とうもろこしは収穫後に鮮度が落ちやすい野菜の一つで、購入する際はしっかりと鮮度を確認しておきたいものです。そこでおいしいとうもろこし、鮮度のいいとうもろこしの見分け方、選び方を詳しく解説していきます。
とうもろこしは一般に皮付きのまま売られている場合と、皮をはいで売られている場合の2通りがあります。それぞれでのおいしいとうもろこしの見分け方や、傷んだとうもろこしの見分け方を解説し、さらにとうもろこしの種類やトウモロコシに含まれる栄養素についても取り上げます。
とうもろこしの旬は夏ですが、現在は1年中で回っています。旬の時期は取れたてを予冷して輸送したり、北海道から空輸するなどして、取れたてのおいしさが全国で味わえるようになっています。
もともと明治時代の北海道開拓時に日本での本格的な生産が開始されたことも有り、現在でも全体の40%は北海道で生産されています。その他の主な産地は千葉や茨城、群馬などです。
とうもろこしは皮に包まれて売られている場合と、皮をはいで黄色い粒がむきだしになって売られている場合と二通りあります。まずは皮付きのとうもろこしの見分け方・選び方を紹介します。ちなみに一部皮がついていて、中の黄色の粒も見えている場合は、皮つきの場合の見分け方と皮なしの場合の見分け方両方でチェックできます。
皮つきとうもろこしでみずみずしくて中身が詰まっている物は、皮の外から見てもふっくらしています。
皮がみずみずしくて緑鮮やかなものを選びます。鮮度が落ちてくると緑が白っぽくなってきます。また日持ちなども考えて皮付きのものがいいでしょう。
ひげはめしべの花柱で一本一本が粒とつながっています。このためひげがふさふさでボリュームがあるものほど粒もぎっしりと詰まっています。またひげの先が茶褐色のものはよく熟した甘みの強いものと考えられています。髭の部分はカットされていることも多いので、その場合はそれ以外の部分で見分けます。
軸は青く、軸の切り口が乳白色でみずみずしくて新鮮なものを選びましょう。軸の切り口が黄色に変色しかかっているものは鮮度が落ちてきている証拠です。
皮をはいであるとうもろこしの場合、粒がしっかりとふくらみ、へこみのないものを選びます。鮮度が落ちると水分が抜けへこみが出てきます。
粒にすきまがなく先までぎっしりとつまっているものを選びましょう
とうもろこしは収穫後24時間で栄養価が半減するといわれています。鮮度が落ちやすい野菜で劣化すると水分が蒸発し、粒もペコっと凹んできます。
そのためとうもろこしを選ぶ際はしっかりと粒にへこみがなく、隙間なく詰まっているものを選びましょう。
実際どの程度味が落ちるのか気になったので、生のまま5日間冷蔵庫で保存したとうもろこしと、初日に茹でたとうもろこしを食べ比べてみました。こちらは初日に茹でて冷蔵庫で保存して5日たったとうもろこしです。
こちらは5日間生のまま野菜室で保存してから茹でたとうもろこしです。見た目はほぼ同じですが、味の方はやはり初日に茹でたとうもろこしの方がおいしかったです。
詳しくはとうもろこしは買ってすぐ茹でて保存しないと味が落ちるって本当?検証してみたら驚きの結果に!で検証記事をあげているので、こちらも併せて参考にしてみてください。
軸については皮つきも皮をはいでいるものも同じです。軸は青く、軸の切り口が乳白色でみずみずしくて新鮮なものを選びましょう。
手に取ってみて凹凸があまりなく、粒一つ一つにはりがあるものは、実もしっかり詰まっていて良品だといえます。皮つきの場合でも皮越しに凹凸があまりなく、身が詰まっているものを選びましょう。
同じサイズのとうもろこしなら手に取ってみて重みを感じる方が、鮮度もよく水分も蒸発せずに詰まっているので良品だといえます。
とうもろこしは収穫してから味が落ちるのがかなり速い穀物の一つです。おいしく食べたいなら、とうもろこしは収穫後すぐか、買ってきてからすぐに茹でておくことが望ましいといえます。
さらに保存して置く環境でも味の落ちるスピードは変わってきます。常温で保存した場合はかなり速いスピードで味が落ちていきます。その際とうもろこしの甘い香りがかなり強く放出されます。
こうした香りはとうもろこしの栄養分や甘みを消費して放出しているので、その分味も大きく落ちてしまいます。なので甘い香りが強く出ているとうもろこしは、選ばない方がいいというわけです。
一方冷蔵室や野菜室で保存しても日数の経過で味は落ちていきますが、それでも常温ほど大きく味が落ちることはありません。実際匂ってみても、とうもろこしにかなり近づいて匂わないとそこまで強い香りはしません。
