HOME > 間違った野菜の保存方法 > さつまいもの断面が真っ黒に!黒斑病ってなに?ちなみにまだ食べれるの?
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さつまいもを長く保存していたら、このようにカットしたときに断面が真っ黒に変色してしまいました。どうやら黒斑病という病気らしいです。
今回はさつまいもが変色してしまった経緯を詳しく見ていくとともに、変色してしまう原因や、変色したものは食べれるのかどうかを実際に検証してみることにします。
それではまずどのように保存していたのかを解説します。まずはさつまいもが乾燥しないように新聞紙で包みます。次にこれをポリ袋に入れ、軽く口をしめます。
あとはこれを新聞紙を敷いたダンボールにいれ、このまま室内で常温で保存します。
まずは初日の状態です。色つやもよくハリもあり、触ってもしっかりとした固さがあります。
こちらは3日目です。あまり変化はみられません。見た限りだとそんなに変化は見られません。
こちらは1週間目です。見た限りだとそんなに変化は見られません。ただ先の方が皮の色がさらに少し黒っぽく変色してきています。この時はそれほど気にしていなかったのですが、この時点で徐々に黒斑病が進行していたようです。
こちらは10日目です。黒っぽく変色している部分が、目で見てもわかるくらいに色味に差が出てきました。
こちらは2週間目です。黒く変色している部分がさらにその範囲を広げています。さすがにこれ以上は症状が広がるばかりなので、検証はここまでにします。
並べてみるとこんな感じです。左上が初日の常温で保存するさつまいもで、上真ん中は3日目のもの、右上は1週間目のもので左下は10日目のもの、右下は2週間目のものです。徐々に黒く変色している範囲が広がっているのがわかるかと思います。
断面を見るとこのように少し緑がかった黒い色に変色してきています。
黒く変色している部分をカットしてみると、中はこのように真っ黒に変色していました。これが黒斑病の症状のようです。
ちなみに通常のさつまいものカットした断面と比べるとこんな感じです。全然色が違うのがわかるかと思います。
さつまいもを常温保存した時の重さの変化を見ていくとこんな感じです。初日の重さは197.7gです。
そこから2週間目までの重さの変化はこんな感じです。3日目は196.9g(-0.5%)、1週間目は195.8g(-1.0%)、10日目は195.2g(-1.3%)、2週間目は194.5g(-1.7%)です。乾燥対策をしていたので重さの減りは大分抑えられています。
経過日数 | 重さ(増減率) |
---|---|
初日の常温で保存するさつまいも | 197.7g |
3日目の常温で保存したさつまいも | 196.9g(-0.5%) |
1週間目の常温で保存したさつまいも | 195.8g(-1.0%) |
10日目の常温で保存したさつまいも | 195.2g(-1.3%) |
2週間目の常温で保存したさつまいも | 194.5g(-1.7%) |
さつまいもを常温保存した時の初日から2週間目までの気温の変化はこんな感じです。1日目の気温は17度で、湿度は59%、3日目の気温は17度で、湿度は67%、1週間目の気温は16度で、湿度は69%、10日目の気温は15度で、湿度は69%、2週間目の気温は17度で、湿度は71%です。
今回の常温保存での検証は15度から17度の温度帯での検証にでした。
ちなみに黒斑病というのは、土壌中の糸状菌(かび)の一種によって引き起こされるそうです。収穫時に発病して、貯蔵中にこのように徐々に広がっていくそうです。
今回も1週間当たりから徐々に目に見えて変色が進んでいき、2週間もたつとすっかりと変色が目で見てわかる程度に進展してしまいました。
さすがに黒く変色した部分はカビが原因ということもあり、食べれそうにはありません。ただ見たところ、変色していない部分も多いので、試しに黒く変色した部分を大きくカットして、その断面を見てみました。
こちらはカットした断面です。このように通常のさつまいもと同じように奇麗な断面でした。やや周囲が緑や黒に変色してきていますが、これはさつまいもの含まれるヤラピンやクロロゲン酸という成分が原因だそうで、食べても特に問題はないそうです。
こうした変化は普通のさつまいもでも見られます。実際に問題がなさそうな方を蒸してから食べて見ました。
味の方は甘みもしっかりとあり、おいしいさつまいもでした。特に苦みなどもありませんでした。
基本的には黒斑病のさつまいもは食べない方がいいそうですが、症状の出てきた部分を大きくカットすれば、問題なく食べれそうです。実際食べて見て翌日も特におなかが痛くなるというようなこともありませんでした。
