとなかなか曇らない鏡も、冬になるとお風呂場の蒸気ですぐに曇ってしまいます。曇った鏡をタオルなどで拭くと少しはましになりますが、またすぐに曇ってしまいます。

そこで今回は鏡が曇りやすくなる原因と、なぜ夏よりも冬のほうが曇りやすくなるのかを解説します。さらに鏡を曇りにくくするための対策も紹介します。




鏡が曇る理由は?


そもそもなぜ鏡は曇ってしまうのでしょうか。これは鏡表面にごく小さな水玉が無数についてしまうことが原因です。この水たまに光が当たると四方に乱反射してしまうので、その結果鏡が曇ってしまうわけです。

ではなぜ鏡表面に無数に小さな水玉が付着してしまうのでしょうか。これには表面張力が関係しています。

鏡についた水玉で光が乱反射してくもる



表面張力とは


水の表面は不安定な状態

表面張力とは簡単に言うと、表面積を最も小さくしようとして働く力のことです。これだけではよくわからないと思いますので、水を例に解説していきます。水分子は分子間力により四方八方から引っ張られて安定しています。

液体内にある水分子は360度引っ張られているので安定した状態です。一方表面にある水分子の場合、液体面は安定していますが、液体に接しない面は引っ張られていないので不安定となります。

不安定な状態では表面積を小さくしようとする

不安定な状態だと、その状態を解消しようとして表面積を最も小さくしようとします。この働きを表面張力(界面張力)といいます。同じ体積で最も表面積が小さくなるのは球体です。なので表面張力により水滴や水玉などができるわけです。

液中の水分子と表面の水分子の分子間力の違い



鏡表面に水玉が付くのはなぜ?


鏡の分子の引力が弱いと水玉がつく

鏡についた水滴は液中側は分子間力により引っ張られ、鏡側は鏡を構成する分子により引っ張られます。この時水分子の分子間力のほうが引っ張る力が強ければ、水は表面張力により、水玉となって鏡表面に付着します。

一方鏡側の分子の引っ張る力のほうが強いと水は水玉になることなく、鏡表面に濡れ広がります。ということは鏡側の引っ張る力を強くしてやると、水は濡れ広がり、曇りにくくなるというわけです。

鏡の分子の引力と水の分子間力の力関係と水玉ができる仕組み


鏡側の引っ張る力を強くするには?く

鏡側の引っ張る力を強くするなら、親水性の高いコーティング剤(例えば界面活性剤入りの洗剤)などを鏡表面に塗るといいです。こうすれば水は鏡表面に濡れ広がり、曇りにくくなります。

鏡側からの引力を高めると水は濡れ広がり、曇りにくくなる



冬に鏡が曇りやすいのも表面張力の影響


温度が上がると水の分子間力は低下する

夏場だと鏡は曇りにくいのに、冬になるとすぐに鏡が曇ってしまうのも表面張力が関係しています。どういうことかを説明します。まず夏になり気温が高くなると水分子の運動量も高くなります。運動量が高くなると分子間で働く力と拮抗することになり、結果的に分子間力は低下します。

温度上昇による表面張力の変化


分子間力が弱まれば表面張力は低下する

分子間力が弱まると表面張力も低下します。表面張力が低下すれば鏡表面についた水は水玉になりにくくなり、鏡表面に濡れ広がります。なので夏場は鏡に水滴がつきにくくなるので曇りにくいというわけです。

冬場でもお湯をかけた直後は鏡の曇りが取れますが、冷えた鏡により水が冷やされることで、すぐにまた曇り始めてしまいます。

水温の上昇と表面張力の関係



冬場に鏡を曇らなくさせるには?


ヒーター付きの鏡

冬場に鏡が曇るのは、外気で冷やされた冷たい水がかかるか、外気で冷たくなった鏡によって水が冷やされることが原因です。お湯をかけるのも一時的ですが鏡の曇りを取る方法にはなりますが、鏡自体が冷たいと、すぐにまた冷えて曇り始めてしまいます。

鏡の曇り対策として鏡の裏にヒーターが設置してあり、鏡を温めることで曇りにくくしている商品もあります。よくある曇り止め用にヒーターボタンなどはこのためにあります。ただ一から設置するとなるとヒーター付きの鏡代や工事費などの費用が掛かります。


ドライヤーで温める方法も

洗面所などの鏡でもっと手軽にできるのはドライヤーを使って鏡表面を温める方法です。大きな鏡だと温まるまで時間はかかりますが、温まれば曇りが取れてきます。

なおあまり近づけて当てると高温になりすぎてしまい、鏡が破損してしまう恐れがあるので、ある程度距離を取って当てるようにしてください。またお風呂場などでのドライヤーの使用も漏電等の危険性があるので避けましょう。お風呂場ならお湯をかければ一時的ですが、曇りはとれるのでそちらの方が安全です。

鏡をドライヤーで温める


界面活性剤入りの洗剤などを塗る

鏡をあっためる以外にも界面活性剤入りの石鹸液や洗剤、シャンプー、シェービングクリームなどを鏡表面に塗るのも効果的です。洗い流してしまうと効果がなくなってしまいますが、少なくとも入浴1回分ぐらいは持続します。


市販の曇り止め剤を使う

他にも市販されている曇り止め剤を使ってみるのも手です。こちらの商品まずは鏡をきれいに掃除してから、その表面に曇り止め剤を塗って乾かします。曇り止め剤によって親水性が高まり、水をかけた際に水がさっと濡れ広がり、鏡が曇ることがないという仕組みです。効果は入浴約20回分ほど持続するそうです。

ただいったんシャワーでぬらさないと効果を発揮しないので、水をかけられない洗面所などの鏡には使えません。

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こちらの商品は洗面所の鏡用のものです。鏡をきれいに掃除してから曇り止め剤をスプレーし、乾いた布かティッシュなどで伸ばすように拭きます。これで鏡が曇りにくくなります。効果は1週間以上は持つそうです。

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ちなみに浴室は湿度が高く、鏡に直接水がかかる環境です。浴室用の曇り止め剤はこうした環境でも効果を維持できるよう、より強力なものがつかわれているものと思われます。なので用途に合わせて、浴室用と洗面所用とを利用されることをおすすめします。



まとめ


今回はなぜ冬場だと鏡が曇りやすくなるのかについて解説しました。鏡が曇るのは表面張力により水が鏡表面に水玉となってくっつくことが原因です。この水たまに光が乱反射して曇って見えるわけです。

表面張力が下がれば水は水玉になることなく、鏡表面に濡れ広がります。水の表面張力は気温が上がるほど弱くなります。なので夏場は水の表面張力が低下して水玉になりくくなり、鏡表面に広がることで鏡が曇らないというわけです。

冬場でも鏡を曇りにくくしたいなら、鏡を温めたり、鏡表面に界面活性剤入りの添付剤などを塗るのが効果的です。







公開日 2020/11/05



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この記事を書いた人

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生活知恵袋の管理人で管理人の名前も生活知恵袋といいます。料理雑学研究家です。2002年より当サイトを運営。野菜を中心に食品に関する見分け方や保存方法などを、実際の検証とともに解説した記事を多数執筆。光熱費や水道代の節約、衣服や住まい、掃除に関する豆知識も紹介。

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