HOME > 食品を上手に冷凍保存・解凍する方法 > さつまいもの冷凍保存と失敗しない解凍のコツ、活用レシピも紹介
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さつまいもは常温や冷蔵庫での保存も可能ですが、下処理や調理しておいて冷凍保存しておくことも可能です。下処理や調理して冷凍保存しておけば料理時間の短縮にもなります。そこで今回はさつまいもを様々な形で調理し、それを冷凍保存する方法を紹介します。
さらに冷凍保存しておいたさつまいもの上手な解凍方法や、下処理して冷凍しておいたさつまいもを使ったレシピも紹介します。
さつまいもは生での保存はあまりお勧めしません。保存するなら加熱処理してからの保存がいいです。蒸し焼きにするか茹でるか、電子レンジで加熱してから冷凍保存しましょう。
まずはさつまいもを蒸してから用途に合わせてカットして冷凍保存します。さつまいもは時間がなければ電子レンジでも加熱できますが、時間がかかりますが蒸し焼きにすると最も甘みが引き出せます。ゆでたり電子レンジで加熱する方法については後述することにして、まずは蒸し焼きにする方法をみていきましょう。
まずはさつまいもを洗って蒸し器を用意し、水を入れて沸騰させその上に画像のようにさつまいもを置きます。
そしてふたをして蒸していくわけですが、そのままだとふたから水滴が落ちてくるので、下の画像のように布巾などでふたを包んでから被せます。
後は蒸していくわけですが、蒸す時間は中火で15分から30分ほどで、さつまいもの大きさに合わせて調整してください。目安は竹串を指して奥まですっと入っていくぐらいです。今回は250gぐらいのやや大きめのさつまいもを使いましたが、蒸すのにかかった時間は25分ぐらいでした。
蒸しあがったら用途に合わせてカットします。今回はざく切りにしました。さつまいもが冷めるまで置いておき、冷めたら冷凍用の保存袋に入れて金属トレイの上にのせて冷凍保存します。これで1ヵ月は保存ができます。
さつまいもは用途に合わせてカットして冷凍します。こちらは蒸してから輪切りにして冷凍したさつまいもです。このように表面に霜もついて固まっています。
冷凍したままでも食べられないことはありませんが、シャリシャリとしています。解凍した方がしっとりとした食感になりおいしいです。
蒸したさつまいもの解凍は流水解凍か加熱解凍、もしくは冷凍のまま料理で使うといいます。流水解凍する場合はまずはポリ袋に入れてストローなどで空気を吸って密封にします。
これを容器に入れて上から水を流して流水解凍します。今回は水温20度ほどで6分ほどで解凍できました。
こちらが流水解凍したものです。食べてみましたが冷えていてもしっかりと甘みがあっておいしかったです。食感もしっとりとしてよかったです。このままでもおやつ感覚でおいしくいただけます。
次は加熱解凍してみることにします。解凍は再び蒸して加熱解凍することにします。すでに一度加熱しているので、今回は6分ほどでしっかりと解凍して温まりました。
こちらは蒸して解凍したさつまいもです。食べてみたところ温まったことでより甘みがよく感じられるようになっておいしかったです。食感もしっとりとして柔らかくてよかったです。
さつまいもを蒸してから冷凍保存する方法を紹介しましたが、茹でた場合と、生で冷凍した場合と比較してどのくらい味や食感が違ってくるのかも検証してみました。
まずは茹でる方法を紹介します。鍋に水を入れてさつまいもを入れて沸騰させます。
沸騰したら弱めの中火にして蓋をして煮詰めていきます。さつまいもの大きさにもよりますが、20分から30分で大体しっかりと火が通ります。ちなみに今回は水から茹でて26分かかりました。
火の通りはこちらもつまようじを刺してみて奥まですっと入ればちょうどいいころ合いです。さつまいもは外は柔らかくなりやすいですが、中心まで火が通るのには時間がかかります。
つまようじを刺したときに外も中も同じくらい柔らかいと中までしっかりと火が通っています。
火が通ったら冷めるまで待って輪切りにして、冷凍用保存袋に入れて2週間ほど冷凍保存します。
こちらは冷凍した茹でたさつまいもです。こちらも流水解凍してい見ます。
こちらは流水解凍した茹でたさつまいもです。食べてみたところこちらもしっかりと甘みがあっておいしかったのですが、蒸したものに比べるとやや甘みが弱い感じがします。
