HOME > 食品を上手に冷凍保存・解凍する方法 > トマトの冷凍保存と失敗しない解凍のコツ、活用レシピも紹介
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大量に買ってきたトマトも生での保存ではそれほど長期間は保存できません。無駄なく利用したいなら冷凍保存がおすすめです。今回はトマトの冷凍保存の方法を詳しく見ていきます。丸ごと保存やカットしてから保存、トマトソースにしてから保存などを紹介します。
冷凍したトマトはそのまま料理に使えることも多いですが、解凍して使う場合は上手に解凍しないと味や食感も落ちてします。そこで上手なトマトの解凍方法についても詳しく解説します。
トマトは冷蔵庫でも保存できますが保存期間は1週間ほどです。長く保存したいなら冷凍庫での保存が適しています。冷蔵庫で保存する場合は丸ごとでも保存できるし、カットして保存することも可能です。
トマトは丸ごとそのまま冷凍保存することも可能です。まるごと冷凍保存する場合はまずはへたの部分を包丁で先に切り取っておきます。冷凍したものを冷凍のままトマトソースや煮込み料理、スープや炒め物で使う場合はへたの部分がついたままだと、先に解凍してからへたの部分を取って調理しなければなりません。へたの部分を取っておけばすぐにそのまま使えます。
後はこれを冷凍用の保存袋に入れて空気を抜いて密封し、金属トレイの上にのせて冷凍庫で保存します。これで1ヵ月は保存できます。
トマトをまるごと冷凍保存すると、下の画像のようになります。冷凍保存するとカチカチに固まります。食べる際は解凍が必要です。
ちなみに冷凍したトマトを割ると断面は以下の画像のような感じになります。しっかりと中まで凍っているのがわかるかと思います。
解凍は自然解凍や流水解凍は辞めた方がいいです。以下は流水解凍した冷凍トマトです。生のトマトのような張りはなく、ぶよぶよっとしています。また水分が大分流出してしまっています。
スープや炒め物、汁物、煮物などに使うなら冷凍のまま使うといいです。ただ冷凍のトマトは凍っていて包丁の入りもよくないので、なかなかカットしづらいです。
そこで後述しますが流水にさらして薄皮をむいてやるといいです。
こうすると包丁の入りもよくなりそこまで力を入れなくてもカットできます。
こちらは小さめにざく切りにした冷凍トマトです。こちらを煮物や炒め物、汁物などに加えて使えば、解凍にも時間がかからずすぐに溶けて使い勝手がいいです。
トマトは生のまま冷凍して解凍すると酸味が強くなります。以下は生のトマトと冷凍した生のトマトをそれぞれ鍋で煮詰めた時の味の違いを表したものです。
このようにトマトは冷凍した方が酸味が強調されるので、酸味が好きな方は冷凍したトマトを使うといいです。逆に酸味が苦手な方は生のトマトを使うといいです。
生のままトマトを丸ごと冷凍すると味や食感がどうなるかについてはトマトを生のまま丸ごと1個冷凍・解凍したら味や食感はどうなる?検証したら驚きの結果に!でも詳しく検証しているのでこちらも参考にしてみてください。
ちなみに冷凍したトマトなら流水にさらしたり水につけるだけで皮が簡単につるりと剥がれます。生のトマトの場合はさっと湯通しすることで皮がむけますが、冷凍トマトならその手間も必要ありません。
皮をむくと下の画像のようになります。
ちなみに下の動画は冷凍トマトの皮をむく様子です。動画のように簡単に皮がむけます。
ついでですが、生のトマトの皮むきの方法であるトマトの湯むきについても紹介します。トマトのへたをとって、反対側に十字の切れ目をつけます。切れ目を入れておくことでお湯の中に入れた状態で切れ目の部分から皮が自然と開いてきます。
そして穴あき玉じゃくしなどに乗せて沸騰したお湯の中に20秒から40秒つけます。
すると下の画像のように十字に切れ目を入れたあたりへと自然と皮がむけていきます。あとはさっと取り出し水につけ、すぐに十字につけた切れ目の部分から皮をむいていきます。皮は簡単に向けます。
加熱したくないときは包丁の峰で上から下に全体にこすります。この作業をすることで簡単に皮がむけます。あとはももをむく要領でむいていきます。