ちなみに常温で保存自体が問題だったのか、どうしても気になったので同じ条件で別のさつまいもでも同じように常温保存してみました。まずは初日の状態です。
こちらは3週間たったものです。こちらは見た目には特に黒っぽく変色している部分は見られません。
並べてみるとこんな感じです。3週間たっても特に変化がないのがわかるかと思います。
黒斑病のものと比較してみるとこんな感じです。黒く変色した部分の有無がよくわかるかと思います。
ちなみにこちらは3週間たった断面ですが、特に黒く変色している部分は見られません。
黒斑病のさつまいもの断面と比べるとこんな感じです。色が全然違うのがわかるかと思います。
また断面を少しカットした中の状態はこんな感じです。変色もなくきれいなさつまいもの色をしています。
こちらも黒斑病のさつまいもの中の様子と比べるとこんな感じです。こちらも色が全然違うのがわかるかと思います。
3週間での重さの減りはこんな感じです。初日は204.7gです。3週間目は201.5gで、初日からは1.6%減少しています。しっかりと乾燥対策をしていたのでこちらも重さはそんなに減ってはいません。
3週間目までの気温と湿度の変化はこんな感じです。初日の気温は13度で、湿度は58%です。3週間目の気温は15度で、湿度は68%でした。こちらは13度から15度の温度帯での検証でした。
味の方も気になったので、3週間常温保存したさつまいもを輪切りにしてから蒸してみました。こちらは蒸したものです。食べて見たところ特に変な味がすることもなく、甘くておいしいさつまいもでした。
常温保存でも黒斑病にかかっていないさつまいもなら、長期保存が可能なようです。ちなみに問題なく常温でも保存できたさつまいもの常温保存の検証についてはさつまいもって本当に常温でも保存できるの?検証したら意外な結果に!でも詳しく解説しているので合わせて参考にしてみてください。
比較のために同じように新聞紙で包んでからポリ袋に入れ、冷蔵庫の野菜室で保存した場合どうなるかも見てみました。まずは初日の状態です。
こちらは3週間が経過したものです。鮮やかさは増していますが、特に端の方が黒く変色してきている様子も見られません。
並べるとこんな感じです。左は初日の新聞紙とポリ袋に入れ野菜室で保存するさつまいもで、右は3週間たったものです。並べても鮮やかさが増している以外そんなに変化がないのがわかるかと思います。
それぞれの保存方法で並べたものを並べるとこんな感じです。黒く変色したもの以外は3週間たっても特に傷んだ様子は見られません。
こちらは野菜室で保存して3週間たった断面です。白くて比較的奇麗な状態です。
それぞれの保存方法での違いを並べるとこんな感じです。黒く変色したもの以外は断面も綺麗です。
ちなみに今回冷蔵庫の野菜室で保存したさつまいもも、常温で黒く変色してしまったさつまいもと同じ袋に入っていたものです。
なので黒斑病にかかっていてもおかしくはないのですが、低温だと発症しにくいのか、もしくはこちらはたまたまは黒斑病にかかっていなかったのか、どちらかはわかりませんが、とにかく3週間たっても大きな変色は見られませんでした。
重さは192.3gで、初日の195.3gからは1.6%減少しています。重さの減りは他の2つの保存結果とそんなに差はありませんでした。
半分にカットするとこんな感じで、中も傷んだ様子もなくきれいです。
こちらも輪切りにしてから蒸し焼きし、食べて見ましたが、甘みもしっかりとあり、おいしいさつまいもでした。
ちなみに今回の検証についてはこちらの動画でも取り上げているので、よかったら合わせて参考にしてみてください。
今回はさつまいもの長期保存で、黒斑病によりさつまいもが黒く変色してしまった失敗談を取り上げました。同じさつまいもでも、黒斑病にかかっていないさつまいもなら常温で3週間保存しても特に問題はありませんでした。
なので黒斑病にかかっているのかどうかが変色の大きな要因であるといえます。また黒斑病にかかったさつまいもと同じ袋に入っていたさつまいもで、冷蔵庫の野菜室なら、こちらも3週間たっても特に変色は見られませんでした。なので保存する気温も影響しているものだと思われます。
購入段階ではなかなか黒斑病かどうかは判断しにくいこともあるので、より無難に長期保存したいなら、冷蔵庫の野菜室での保存をおすすめします。
ちなみに黒斑病で傷んでしまっても、その部分を大きくカットすれば、残りは問題なく食べれそうです。実際食べて見ましたが、翌日におなかを壊すといったこともありませんでした。