食感の方はしっとりとして柔らかいですが、蒸したものに比べると少し柔らかすぎな感じがします。
次は蒸して加熱解凍してみます。こちらも6分ほどでしっかり温まりました。食べてみたところ温めたことでより甘みがしっかり感じられておいしかったです。ただやはり蒸したものに比べるとやや甘みは弱いです。食感も少し柔らかすぎな感じがします。
さつまいもを生で冷凍する方法も紹介します。まずは生のさつまいもを輪切りにします。これをそのまま冷凍用保存袋に入れて冷凍保存します。
こちらは冷凍した生のさつまいもです。こちらはまだ火が通っていないので流水解凍はせずに蒸して加熱解凍します。こちらはしっかりと火が通るまで20分ほどかかりました。
こちらは蒸して加熱解凍した冷凍した生のさつまいもです。食べてみたところ特に変な味はしませんでしたが、甘さは茹でた方と比べても大分弱かったです。食感は少ししっとり感が弱い感じがしました。
加熱解凍した冷凍した蒸したさつまいもと茹でたさつまいも、生のさつまいもの味や食感の違いをまとめるとこんな感じです。
味や食感については蒸したさつまいもが最もよかったです。生のさつまいもに関しては大分甘さや食感が落ちるので、さつまいもは生での冷凍はおすすめしません。
星で表すなら冷凍した蒸したさつまいもが星5なら茹でたさつまいもは星3.8、生のさつまいもは星2.5といった感じです。
ちなみに今回の検証についてはこちらの動画でも取り上げているので、合わせて参考にしてみてください。
それでは冷凍保存したむしやきにしたさつまいもを使ったレシピを一つ紹介します。今回紹介するのは蒸しさつまいもと鶏肉の塩炒めです。使う材料は以下の通りです。冷凍したさつまいもは凍ったままでも解凍してからでも構いませんが、解凍した方が料理時間の短縮にはなります。
まずは鶏もも肉を一口サイズに切って塩・こしょうをふっておきます。万能ねぎは小口切りにしておきます。次にフライパンにごま油を引いて中火で熱してから鶏肉を入れ、色が変わってくるまで炒めます。
つぎにさつまいもも加えてザックリと炒め、いもに油がなじんできたら調味料Aを加え、全体になじませてから蓋をして、弱めの中火で4分ほど蒸し煮にします。
最後に強火にしてさっと炒めたら器に盛り、刻んだ万能ねぎを散らして完成です。調味料のアンチョビペーストがなければナンプラーか、薄口しょうゆ大さじ1/2にレモン汁小さじ1/2でもいいです。
さつまいもは焼きいもにしてから冷凍保存してもいいです。焼きいもはオーブンで焼いてもいいし、蒸し器で蒸し焼きにしてもいいですが、レンジを使うと手間をかけずに簡単に焼きイモが作れます。
しかしながらさつまいもは電子レンジで加熱すると、あまり甘みがそれほどでないので、味もいまいちです。これはなぜかというとさつまいものでん粉を分解して甘み成分(マルトース)に分解する酵素は、70〜80度が最も活発に働くため、電子レンジで一気に加熱するとその温度をあっという間に過ぎてしまうからです。
そのため蒸し器やオーブンで低温でじっくりと過熱した方が甘みが増すわけです。
しかしながら電子レンジも上手に使えばさつまいもの甘みを引き出すことができます。やり方はまずはさつまいもを洗って、水がついたままキッチンペーパーで包みます。
さらに上からラップをして電子レンジに入れます。
加熱時間はさつまいも1個200gで100Wで30分です。100Wの方がより甘みが出るのでおすすめですが、設定できなければ200Wでもいいです。その場合は12分です。
加熱時間はさつまいもの大きさでも変わってきます。例えばさつまいも1個300gなら100Wだと1.5倍の45分に、200Wなら1.5倍で18分加熱します。
100Wや200Wに設定できない場合は解凍キーでもいいです。解凍キーは大体100W〜200Wに設定されています。加熱時間は200Wと同じで加熱してみて、足りなければ追加で加熱してみて下さい。
電子レンジでも解凍もしくは弱モードで低温でじっくりと過熱しているので、さつまいもの甘みをしっかりと引き出せます。ラップをして加熱するとしっとりと仕上がります。ラップをしない場合は焼き芋に近いほくほく感がでます。
ちなみに500Wや600Wで加熱した場合はどうなるのでしょうか。こちらも気になったので600Wと200W、100Wで加熱した時の甘さの違いを実際に食べ比べてみました。結果は以下の通りです。
