よく行く産地直売所で通常見かけないような変わった野菜を発見。何かと思ってみてみると里芋「親」と書いていました。里芋の親って何?と思ったのですが、どうやら親芋でセレベス系の赤芽大吉と呼ばれる品種の里芋のようです。
気になったので試しに買ってみることにしました。そこで今回は実際に食べて見てその味の特徴などをレポートしてみたいと思います。
そもそもセレベスって何なの?親芋って何なの?と思われる方もいるかもしれません。通常里芋は親芋と呼ばれる種イモに小さな子芋がたくさんつき、親芋の栄養分を吸収して子芋が育っていきます。
栄養分を吸収された親芋はしなびてしまい、栄養を吸収して成長した子芋が里芋として出荷されます。これが皆さんがよく店頭で見かける里芋です。
一方セレベスと呼ばれる品種は親芋・子芋兼用品種と呼ばれ、通常の里芋とは違います。こちらは親芋にはあまり子芋は付かず、親芋は栄養分を蓄えたまま成長していきます。そして親芋も市場に出荷されます。
ちなみにセレベスは、芽が赤いことから赤芽と呼ばれたり、大吉などともよばれます。セレベスという名前はインドネシアのセレベス島(現スラウェシ島)から伝わってきたのに由来します。
今回購入したセレベス系の赤芽大吉はこちらです。かなり大きいのがわかるかと思います。大きさは縦20.5cmで、横11cmです。
重さは何と1359gもありました。
こちらはそこから見た赤芽大吉です。底は年輪のような見た目になっていて、まるでバームクーヘンのようです。
こちらは通常の里芋です。大きさは縦5.5cm、横4.5cmです。
これで重さは46gでした。
ちなみにこちらの赤芽大吉は価格は260円でした。重さにすると通常の里芋の29倍なので、里芋が29個入ってこの価格だと思うと、かなりお得な金額だといえます。
ここまではセレベス、赤芽大吉とはどんなものなのか、通常の里芋とはどう違うのかを解説していきました。それでは実際にどんな味や食感なのかを食べて確かめてみることにします。
まずはこのように半分にカットします。カットすると中は白くてきれいな果肉で、この時点でやっぱり里芋の一種なんだと再認識させてくれます。
底の一部は赤くなっていますが、この部分は食べれないので、皮をむくときに一緒にカットします。
セレベス、赤芽大吉はしま模様がなるべく平行なもの、触ってみて実がしっかりとしているもの、表面があまり乾燥しすぎていないものがいいです。お尻の部分が柔らかくなっているのは、鮮度が落ちてきているので避けたほうがいいです。
セレベス、赤芽大吉の旬は9月から12月ごろです。ちなみに当サイトで撮影したセレベス(親芋)は近所の産地直売所で9月中旬に購入したものです。
今回はセレベス系の赤芽大吉を使って里芋の煮っころがしを作ってみることにします。それでセレベス系の赤芽大吉がどんな味なのかを確認してみることにします。使う材料は以下の通りです。
まずは皮をむいた赤芽大吉を縦に4等分に切り分けます。これを乱切りにします。
次に鍋にだし汁とカットした赤芽大吉を入れ、一煮立ちさせます。
煮立ったら中火にして砂糖、しょうゆ、みりんを加えます。落し蓋をして15分ほど煮込みます。
竹串をさしてみて、すっと入るようになったら出来上がりです。
それでは気になる味や食感ですが、さっそく食べて見ることにします。通常の里芋は割とねっとりとした粘質な果肉ですが、こちらの赤芽大吉は割と粉質でほくほくした食感です。
味がしっかりとしみこんでいて上品な甘みと里芋の風味がよく効いていて、かなりおいしかったです。
今回は作った量が豊富なので、なかなか食べきれませんでしたが、また店頭で見かけたらぜひ購入したいと思わせる出来栄えでした。
もう一つ赤芽大吉を使ったレシピを紹介します。紹介するのは赤芽大吉の揚げ焼きを紹介します。使う材料は以下の通りです。
まずはセレベスの皮をむいてから乱切りにしてます。
鍋に水を入れて塩を水1リットルに対して大さじ1入れたら、セレベスを加えて火にかけます。10〜15分ほどゆで、くしで刺してみてすっと入るぐらいになったら火を止めざるにあげます。
流水にさらしながら表面のぬめりを軽くもみ取ります。
つぎにフライパンにサラダ油を5mmほどの深さまで入れ、火にかけます。茹でたセレベスを加えて焼き色がつくまで揚げ焼きにします。
揚がったらフライヤーに取り出して油をきります。
ボウルに上がったらセレベスを入れ、塩と青のりを振りかけ、ボウルをゆすって全体になじませたら出来上がりです。
こちらも外はカリカリ、中はふっくらでかなりおいしかったです。
ちなみに今回の検証については以下の動画でも取り上げているので、併せて参考にしてみてください。
今回はセレベス系の赤芽大吉について実際に購入して、料理にして食べて見るまでをレポート形式でお送りしました。
セレベス系の赤芽大吉は見た目こそ通常の里芋とかなり違いますが、味や食感はしっかり里芋でした。
食感は里芋よりもやや粉質でほくほくしていて、煮っころがしにしてもかなりおいしかったです。
スーパーや産地直売所で見かけた際は、ぜひ購入されてみてはいかがでしょうか。