HOME > 食品を上手に冷凍保存・解凍する方法 > トマトを生のまま丸ごと1個冷凍・解凍したら味や食感はどうなる?検証したら驚きの結果に!
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トマトはまるごと一個そのまま冷凍保存することは可能なのでしょうか。気になったので実際に試してみることにしました。
まずはこちらが買ってきたばかりの生のトマトです。
触ってみるとしっかりとハリや固さがあります。こちらをそのまま丸ごと1個冷凍保存します。
冷凍する前に先にへたの部分をこのように包丁で切り抜いておきます。へたがついたままだと冷凍後にトマトスープや煮物、炒め物などに利用する際、へたを取るためにいったん解凍する必要があります。
しかしながらヘタを先にとっておけば、冷凍のままそのまま使うことができます。こちらを冷凍用の保存袋に入れ、冷凍保存します。
こちらは丸ごと冷凍して2週間たった冷凍したトマトです。しっかり冷凍され表面に霜がついているのがわかるかと思います。
冷凍前と並べるとこんな感じです。
触ってみてもしっかりと奥まで固くなっています。叩いてみるとこんな感じでコンコンと金属のような音がします。それではこちらの冷凍したトマト解凍してみることにします。
解凍は流水解凍と加熱解凍で行います。まずは流水解凍です。丸ごと冷凍したトマトをポリ袋の中に入れます。このときストローなどで中の空気をしっかり抜くと、隙間がなくなり流水による解凍も早くなります。
こちらを容器に入れ上から水を流し流水解凍していきます。水温は27度で比較的高めなのですが、トマト丸ごと一個だと外側は比較的早く柔らかくなってきますが、中までしっかりと柔らかくなるには時間がかかります。今回は25分ほどかかりました。
こちらが流水解凍したトマトです。冷凍前と比べて縮んでしまいました。皿を見てもらってもわかるかと思いますが、このように解凍とともに中の水分も出てきてしまっています。その分トマトの実も縮まってしまいました。
冷凍前、冷凍後、解凍後と並べるとこんな感じです。冷凍前と比べて大分縮まっているのがわかるかと思います。
それでは実際にどんな味や食感なのかを生のトマトと食べ比べてみることにします。こちらは丸ごと冷凍して流水解凍したトマトを食べやすいようにカットしたものです。
まるごと流水解凍した時点でだいぶ水分も出ていましたが、カットする際もこのように水分が出てしまいました。トマトの実の方もだいぶしなっとしてしまっています。
生のままで冷凍保存して解凍すると多くの野菜では青っぽさが出て、味がおいしくなくなってきます。なのでこちらのトマトも正直味はそんなに期待していませんでした。
実際に食べてみたところ特に青っぽい味もなく、トマトの甘みと酸味がして普通のトマトの味でした。ただ少し酸味と甘みが強い感じがしました。食感の方は生のトマトのようなハリはなく、ぶよっとした食感であまりよくはありませんでした。
次に生のトマトをカットしたものを食べてみることにします。こちらも甘みと酸味があっておいしいトマトでした。ただ冷凍したものに比べるとやや甘みや酸味が控えめな感じはありました。
食感の方はこちらは適度なハリもあり、果肉もしっかりと詰まっていて適度な柔らかさでよかったです。
2つを食べ比べて見たところ味に関しては冷凍して解凍したトマトの方がやや甘みや酸味が引き立っているように感じました。冷凍した方が甘みや酸味が増したのは意外でした。
個人的には酸味と甘みの強いトマトは好きなので、生のトマトよりもこちらの方が若干よかったように思います。
ただ冷凍の方はぶよっとしてしまっていて食感は全然よくないです。しっかりハリがあって果肉が詰まった生のトマトの方が食感はよかったです。
味と食感の両方を考慮すると生のトマトが星5なら冷凍のトマトは星2といった感じです。どうやら冷凍トマトは流水解凍にはあまりむかないようです。
冷凍トマトは加熱調理で使われることの方が多いようです。そこで生のまま丸ごと冷凍したトマトを加熱調理してみることにします。丸ごとだと中まで火が通るのに時間がかかるので、細かく刻むことにします。
ただこのままだと包丁でカットしようとしても表面がつるっとしてうまく力が入らず、なかなかカットできません。
そこでこのようにさっと流水にさらします。
そうするとこのように表面の皮がツルンと簡単にむけます。
皮のむけた冷凍のトマトだと表面で包丁が滑ることもないのでしっかりと力が伝わり、このように包丁で少し力を入れるだけでカットできます。
あとは細かく刻んでいきます。
細かく刻んだら鍋に入れて火にかけます。
じっくり煮込むとこのように形もなくなりドロドロに溶けてきました。
こちらは鍋で加熱した丸ごと冷凍したトマトです。食べてみたところ加熱したことでトマトのうまみが広がり、さらに酸味もしっかりあっておいしかったです。
次は生のトマトもこのように細かくざく切りにして鍋で煮詰めました。
こちらもこのようにしっかりと火が通ってドロドロになりました。
こちらも食べてみたところトマトのうまみとともに酸味もしっかりあっておいしかったです。
生のトマトの場合は冷凍したトマトに比べると酸味が弱く感じたので、加熱した場合は酸味の差はさらに広がるのかなと思っていたのですが、逆にどちらもしっかりと酸味があって、酸味の差は縮まったようなきがします。それでも冷凍したトマトの方が少し酸味は強いです。
2つを食べ比べて見たところ生のトマトの方は酸味が少し弱い代わりにトマトの風味はやや強い気がします。なのでどちらも一長一短あって両方おいしかったです。
味の違いを星で表すならどちらも星5といった感じです。食感はここまでドロドロになっているので特に違いはありません。
ちなみに丸ごと冷凍したトマトはおろし器などですりおろしてトマトソルベにしてもおいしいです。ソルベとはフランス語でシャーベットのことです。
こちらに塩とオリーブ油をかけて食べます。冷凍トマトは甘みと酸味が引き立っていて味もよかったのでおすすめです。
今回の検証についてはこちらの動画でも取り上げているので、こちらも参考にしてみてください。
今回はトマトを生のまま丸ごと冷凍すると味や食感はどうなるのかを検証しました。トマトは生のまま冷凍すると冷凍していないものよりも酸味が強調され、より強く感じられるようになります。
トマトの酸味が好きな方には生のトマトよりもおいしく感じられるかと思います。自分は酸味が強いトマトが好きなのでよりおいしく感じました。
流水解凍の場合はその差は特に大きく出ますが、加熱すると生のトマトでもしっかりと酸味が出てくるので、その差は小さくなります。それでも若干は酸味はつよいです。
トマトの酸味が好きな方は冷凍したトマトを使うのもおすすめです。一方酸味が苦手な方は冷凍せずに生のまま使うといいです。