やはり100Wや200Wで加熱した方が甘さは全然よかったです。詳しい検証結果についてはさつまいもをレンジで加熱するなら600W、200W、100Wのどれが一番甘くなるの?検証したら驚きの結果に!で解説しています。
あとは焼きいもが冷めるのを待ち、ラップで包んで冷凍庫で保存します。これで1ヵ月は保存ができます。
冷凍した焼きいもを解凍するなら前日の夜に冷蔵庫に移して自然解凍するといいです。低温でゆっくりと解凍した方が味や鮮度の落ちも少なくて済みます。焼きいもを冷蔵庫で解凍すると、ちょうどよく冷えた状態で解凍することができます。
上の画像のようにスプーンを使ってアイスのようにして食べてもいいです。焼きたてのほかほかの状態とはまた違った味を楽しめます。電子レンジで温めなおせば本の焼きいものような味になります。個人的には冷えた状態の方がおいしかったです。
さつまいもを茹でてからマッシュして冷凍保存してもいいです。まずはさつまいもの皮をむき、輪切りか乱切りにして水に3分ほどさらしてあくを抜きます。
次に鍋に水を入れて火にかけ沸騰させ、カットしたサツマイモをいれて弱火で10分〜15分ほど茹で、竹串がさっと入るぐらいの柔らかさになったら火を止めます。
お湯を捨ててからさっと火にかけ表面の水分を飛ばしてから、ボールに移します。
まだ熱いうちにマッシャーでつぶします。
後は冷めて来たら冷凍用保存袋に入れて、指で1回に使う分ごとに溝をつけてから冷凍保存します。これで1ヵ月は保存ができます。
マッシュしたさつまいもを冷凍保存すると下の画像のようになります。カチコチに凍っているのでこのままでは食べられません。食べる際は解凍が必要です。
マッシュしたさつまいもを解凍する場合は前日に冷蔵庫に移して自然解凍しておくといいです。低温での自然解凍なので味や食感の落ちも少なくて済みます。以下の画像はさつまいものいちょう切りを冷蔵庫で自然解凍したものです。
解凍したさつまいもはレンジなどで温めなおせばまたホクホクになります。マッシュしたさつまいもはスイートポテトやさつまいものお焼き、ポタージュ、コロッケ、ポテトサラダなどにして使うといいでしょう。
冷凍したマッシュしたさつまいもを使って手軽にできるレシピを一つ紹介します。紹介するレシピはスイートポテトです。使う材料は以下の通りです。
作り方はまずは冷凍したマッシュしたさつまいもを、前日に冷蔵庫に移して自然解凍しておきます。時間がない場合はレンジの生解凍でもいいです。加熱し過ぎないように注意してください。
ボールにマッシュしたさつまいもとバター、砂糖、塩を加えてかき混ぜます。
次に少しずつ牛乳を加えながらまぜていきます。
しっかり混ざり合ったらアルミカップにあうように成形して、アルミカップに乗せます。楕円形にしてから手のひらで下を平らにするといいです。
つや出しように卵黄を塗っておきます。
後はオーブンで1100Wで15分ほど加熱したら出来上がりです。加熱時間は外から焦げ具合などで判断してください。
熱々のまま食べてもおいしいですし、冷まして冷蔵庫で冷やしてから食べても甘さが増しておいしいです。
さつまいもはさつまいもの甘露煮にしてから冷凍保存してもいいです。使う材料は以下の通りです。
まずはさつまいもを輪切りにしてから水に3分ほど浸してあく抜きをします。
つぎに鍋にみりん、砂糖、さつまいもを加え、水をひたひたになるまで入れてから一煮立ちさせます。
中火にしてしょうゆを加えてから落し蓋をし、水気がなくなるまで煮たら完成です。
さつまいもの甘露煮の粗熱が取れたら冷凍用保存袋に入れ、金属トレイの上にのせてから冷凍保存します。これで1ヵ月は持ちます。冷蔵庫なら3〜4日ほど保存できます。
さつまいもの甘露煮を冷凍すると下の画像のようになります。カチカチとした板状に凍っています。
さつまいもの甘露煮は冷凍した状態で食べてもシャリシャリとしてアイスのような感じでいただけます。ただし解凍した方がしっとりとした食感でおいしいです。
解凍は前日に冷蔵庫に移して自然解凍しておくといいです。低温でゆっくりと解凍した方が味や食感の落ちを少なくすることができます。さつまいもの甘露煮はレンジで温めなおしてもおいしいです。温めると焼きイモのような味になり、こちらもおいしいです。
さつまいもは大学いもにしてから冷凍保存してもいいです。作る手間はかかりますが作り置きして冷凍しておけばいつでも大学いもが食べられます。使う材料は以下の通りです。
