春菊は比較的鮮度が落ちやすい野菜の一つですが、上手に保存すれば鮮度の落ちを抑えて比較的長持ちさせることができるといいます。実際本当なのかどうか気になったので、よく言われている春菊の保存方法を実際に試してみて、その保存効果を検証してみることにします。
今回は比較のために何もしないで保存した場合はどうなるかも合わせてみていきます。
春菊は収穫後鮮度の落ちやすい野菜です。買ってきたらなるべく早めに保存法を実践しましょう。
野菜は基本的に生育時と同じ状態で保存したほうが長持ちします。春菊も同じで横にして保存すると、縦に伸びようと余計にエネルギーを使ってしまい、鮮度の落ちも早くなります。春菊を保存するときは立てかけて保存するようにしましょう。
今回は2つの保存方法の効果を検証します。まずは春菊を新聞紙で包み、霧吹きなどで軽く湿らせます。これをポリ袋に入れ軽く口をしめてから、冷蔵庫の野菜室に立てて保存します。これで1週間ほど保存ができるといわれています。
次は新聞紙では包まず、そのままポリ袋に入れ、口をしめて冷蔵庫の野菜室で立てて保存します。こちらの方法でも1週間は保存ができるといいます。
最後に上の2つの保存方法との比較のために、何もしないでそのまま冷蔵庫の野菜室で保存する方法も試してみます。こちらと上の2つの方法とで、鮮度の持ちにどのような差が出るのかを詳しく見ていきます。
まずは初日の状態です。初日の春菊は葉にハリもあり、みずみずしくて濃い緑色です。
初日の新聞紙とポリ袋に入れて保存するほうの春菊の重さは27.2gです。
ポリ袋に入れて保存するほうの春菊の重さは31.6gです。
そのまま保存するほうの春菊の重さは19.7gです。
新聞紙とポリ袋にいれて保存した方は、2日経ってもそんなに大きな変化は見られません。
並べるとこんな感じです。左が初日の新聞紙とポリ袋に入れて保存する春菊で、右は2日目の春菊です。両者に大きな差は見られません。
重さは26.7gで、初日の27.2gからは1.9%減少しています。
こちらはポリ袋に入れて保存した2日目の春菊です。こちらも特に大きな変化は見られません。
並べるとこんな感じです。左が初日のポリ袋に入れて保存する春菊で、右は2日目のポリ袋に入れて保存した春菊です。両者に大きな差がないのがわかるかと思います。
重さは31.2gで、初日の31.6gからは1.3%減少しています。
こちらはそのまま野菜室で保存した2日目の春菊です。たった1日でかなりしなびれてきています。春菊は非常に乾燥に弱いことがわかりました。
並べるとこんな感じです。左が初日のそのまま保存する春菊で、右は2日目のそのまま保存した春菊です。すでに大きくしなびれているのがわかるかと思います。
重さは13.7gで、初日の19.7gからは30.5%減少しています。
新聞紙とポリ袋にいれて保存した方は、3日経ってもそんなに大きな変化は見られません。
並べるとこんな感じです。左が初日の新聞紙とポリ袋に入れて保存する春菊で、真ん中は2日目の春菊、右は3日目の春菊です。3日目でも初日と変わらずみずみずしい状態を維持しています。
重さは26.7gで、初日の27.2gからは1.9%減少しています。
こちらはポリ袋に入れて保存した3日目の春菊です。こちらも特に大きな変化は見られません。
並べるとこんな感じです。左が初日のポリ袋に入れて保存する春菊で、真ん中は2日目のポリ袋に入れて保存した春菊、右は3日目の春菊です。並べてみても特に差がないことがわかるかと思います。
重さは31.0gで、初日の31.6gからは1.9%減少しています。
こちらはそのまま野菜室で保存した3日目の春菊です。3日目ではさらにしなびてしまいました。さすがにこれ以上は傷んできそうなので、そのまま保存する方の検証は3日目までとします。
並べるとこんな感じです。左が初日のそのまま保存する春菊で、真ん中は2日目のそのまま保存した春菊、右は3日目の春菊です。1日ごとにかなりしなびれているのがわかるかと思います。
重さは10.4gで、初日の19.7gからは47.3%も減少しています。
経過日数 | 重さ(増減率) |
---|---|
初日のそのまま保存する春菊 | 19.7g |
2日目のそのまま保存した春菊 | 13.7g(-30.5%) |
3日目のそのまま保存した春菊 | 10.4g(-47.3%) |
新聞紙とポリ袋にいれて保存した方は、5日経ってもそんなに大きな変化は見られません。
並べるとこんな感じです。左上が初日の新聞紙とポリ袋に入れて保存する春菊で、右上は2日目の春菊、左下は3日目の春菊、右下は5日目の春菊です。5日目でもしっかりとハリがあるのがわかるかと思います。
重さは27.0gで、初日の27.2gからは0.8%減少しています。なぜか3日目よりも重さは増えていますが、おそらく湿らせた新聞紙の水分を吸収したのではないかと考えられます。
経過日数 | 重さ(増減率) |
---|---|
初日の新聞紙とポリ袋に入れて保存する春菊 | 27.2g |
2日目の新聞紙とポリ袋に入れて保存した春菊 | 26.7g(-1.9%) |
3日目の新聞紙とポリ袋に入れて保存した春菊 | 26.7g(-1.9%) |
