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冷凍した里芋の解凍方法、流水解凍、加熱解凍のどれがいいのか検証してみた


冷凍した里芋の解凍方法、流水解凍、加熱解凍のどれがいいのか検証してみた

はじめに

冷凍保存した里芋を解凍する場合、自然解凍や流水解凍、氷水解凍、加熱解凍など様々な方法がありますが、今回はどの方法が一番味や食感がいいのかを検証してみることにします。今回は茹でてから冷凍した里芋で検証します。

茹でた里芋を冷凍保存する

里芋を茹でてから冷凍保存

まずは里芋の冷凍保存の仕方を解説します。まずは鍋に水を入れて、水1リットルに対して大さじ1の塩を加えて火にかけます。沸騰したら洗った里芋を皮付きのまま加えて茹でます。

里芋を皮付きのまま茹でる

今回は5分茹でたものと10分茹でたものと、しっかりと中まで柔らかくなった16分茹でたものをそれぞれ冷凍保存します。ゆであがったら皮をむいてから冷めるまで待ち、冷凍用保存袋に入れて2週間冷凍保存します。

茹でた里芋を保存袋に入れて冷凍保存

冷凍した茹でた里芋を流水解凍する

冷凍した茹でた里芋を流水解凍

こちらは冷凍した茹でた里芋です。

冷凍した茹でた里芋

今回はこのようにポリ袋に入れて流水解凍しました。流水解凍は10分茹でたものと16分茹でたもので検証します。水温は12度ほどで30分ぐらいで解凍できました。

冷凍した里芋を流水解凍

流水解凍した茹でた里芋の味や食感は?

こちらは10分茹でてから冷凍した里芋を流水解凍したものです。食べて見ましたが、食感はかなりしなしなで、茹でた時のしっとりとした柔らかさは全然なく、水っぽくて正直おいしくはなかったです。

流水解凍した10分茹でて冷凍した里芋

味の方は里芋の味はしますが、食感が悪すぎるので、食べれたものではないです。一度茹でてから冷凍しているので、流水解凍でも食べれると思いましたが、実際は全然ダメでした。

こちらは16分茹でて冷凍したものを流水解凍したものです。若干10分のものよりも柔らかめでしたが、それでもしなしな感はかなり強く、こちらも全然おいしくはありませんでした。里芋は流水解凍で食べること自体が無理なようです。

流水解凍した16分茹でて冷凍した里芋

一応解凍には自然解凍と氷水解凍もあって、それぞれ試してみましたが、味はどれも変わりませんが、食感は冷蔵庫での自然解凍が一番よくなくて、それよりも若干流水解凍と氷水解凍がましでした。ただどの解凍方法でも食感が悪すぎておいしくないのには変わりません。

冷凍した里芋を氷水解凍

冷凍した茹でた里芋を加熱解凍する

茹でた里芋を蒸して加熱解凍する

さすがにこのままではただまずかったという結果に終わってしまうので、加熱解凍も試してみることにしました。加熱は蒸し器で蒸して加熱することにします。

このように蒸し器を用意して水を入れて火にかけます。沸騰して蒸気が出てきたら茹でて冷凍した里芋をのせて蒸します。大体12分ほどでしっかりと蒸しあがりました。

冷凍した里芋を蒸して加熱解凍

こちらは5分茹でて冷凍した里芋を蒸して解凍したものです。食感はしっとりとして柔らかかったです。味も里芋の味がしっかりありおいしかったです。冷凍の里芋も加熱して解凍すれば十分おいしくいただけるようです。

蒸して解凍した5分茹でて冷凍した里芋

こちらは10分茹でてから冷凍した里芋を蒸して解凍したものです。食感はこちらもしっとりとして柔らかくてよかったのですが、5分のものよりも少し柔らかめでした。味は5分茹でたものよりも若干味が濃いい感じがしました。

蒸して解凍した10分茹でて冷凍した里芋

こちらは16分茹でてから冷凍した里芋を蒸して解凍したものです。こちらもしっとりと柔らかくなっていましたが、10分のものよりもさらに少し柔らかめでした。味は10分のものとそんなに変わらずしっかり里芋の味がしておいしかったです。

蒸して解凍した16分茹でて冷凍した里芋

ゆで時間は5分、10分、16分のどれがいいの?