それでは冷凍したトマトを使ったレシピを一つを紹介します。今回はトマトソルベです。ソルベとはフランス語でシャーベットを意味します。使う材料は以下の通りです。
まずは冷凍したトマトを水につけて皮をむきます。そのあとおろし器ですりおろし、オリーブ油と塩をかけてスプーンでさっと混ぜ合わせて出来上がりです。ソルベは食事中の口直しや食後のデザートに最適です。程よい酸味とアイスのような食感や舌触りを楽しめます。
トマトはざく切りにして冷凍保存も可能です。先に切ってから冷凍保存しておけば、カットしたものを使いたい際に、一度解凍しなくてもそのまま料理に加えることができます。
保存の仕方はまずはトマトのへたを包丁で切り抜いた後、ざく切りにして冷凍用保存袋に入れ、塩を加えて軽くもみます。塩はトマト1個(大250g)で小さじ1/3杯ほどです。保存袋にはトマトはなるべく平らになるようにいれます。あとは金属トレイの上にのせて冷凍保存します。これで1ヵ月は保存ができます。
ちなみにトマトをざく切りにして保存する場合は生のままとレンジで加熱してからのどちらの方がいいのでしょうか。気になったので生とレンジで加熱したものをそれぞれ冷凍保存してみて、味や食感にどのように違いが出るのかも検証してみました。
そもそもなぜトマトをレンジで加熱してから冷凍保存してみようと思ったのかというと、野菜というのは一般的に生よりも加熱調理してから冷凍保存した方が、味や食感の持ちはよくなります。
トマトに関しても同じじゃないかなと思い、今回検証してみることにしました。
まずはそれぞれの冷凍保存の仕方を解説します。まずはトマトをカットします。トマトは加熱すると割と身が崩れやすいので、細かく刻みすぎてしまうとすぐにべちゃっとしてしまいます。
なので今回はこのように半分に切ったものをさらに半分に切って4等分にしたものを使います。
こちらを耐熱容器に入れ、100gあたり600Wで1分、500Wなら1分10秒加熱します。加熱時間も長すぎるとべちゃっとなりやすいので、こちらも1分程度に抑えます。
こちらは1分レンジで加熱したものです。1分でも十分火が通り、だいぶしなっとしています。こちらを冷めるまで置いておきます。
冷めたら冷凍用保存袋に入れて冷凍保存します。ちなみに加熱すると果肉から水分も結構出るので、こちらも一緒に保存袋に入れて2週間ほど冷凍保存します。
生で冷凍する場合は4等分にカットしたらそのまま冷凍用保存袋に入れ、冷凍保存します。
それでは冷凍保存したそれぞれのトマトを解凍してみることにします。トマトは一度冷凍して解凍すると生のトマトのようなハリや弾力は失われてしまいます。
こちらは冷凍した生のトマトを流水解凍したものです。このようにぶよっとしています。このように食感がよくなくなるので生食には向いていません。
ただ冷凍したトマトはすりおろしてトマトソルベにしてもおいしいです。なのでまずは冷凍した生のトマトと冷凍したレンジで加熱したトマトをそれぞれすりおろして食べ比べてみることにします。
まずはこちらが冷凍した生のトマトです。
これをすりおろし器でこのようにすりおろします。
食べてみたところトマトの酸味もしっかりあって甘みとあいまって、何もつけずにこれだけでも十分おいしかったです。
こちらはめんつゆなどに入れてトマト風味のめんつゆにしてもおいしそうです。
一方こちらはレンジで加熱してから冷凍したトマトです。加熱した際に出た汁も一緒に冷凍したので、このように汁も一緒に固まっています。
こちらもすりおろしてみました。食べてみたところこちらは生に比べてだいぶ酸味は薄いです。
トマトの味はしますが酸味が薄いので生のトマトを冷凍したものに比べると大分物足りない感じです。
2つを食べ比べて見た感想は酸味がしっかりある点で生で冷凍したトマトの方がおいしかったです。正直食べる前は加熱した方が冷凍後もおいしくいただけると思っていたので、この結果はかなり意外でした。
星で表すなら生で冷凍したトマトが星5なら、レンジで加熱して冷凍したトマトは星3といった感じです。
冷凍したトマトは通常は煮物や炒め物、スープやトマトソースなど加熱調理して使われます。そこでそれぞれじっくり煮込んでみたものも食べ比べてみることにします。