5日目の新聞紙とポリ袋に入れて保存した春菊 | 27.0g(-0.8%) |
こちらはポリ袋に入れて保存した5日目の春菊です。こちらも特に大きな変化は見られません。
並べるとこんな感じです。左上が初日のポリ袋に入れて保存する春菊で、右上は2日目のポリ袋に入れて保存した春菊、左下は3日目の春菊、右下は5日目の春菊です。並べてみても特に差がないことがわかるかと思います。
重さは30.9gで、初日の31.6gからは2.3%減少しています。
経過日数 | 重さ(増減率) |
---|---|
初日のポリ袋に入れて保存する春菊 | 31.6g |
2日目のポリ袋に入れて保存した春菊 | 31.2g(-1.3%) |
3日目のポリ袋に入れて保存した春菊 | 31.0g(-1.9%) |
5日目のポリ袋に入れて保存した春菊 | 30.9g(-2.3%) |
ちなみに3日目のそのまま保存した春菊と、5日目のポリ袋に入れて保存した春菊、5日目の新聞紙とポリ袋に入れて保存した春菊を並べるとこうなります。
並べるとそのまま保存した春菊のしなびれ具合がよくわかるかと思います。一方ポリ袋に入れたものと、新聞紙とポリ袋に入れたものだと、どちらもそれほぞ差がなくハリやみずみずしさを維持しています。
ちなみに今回の検証については以下の動画でも詳しく取り上げているので、併せて参考にしてみてください。
春菊はゆでてから冷凍庫で保存してもいいです。まずは鍋に水を入れ、水1リットルに対して大さじ1の塩を加えて火にかけます。
沸騰したらまずは茎の部分を湯につけて20秒ほど茹でます。
葉の部分も浸してさらに20秒茹でたら鍋から上げます。
冷水にさらしてから水けをふき取り、適当な大きさにカットします。これを1回に使う分ごとにラップします。
あとは冷凍用保存袋に入れ冷凍保存します。これで1か月は保存ができます。
春菊のゆで時間ですが、ゆで時間が変わると味や食感はどう変わるのかが気になったので、実際に葉と茎それぞれ20秒、40秒、1分と茹でて見て味や食感がどう変わるかを検証してみました。
葉の方は20秒茹でたものがやはり最も食感はよかったです。
茎の方は40秒茹でたものが最も食感がよかったです。
なので春菊を茹でるなら茎を先に浸けて20秒、残りの葉を浸して20秒茹でる方法をおすすめします。実際の詳しい検証結果については春菊の茹で時間は20秒、40秒、1分でどれが正解?検証したら意外な結果に!でも解説しているので、こちらも参考にしてみてください。
野菜の加熱調理といえば茹でる以外にもレンジで加熱する方法もあります。春菊も茹でるだけでなくレンジで調理することもできます。
春菊をさっと洗って耐熱容器に入れ、ラップをしてレンジで加熱します。加熱時間は春菊100gで600Wで1分半、500Wなら1分50秒です。
レンジだと水に浸けて調理しないので、味や風味、香りは茹でるよりもかなり濃厚になります。ただ少し苦みが残るのと、食感が茹でたもののようにしっとり感がないのでいまいちです。なのでやはりおすすめなのは茹でる調理法になります。
春菊を茹でた時とレンジで加熱した時の味や食感の違いをまとめるとこんな感じです。なお春菊を茹でた場合とレンジで加熱した場合の詳しい検証結果については春菊は茹でるのとレンジ、どっちが正解?検証してみたら驚きの結果に!でも解説しているので、併せて参考にしてみてください。
春菊は生での冷凍はあまりおすすめしません。生で冷凍すると解凍時にえぐみや苦み、生っぽさが出てあまりおいしくはありません。ただ生で冷凍しても茹でて解凍すると、えぐみや苦みはとれて食べやすい味にはなります。
それでもやはり茹でてから冷凍した方が味や風味はいいので冷凍するなら茹でてから冷凍するのをおすすめします。実際に生で冷凍するとどうなるかについては春菊の冷凍保存は生と茹でるのとどっちが正解か検証したら意外な結果に!でも詳しく検証しているのでこちらも参考にしてみて下さい。
春菊を少しでも長く日持ちさせたいならまずは購入段階でしっかりといいものを選ぶことも大切です。春菊は葉が濃い緑色でみずみずしいもの、葉にハリがありぴんと張っているもの、葉の香りが強いものが良品です。
茎にハリがあり太すぎないもの、柔らかいものも鮮度がいいです。切り口はみずみずしいものがいいです。春菊の詳しい見分け方については春菊の見分け方・選び方、おいしさと鮮度を見分けるコツを紹介!で解説しています。
また以下の動画でも詳しく解説しているので、併せて参考にしてみてください。
今回は春菊の保存方法が本当に効果があるのかどうかを検証してみました。結果はそのまま保存するとたった一日でも大きくしなびれ、3日目にはかなりしなびれてしまいました。
ポリ袋に入れるだけでもしっかりと乾燥を防げ、5日たっても葉のハリやみずみずしさは当初のままです。
乾燥対策で湿らせた新聞紙でつづんて軽く湿らせる方法も試してみましたが、こちらもみずみずしさとハリを維持することができました。乾燥のによる重さの減りは若干こちらの方が少なかったです。
できれば新聞紙を軽く湿らせてから保存する方法がいいですが、ポリ袋に入れるだけでも十分に鮮度を維持することができます。