味に関しては5分茹でたものよりも10分、16分茹でたものの方が若干里芋の味が濃かったです。ただ5分のものも十分里芋の味はしていておいしかったです。

冷凍した里芋は煮物料理で長く煮込むことも少なくありません。その場合冷凍前に茹ですぎると煮崩れしやすくなってしまいます。なので冷凍自体は5分と固ゆでの状態で冷凍しておくことをおすすめします。

蒸して解凍した5分、10分、16分茹でて冷凍した里芋の味や食感の違い

冷凍した生の里芋を加熱解凍する

冷凍した生の里芋を蒸して加熱解凍する

ちなみに生のまま皮をむいて冷凍した場合は、加熱解凍するとどうなるかも見てみました。こちらは冷凍した生の里芋です。同様に蒸し器で蒸しあげます。

冷凍した生の里芋

加熱解凍した生の里芋の味や食感は?

こちらは蒸した生の里芋です。食感の方はしっとりと柔らかくなっていました。生で冷凍しても加熱解凍すればしっとり柔らかく仕上がるようです。ただ味の方は茹でてから冷凍したものと比べるとだいぶ薄味になっていました。冷凍自体は生よりも茹でてから冷凍した方がよさそうです。

蒸して解凍した冷凍した生の里芋

今回の検証については以下の動画でも詳しく取り上げているので、併せて参考にしてみてください。

冷凍した里芋を使ったレシピ

里芋の煮っころがし

それでは冷凍した里芋を使ったレシピをいくつか紹介します。今回紹介するのは里芋の煮っころがしです。

ちなみに里芋を冷凍したものと、冷凍せずに生のままの里芋をそれぞれを使って作ってみて両者の味の違いも検証しています。使う材料は以下の通りです。

里芋の煮っころがし

レシピ(2人前)
  • 里芋 … 300g
  • 調味料A
    • だし汁 … 1/2カップ
    • 砂糖 … 大さじ3/4
    • しょうゆ … 小さじ1/2
    • 塩 … 少々

まずは鍋に冷凍のままの里芋を入れます。ちなみに生の里芋を使う場合は冷凍する前と同じように5分ほど固ゆでにしたものを使います。

里芋を冷凍のまま鍋に入れる

里芋の上からだし汁1/2カップ、砂糖大さじ3/4、しょう油小さじ1/2、塩小さじ少々加えます。このまま一煮立ちさせます。

だし汁、調味料を加えて煮込む

沸騰したら弱火にして落し蓋をして15分ほど煮込んだら出来上がりです。途中焦げないように何度かヘラで返してやるといいです。

落し蓋をして弱火でじっくり煮込む

こちらは冷凍した里芋を使って作った里芋の煮っころがしです。

冷凍の里芋で作った煮っころがし

一方こちらは冷凍していない生の里芋を使って作った里芋の煮っころがしです。

生の里芋で作った煮っころがし

並べるとこんな感じです。並べてもそんなに差は見られません。やや色は冷凍の里芋を使ったものの方が濃いめではあります。冷凍の里芋を使ったほうも特に煮崩れなどはしていません。

冷凍の里芋と生の里芋で作った煮っころがしを比較

肝心の味ですが、冷凍した里芋を使った方は、味もしっかりと里芋の味がして調味料もよくしみていておいしかったです。食感もしっとりなめらかでした。

一方冷凍していない生の里芋を使った方は、こちらもしっかりと里芋の味がして調味料もよくなじみおいしかったです。食感もしっとりなめらかでした。

両者を食べ比べて見て、味も食感もどちらもそんなに差はありませんでした。冷凍した里芋を使っても煮崩れすることもなくしっかりおいしく仕上がりました。

揚げ焼き里芋ののり塩和え

次に揚げ焼き里芋ののり塩和えを紹介します。こちらも里芋を冷凍したものと、冷凍せずに生のままの里芋をそれぞれを使って作ってみて両者の味の違いも検証しています。

冷凍のものを使う場合は先に蒸し器で解凍しておきます。しっかりと柔らかくなるまで解凍しておいた方が、揚げた時においしく仕上がります。なので蒸し器で12分ほど蒸し焼きにします。

今回はこの蒸し器で蒸し焼きにしておいた冷凍の里芋を使います。使う材料は以下の通りです。

揚げ焼き里芋ののり塩和え

レシピ(2人前)
  • 里芋 … 200g
  • サラダ油 … 適量
  • 塩 … 適量
  • 青のり … 適量

今回は冷凍した里芋を使いますが、生の里芋を使う場合はしっかりと柔らかくなるまで塩ゆでにします。

鍋に水と水1リットルに対して塩大さじ1を加えて火にかけます。沸騰したら皮付きのままよく洗った里芋を加えて15分ほど茹でます。しっかり茹でることで里芋が柔らかく仕上がります。茹でたら半分にカットします。