なのでそんなに近づいて見ないでもかなり強い匂いのするとうもろこしは避けた方がいいでしょう。
常温で保存してみた場合と野菜室で保存してみた場合の違いについてはとうもろこしを夏に常温保存しちゃダメなの?検証してみたら意外な結果に!でも詳しく解説しているので、併せて参考にしてみてください。
以下ではとうもろこしの見分け方・選び方をドアップの映像で動画で解説しているので、併せて参考にしてみてください。
とうもろこしは持ってみてその重量感などからも鮮度の良しあしを判断できますが、では実際とうもろこしはどのくらいの重さなのでしょうか。そこで実際にとうもろこしの重さをはかってみることにします。検証したのは縦は20cm、横5cmのとうもろこしです。
このサイズでの重さは241.0gでした。さらにとうもろこしの重さは1本、半分、1/4で何グラム、大きさやカロリーは?ではとうもろこしをカットした際の重さや100g分の分量なども検証しています。
トウモロコシが傷んでくると色も変色して、表面にぬめりが出てねばねばしてきます。また異臭がしたり触ってみても弾力がなくぐにゃっとしています。またカビなども生えてきます。とうもろこしが傷んできたらもう食べられないので、諦めて処分しましょう。
トウモロコシは紀元前5000年ごろから現在のメキシコあたりで栽培され始めた作物で、日本にはポルトガル人によって1579年に持ち込まれました。日本での生産はその多くは飼料用としてで、食用としては主にスイートコーンと呼ばれる甘みの強い品種が生産されています。
スイートコーンの中ではハニーバンダムと呼ばれる品種が有名で、ゴールドコーンとも呼ばれます。他にも黄色の粒に白色の粒が混ざった2色のバイカラーコーンや黄色としろと紫の3色の粒からなるウッディーコーン、つやのある白粒種のシルバーコーンなどもあります。さらに生食用品種を若採りしたヤングコーン(ベビーコーン)などもあります。
種類 | 見た目 | 特徴 |
---|---|---|
ハニーバンダム | 粒は黄色 | スイートコーンの代表品種、別名ゴールドコーン |
バイカラーコーン | 粒は黄色と白 | 粒は白と黄色の2色が混じり、粒皮は柔らかく甘みも強い |
ウッディーコーン | 粒は黄色と白と紫 | 粒は3色でもちもちとした食感 |
シルバーコーン | 粒は白 | 粒は小ぶりだが柔らかく甘みも強い |
ヤングコーン | 小型のトウモロコシ | 生食用品種を若採りしたもの、別名ベビーコーン |
とうもろこしには葉酸が多く含まれます。葉酸は動脈硬化の予防や貧血の予防のほか、胎児や成長期の子供の発育にも欠かせない栄養素です。また粘膜の健康の維持にも働きます。葉酸の効果については葉酸の多い食品・食べ物と含有量一覧でも詳しく解説しています。
とうもろこしには高血圧の除圧作用などがあるカリウムも豊富に含まれます。カリウムの効果についてはカリウムの多い食品・食べ物と含有量一覧でも詳しく解説しています。
とうもろこしにはコレステロール値を下げる働きのあるリノール酸も多く含まれます。
とうもろこしはそのままだとうまみや栄養価の落ちが早いので買ってきたらすぐに茹でるようにしましょう。保存する場合はゆでたとうもろこしを温かいうちにラップで包み、粗熱が取れたら冷蔵庫に立てて保存します。これで1週間は保存ができます。
とうもろこしは冷凍して保存しておいてもいいです。冷凍する場合はまずはとうもろこしをゆでて、それから3〜4cmに輪切り、もしくは粒を外してから冷凍用保存袋に入れて冷凍保存します。これで1ヵ月は持ちます。外した粒をフードプロセッサーにかけてペースト状にしてから保存してもいいです。詳しくはとうもろこしの保存方法と保存期間、長持ちのコツで解説しています。
ちなみに以下の動画では実際にポリ袋に入れて保存する方法の効果を検証しています。併せて参考にしてみてください。
まずは皮つきのとうもろこしのチェックです。見た目がふっくらしていて、皮は緑色のものを選びます。ひげ根もボリュームがありふさふさして、先が茶褐色になってるものがいいです。切り口は乳白色でみずみずしいものを選びます。手に取ってみて固くて粒がしまっているものを選びます。
次に皮をはいだとうもろこしの見分け方です。粒が凹んでなくて膨らんでいて、隙間なく詰まっているものを選びます。軸は乳白色でみずみずしいものが良品です。また手に取ってみて張りがあるものがいいです。
皮つきとうもろこしのチェックの流れ
皮なしとうもろこしのチェックの流れ