HOME > 間違った野菜の保存方法 > しょうがから芽が出た!この保存法だけはやっちゃダメ!ちなみに芽は食べれるの?
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しょうがも保存の仕方が悪いとこのように芽が出てくることがあります。芽が出るとその成長に栄養分が使われてしまいます。今回は間違った保存法でしょうがに芽が出てしまった過程を取り上げ、さらに正しい保存方法についても解説します。
また芽自体は食べれるのかどうか、味や食感はどんな感じなのかも検証します。
まずは芽が出てしまったしょうがの保存の失敗談を紹介します。しょうがを乾燥しないようにこのように新聞紙で包み、かごの上にのせ、室内で常温で保存します。
まずは初日の状態です。黄金色でハリつやがあり、しっかりとした固さもあります。まだこの時点では当然発芽は見られません。
こちらは3日目です。乾燥のせいか、表面がだいぶ白っぽくなってきました。またすでに矢印がさしている所からほんの少し発芽している様子が見られます。ちなみにこの時点では芽が出始めていることには気づきませんでした。
こちらは5日目です。そこまで大きな変化はありませんが、ところどころしわがよってきています。芽は大分はっきりと出てきています。
こちらは1週間目です。見た目にはそこまで変化はしていません。ただ出てきた芽がさらに大きくなっています。
こちらは2週間目です。見た目にはそこまで変化は見られません。ただ出てきた芽がさらに伸びてきています。
こちらは3週間目です。2週目よりもさらにしわの彫りが深くなってきています。また出てきた芽がさらに大きく成長しています。
並べてみるとこんな感じです。左上が初日の常温で保存するしょうがで、3日目、5日目、1週間目、2週間目、3週間目と並んでいます。並べると芽がどんどんと大きくなっている様子がわかるかと思います。
こちらはカットした初日のしょうがの断面です。このようにきれいでみずみずしい状態です。
こちらは3日目です。切り口は大分乾燥して少し白っぽくなっています。
こちらは5日目です。切り口は若干色が暗くなってきています。
こちらは1週間目です。切り口はそんなに変化はありません。
こちらは2週間目です。切り口はさらに乾燥してきています。
こちらは3週間目です。切り口は乾燥が進み中心に少しくぼんで来ています。
並べてみるとこんな感じです。左上が初日の常温で保存するしょうがの切り口で、3日目、5日目、1週間目、2週間目、3週間目と並んでいます。
切り口が段々と乾燥して行く様子がわかるかと思います。さらに隣から発芽した芽も日に日に大きくなっています。
1日目の重さは115.1gです。
3日目の重さは105.0gで、初日の115.1gからは8.8%減少しています。
5日目の重さは101.0gで、初日の115.1gからは12.3%減少しています。
1週間目の重さは98.4gで、初日の115.1gからは14.6%減少しています。
2週間目の重さは92.6gで、初日の115.1gからは19.6%減少しています。
3週間目の重さは86.8gで、初日の115.1gからは25.6%減少しています。
経過日数 | 重さ(増減率) |
---|---|
初日の常温で保存するしょうが | 115.1g |
3日目の常温で保存したしょうが | 105.0g(-8.8%) |
5日目の常温で保存したしょうが | 101.0g(-12.3%) |
1週間目の常温で保存したしょうが | 98.4g(-14.6%) |
2週間目の常温で保存したしょうが | 92.6g(-19.6%) |
3週間目の常温で保存したしょうが | 86.8g(-25.6%) |
ちなみに初日の気温は28度で、湿度は60%です。
3日目の気温は27度で、湿度は62%でした。
5日目の気温は26度で、湿度は70%でした。
1週間目の気温は27度で、湿度は71%でした。