次に小さめのフライパンに油をこのぐらい入れます。揚げ焼きにするのでたっぷりと油を使う必要がないので、その分油を節約できます。

油が十分温まってきて、菜箸を入れたら気泡がぷつぷつと湧いてくるくらいになったら、里芋を加えてあげていきます。

里芋を揚げ焼きにする

表面がこんがりきつね色になってきたらキッチンペーパーを敷いた皿やフライヤーなどに取り出します。

揚げ焼き里芋ののり塩和え

あとは塩と青のりをふって出来上がりです。

こちらは冷凍の里芋を使って作った揚げ焼き里芋ののり塩和えです。食べてみたところ外はカリッとしていて、中はふんわり柔らかくて食感は全然よかったです。

冷凍の里芋で作った揚げ焼き里芋ののり塩和え

味も里芋の味が口の中に広がりおいしかったです。冷凍したものを使っても十分おいしくできたのは驚きでした。

一方こちらは生の里芋を使って作った揚げ焼き里芋ののり塩和えです。食べてみたところこちらも食感は外はカリッとして中はふんわり柔らかくておいしかったです。食感に関してはどちらもよかったです。

生の里芋で作った揚げ焼き里芋ののり塩和え

味の方もこちらもやはり里芋の味が口に広がりおいしかったです。ただややこちらの方が里芋の味は濃厚な感じがしました。

冷凍の里芋と生の里芋で作った揚げ焼き里芋ののり塩和えの味や食感を比較

両方食べて見ると生の里芋を使ったほうが味はやや濃厚でしたが、冷凍の方も十分においしかったです。

里芋の煮物

次に里芋の煮物を紹介します。こちらも里芋を冷凍したものと、冷凍せずに生のままの里芋をそれぞれを使って作ってみて両者の味の違いも検証しています。

こちらは冷凍の里芋をそのまま使います。使う材料は以下の通りです。

里芋の煮物

レシピ(4人前)
  • 里芋 … 500g
  • だし汁 … 600ml
  • 酒 … 50ml
  • かつお節 … 1袋(2.5g)
  • 砂糖 … 大さじ6
  • しょうゆ … 大さじ5

まずは鍋に冷凍のままの里芋とだし汁600ml、酒50ml、かつお節1袋を入れて火にかけます。ちなみに生の里芋を使う場合は冷凍する前と同じように5分ほど固ゆでにしたものを使います。

冷凍里芋、だし汁、酒を加えて煮込む

沸騰して2分ほどしたら砂糖大さじ6を加えて中火で4分煮込みます。冷凍していない茹でた里芋を使う場合は6分茹でます。

砂糖を加えて煮込む

さらにしょうゆ大さじ5を加えて8分茹でたら出来上がりです。冷凍していない茹でた里芋の場合は10分茹でて出来上がりです。

しょうゆを加えて煮込む

こちらは冷凍した里芋を使って作った里芋の煮物です。冷凍の里芋を使いましたが特に煮崩れなどはしていません。食べてみたところしっかりと味がしみこんでいておいしかったです。食感もしっかり煮込んでいるのでしっとりと中まで柔らかくなっていておいしかったです。

冷凍里芋で作った煮物

一方こちらは冷凍していない生の里芋を使って作った里芋の煮物です。やや色は生の里芋を使ったものの方が薄めではあります。食べてみたところこちらもよく味がしみこんでいておいしかったです。

生の里芋で作った煮物

食感もしっかり柔らかくなっています。正直冷凍したものと味や食感はそんなに差は感じられませんでした。

冷凍里芋で作った煮物と生の里芋で作った煮物

ちなみに半日ほど置いておくとさらにしっかりと中まで味がしみこんでおいしくなります。なので早めに作っておいて、半日ほど置いておき、たべる前にまた温めなおして食べるとさらにおいしくいただけます。

まとめ

今回は冷凍した里芋の解凍はどれがいいのかを実際に試してみました。里芋は一度茹でてから冷凍したものでも、自然解凍、流水解凍、氷水解凍だとしなしなとした食感になり、とてもじゃないですが食べれたものではありません。

ただ加熱解凍すれば、茹でた時と同じようなしっとりとして柔らかい食感に仕上がります。味もしっかり里芋の味がします。なので解凍は加熱解凍をおすすめします。

※参考書籍
組み合わせ自由自在作り置き野菜おかず357

最終更新日 2023/11/16

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この記事を書いた人

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生活知恵袋の管理人で管理人の名前も生活知恵袋と申します。料理研究家です。2002年より当サイトを運営。野菜を中心に食品に関する見分け方や保存方法などを、実際の検証とともに解説した記事を多数執筆。光熱費や水道代の節約、衣服や住まい、掃除に関する豆知識も紹介。

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