まずはさつまいもを洗って一口サイズに乱切りにして、水に3分ほどつけてあく抜きします。
キッチンペーパーで水けをふき取り、120度に熱した油でゆっくりと上げていきます。
きつね色になってきたら網をひいたバットにあげて油を切ります。
鍋に黒砂糖、砂糖、水を入れて中火にかけ、混ぜながら煮ていきます。ぷつぷつと泡立ってきたら水あめを加えて混ぜ、しょうゆで風味をつけて、木べらですーと流れる濃度になったら弱火にします。
揚げておいたさつまいもを入れて絡め、4〜5分ほど煮たらバットに移します。
上から黒ごまをふって、うちわなどであおいでさっと冷ましたら完成です。
出来上がった大学いもがさめたら、冷凍用保存袋に入れて、金属トレイの上にのせて冷凍保存します。これで1ヵ月は保存ができます。冷蔵庫なら3〜4日ほど保存できます。
冷凍した大学いもも冷凍のままでも食べれますがシャリシャリとした食感なので、解凍した方がしっとりとしておいしいです。解凍は前日に冷蔵庫に移して自然解凍するといいです。
さつまいもを冷凍するときは金属トレイの上にのせてから冷凍するといいです。金属トレイは熱伝導率が高く冷気がいち早く食品に伝わります。食品を冷凍するときは急速冷凍した方が、鮮度が保たれたやすいです。
さつまいもを冷凍保存する際は、冷凍用保存袋の空気をしっかりと抜くことが大切です。空気は熱伝導率が低いので、空気が残っているとその分冷気が伝わるのが遅くなり、冷凍にかかる時間も長くなってしまいます。
食品の冷凍で大事なのはいかに早く冷凍するかですが、そのためにも保存する際は食材をなるべく薄く平らにして保存しましょう。こうすると素早く均一に冷凍することができます。また解凍時の時間も短縮することができます。
冷凍保存では長期間保存できるので、ついつい使いそびれて後になっていつ保存したのかわからなくなることもよくあります。そこで保存の際に保存袋に保存日と中身を記載しておくことで、いつでも保存した日を確認することができます。
ちなみに冷凍用保存袋といえばジップロックが有名です。こちらは袋表面に日付の中身について記載する欄があらかじめプリントされています。ジップロックはS、M、Lとサイズがあり、保存する食品ごとに使い分けるといいです。スーパーやドラッグストアなどにも置いてますが、ネットでまとめて購入することもできます。
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冷蔵庫の保存温度は0度から5度ですが、冷凍庫は食品をしっかりと凍らせるためにマイナス18度ほどに設定されています。製品によってはより早く冷凍させるためにマイナス30度に設定されているものもあります。
さつまいもは15度以下で直射日光が当たらず風通しのいい場所なら常温でも保存でき、1ヵ月は持ちます。新聞紙で包んで紙袋や段ボール箱に立てかけて保存するといいです。
さつまいもは冷蔵庫でも保存できます。乾燥しないように新聞紙で包んでポリ袋に入れ、軽く口を閉めて冷蔵庫の野菜室で保存します。これで2ヵ月は持ちます。さつまいもの保存方法全般についてはさつまいもの保存方法と保存期間、長持ちのコツで解説しています。
さつまいもは冷凍保存することも可能ですが、鮮度を保ちたいなら購入段階鮮度のいいものを選ぶことも大切です。そこでおいしいさつまいもの選び方を紹介します。まずは比較的色鮮やかで色ムラがなく、黒い斑点や傷のないものを選びます。また凹凸が少なくてなめらかなもの、ひげ根の毛穴がそれほど深くないものも良品です。
手に持った時に適度に重さのあるものも選ぶ際のポイントとなります。詳しくはさつまいもの見分け方・選び方、おいしさと鮮度を見分けるコツを紹介!で解説しています。
また下の動画でもさつまいもの見分け方・選び方を解説しているので合わせて参考にしてみてください。
今回は様々なさつまいもの冷凍保存の方法を見ていきました。蒸し焼きにしたり茹でてからマッシュしておけば、後は解凍するだけですでに下処理をしているので調理時間の短縮にもなります。また焼きいもやさつまいもの甘露煮、大学芋などにして冷凍しておけば、解凍するだけで、いつでもおいしいデザートを楽しむことができます。
保存期間が1ヵ月と長期保存できるのも冷凍保存の大きなメリットですが、ほかにも時間の空いたときに作り置きにしておくことで、時短料理にもなるさつまいもの冷凍保存方法でした。是非参考にしてみてください。