くし切り状態のままだとまだ大きくてしっかり火が通るまで時間がかかりそうです。なので少し細かく包丁でカットします。冷凍していても少し力を入れれば包丁でも割と簡単にカットできます。
荒めに刻んだ冷凍した生のトマトをこのように鍋に入れます。これで中火で煮詰めていきます。
レンジで加熱して冷凍したトマトも同じように粗めにカットしてこのように鍋に入れ、煮詰めていきます。
しっかり煮詰めてこのぐらいまでドロドロになったら火を止めます。
こちらは冷凍した生のトマトを煮詰めたものです。食べてみたところ加熱によってトマトのうまみが増して、さらに酸味もしっかりあっておいしかったです。
一方こちらはレンジで加熱してから冷凍したトマトを煮詰めたものです。食べてみたところ加熱によってトマトのうまみが増すとともに、酸味も適度にあっておいしかったです。
意外だったのはしっかり煮詰めるとレンジで加熱してから冷凍したトマトでもかなりしっかりと酸味が出て、生で冷凍したトマトに比べてもだいぶ酸味の差がなくなっていたことです。2つを食べ比べて見た結果は冷凍した生のトマトはトマトのうまみと酸味があってよかったです。レンジで加熱してから冷凍したトマトは酸味は少し生のトマトの方には劣りますが、その分トマトのうまみの方が強調され、こちらはこちらで全然おいしかったです。星で表すならどちらも星5です。
ちなみにこちらの検証については以下の動画でも取り上げているので、こちらも参考にしてみてください。
トマトのざく切りを冷凍保存すると、下の画像のようになります。これが冷凍保存したざく切りのトマトです。冷凍保存するとカチカチに固まります。料理に使う際は直接冷凍のまま使っても解凍してから使ってもいいです。
トマトのざく切りを前日の冷蔵庫に移して自然解凍すると以下の画像のようになります。自然解凍した方が水分の流出も少なく味や食感も保てます。ただし生のトマトのような張りや弾力はないので、サラダなどには適していません。トマトソースや煮物、炒め物、汁ものなどに使うといいです。
それでは冷凍したざく切りトマトを使ったレシピを一つを紹介します。今回はスペイン風トマトスープです。使う材料は以下の通りです。
鍋にオリーブオイルを引いてにんにくのみじん切りを加えて火にかけ、香りが立つまで炒めます。
次にトマトを冷凍のまま加えて炒めます。
生のトマトを使う場合はトマトをざく切りにして鍋に加えて炒めます。
トマトをしっかり炒めて、形が崩れてこのぐらいになるまで煮詰めます。
さらに水300mlと固形コンソメ1.5個を加えて一煮立ちさせます。煮立ったら蓋をして弱火で5分ほど煮込みます。
塩とこしょうで味を調えたら卵を加えて、半熟より少し固めになるぐらいで火を止めて器に盛ります。あとは乾燥パセリを振りかけて出来上がりです。
こちらは冷凍したトマトを使って作ったスペイン風トマトスープです。食べてみたところトマトの風味やうまみ、酸味も適度に効いてておいしかったです。
一方こちらは生のトマトを使って作ったスペイン風トマトスープです。こちらも食べてみたところトマトの風味やうまみがよく出ていておいしかったです。酸味はこちらの方が控えめでした。
食べ比べた感想は味はほとんど同じで、酸味の差がちょっとあったくらいです。個人的には酸味のあるトマトも好きなのでどちらも全然おいしくいただけました。
トマトソースにしてから冷凍保存してもいいです。まずはトマトソースで使う材料を紹介します。
作り方はまずはトマトを湯むきします。たまねぎとにんにくはみじん切りにします。フライパンにオリーブオイルをひき、中火で熱してからたまねぎとにんにくを加えてよく炒めます。あら刻みしたトマトとコンソメ顆粒を加えて20〜30分ほど煮込みます。最後に塩で味を調えて完成です。
これを冷凍用保存袋に平らになるように入れて、冷めてから冷凍庫で保存します。冷凍庫では1時間ほどで一回取り出し指で十字に溝を入れておくと、凍った後でその溝で使う分だけ割って使えます。初めからラップで小分けにしておいてもいいです。これで1ヵ月はもちます。