2週間目の気温は27度で、湿度は55%でした。
3週間目の気温は28度で、湿度は59%でした。
比較のためにポリ袋に入れて野菜室で保存したしょうがも見ていきます。
こちらはポリ袋に入れて野菜室で保存したしょうが1日目です。色も黄金色で、ハリつやもあります。
こちらは3週間目ですが、色もハリつやも初日とほとんど変わりません。芽もどこからも出ていません。
並べるとこんな感じです。左はポリ袋に入れて野菜室で保存したしょうが1日目で、右は3週間目です。ほとんど変化がないのがわかるかと思います。
新聞紙に包んで常温で3週間保存したしょうがと比べるとこんな感じです。並べると色も発芽の有無も全然違うのがわかるかと思います。
カットした切り口1日目はこんな感じです。色もよくみずみずしい状態です。
こちらは3週間目です。切り口は少し乾燥してますが、そこまで変化はありません。
並べるとこんな感じです。左はポリ袋に入れて野菜室で保存したしょうがの切り口1日目で、右は3週間目です。そんなに変化がないのがわかるかと思います。
新聞紙に包んで常温で3週間保存したしょうがの切り口と比べるとこんな感じです。乾燥も芽の生え具合も全然違うのがわかるかと思います。
ポリ袋に入れて野菜室で保存したしょうがの1日目の重さは113.3gです。
こちらは3週間目です。重さは110.0gで、初日の113.3gからは3.0%しか減少していません。
経過日数 | 重さ(増減率) |
---|---|
初日の野菜室で保存するしょうが | 113.3g |
3週間目の野菜室で保存したしょうが | 110.0g(-3.0%) |
新聞紙に包んで常温で3週間保存したしょうがの重さと比べるとこんな感じです。新聞紙で包んで常温で保存したしょうがは、乾燥して重さがかなり減っています。一方ポリ袋に入れたしょうがはほとんど減ってません。
ちなみにじゃがいもとは違って、しょうがの芽自体には毒性はないそうです。なのでそのまま食べても問題はありません。実際にどんな味がするのか食べて見ました。
芽の先に近い部分はほとんど味もせず、わずかのショウガの風味がするくらいです。芽の根元に近づくにつれ、しょうがの辛味が後味で出てきます。段々辛味も強くなってきますが、そこまで強くはないので、生のままでも食べれます。食感はシャキシャキしています。
しょうがの芽は酢漬けにしたりして食べられるそうです。みそに浸けてそのまま食べてもおいしそうです。
芽が出てしまったしょうが自体の味も確認してみました。こちらは食べやすいように薄切りにしたものです。味はしょうがの辛味もしっかりとあって特に落ちた感じはしませんでした。
ただこれだけではよくわかりづらかったので、特に芽も出ていなくて乾燥も見られない、鮮度のいいしょうがも薄切りにして食べ比べてみました。
こちらは鮮度のいいしょうがを薄切りにしたものです。こちらの方がややしょうがの辛味や風味が強く感じました。食べ比べてみてわかったのはやはり、芽が出てしまったしょうがは辛みや風味がやや落ちてしまうようです。
味や風味の違いをまとめるとこんな感じです。
ちなみに今回の失敗談についてはこちらの動画でも取り上げているので、よかったら合わせて参考にしてみてください。
またしょうがの保存方法全般についてはしょうがの保存方法と保存期間、長持ちのコツでも詳しく解説しています。
今回はしょうがの保存方法に失敗して芽が出てしまった経緯を解説し、その上で正しい保存方法も併せて紹介しました。しょうがは夏場の気温の高い時期に、常温で保存すると、発芽が促されて芽が出てきてしまいます。
芽が出ると芽の成長に栄養分が消費されるので、味や風味も落ちてしまいます。ただ芽自体は毒性はなく、またあっさりしているのでそのままでもおいしく食べられます。
しょうがも冷蔵庫の野菜室でポリ袋に入れて保存すれば、3週間たってもほとんど乾燥せず、また芽も出てきません。鮮度を維持して長期保存したいなら、こちらの方法をおすすめします。