保存袋に入れて冷凍したトマトソースは、電子レンジで解凍から一気に温めるまでやってしまうと保存袋が熱で耐えきれない可能性もあります。そこでまずはレンジでは解凍までにすませ、その後耐熱容器に移してから加熱するといいです。
トマトソースはパスタやハンバーグ、ピザやラザニア、ロールキャベツやオムレツ、ミネストローネやその他煮込み料理など様々な料理で使えます。
トマトに限らず食品を冷凍保存するなら、冷却にかかる時間を短くすることが冷凍保存のコツになります。急速冷凍すればその分食品の鮮度の落ちを抑えることができます。そこで熱伝導率の高い金属トレイを使い、この上にトマトをのせて冷凍保存することで、より早く冷気が伝わり、急速冷凍することができます。
トマトを保存袋に入れて冷凍保存する際は空気をしっかりと抜いて保存しましょう。空気は熱伝導率が低いので、空気がたくさん残っているとその分冷却する時間も長くなります。
食品を保存する場合はなるべく食品が薄く平らになるようにして保存袋に入れるといいです。こうすると表面積も増え冷気の伝わりも早くなり、全体に均一に冷却されます。また解凍にかかる時間も短くすることができます。
冷凍保存では長期保存できることから、ついつい使いそびれてしまい、後になっていつ保存したのかわからなくなるといったこともよくあります。長期保存できるとはいえ限度があるので、どの程度保存しているのかを把握しておくことは大切です。そこで保存する際はしっかりと保存日を記入しておくようにしましょう。
ちなみに冷凍用保存袋といえばジップロックが有名ですが、こちらはあらかじめ保存袋の表面に日付や保存する食材名を記入する欄がプリントされています。ジップロックはS、M、Lとサイズがあり、スーパーやドラッグストアなどでも売っていますが、ネットでまとめて購入することもできます。
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冷蔵庫は0度から5度の保温温度に設定されています。一方冷凍庫は食品をしっかりと冷凍させるためマイナス18度に設定されています。食品は急速冷凍させるほど鮮度を保って保存ができます。そのため高価格な製品ではマイナス30度に設定しているものもあります。
トマトは冷蔵庫の野菜室でも保存ができます。ポリ袋の中にへたを下にして重ならないように入れ、口を軽く締めてから保存します。これで1週間は保存ができます。
トマトはドライトマトにして保存してもいいです。まずトマトを輪切りにし、種や水分をキッチンペーパーでふき取ります。これをオーブンシートに並べ、オーブンで低温(140度)で1時間ほど過熱すれば出来上がりです。
保存袋に入れて冷蔵庫で保存で1ヵ月は持ちます。トマトの保存方法全般についてはトマトの保存方法と保存期間、長持ちのコツで解説しています。
ちなみに以下の動画では実際に新聞紙で包んでポリ袋に入れて保存する方法の効果を検証しています。併せて参考にしてみてください。
トマトは冷凍保存することで長期保存も可能ですが、鮮度を保ちたいならまずは購入段階でいいものを選ぶことも大事です。そこでトマトの選び方・見分け方についても解説します。トマトはへたが青々としてピンと張ってるものがいいです。
色は全体的にムラのない赤色で、へたの反対側に放射状に白い線が伸びているものほど鮮度がいいです。
形は丸みを帯びていてへた付近にひび割れのないもの、持ってみて固くて重量感のあるものがいいです。詳しくはおいしいトマトの見分け方・選び方で解説しています。
また下の動画でもピーマンの見分け方・選び方を解説しているので合わせて参考にしてみてください。
トマトをへたの部分を切り抜き丸ごと冷凍保存ができます。ざく切りにしてから保存袋に入れて冷凍保存も可能です。あらかじめトマトソースを作っておき、それを保存袋に入れて冷凍保存することもできます。いづれも1か月ほど冷凍保存が可能です。
まるごとトマトやざく切りトマトは煮物、汁物、炒め物、トマトソースなどを作る際に凍ったまま使うこともできます。もちろん解凍してから使うこともできます。トマトソースを解凍する場合はいったん自然解凍するか、レンジで解凍だけしてから、耐熱容器などに移して加熱するようにするといいです。