れんこんも上手に保存することで長持ちするといいますが、本当なのでしょうか。気になったのでよく言われているれんこんの保存方法を実際に試してみて、その保存効果を検証してみることにします。
今回は比較のために何もしないで保存した場合はどうなるかも合わせてみていきます。
れんこんを冷蔵庫で保存する場合は、節の所でカットしたものなら新聞紙で包んでから霧吹きなどで湿らせ、ポリ袋に入れて冷蔵庫の野菜室で保存します。
れんこんの太い実の部分でカットしたものなら、カットした断面が乾燥しないようにラップで包みます。
これをポリ袋に入れて冷蔵庫の野菜室で保存します。これで2週間ほど保存ができます。
今回は後者の方法の保存効果について検証していくことにします。
比較検証のためにラップで包まずにそのままポリ袋に入れて冷蔵庫の野菜室で保存する場合も一緒に検証していきます。
さらに比較として何もしないで、そのまま冷蔵庫の野菜室で保存する方法も試してみます。こちらと上の2つの方法とで、鮮度の持ちにどのような差が出るのかを詳しく見ていきます。
まずはれんこんをラップで包んでからポリ袋に入れ、冷蔵庫の野菜室で保存したときの見た目の変化を見ていきます。まずは初日の状態です。初日のれんこんはハリがあり色もいいです。
こちらは3日目のれんこんです。特に見た目に大きな変化は見られません。
こちらは1週間目のれんこんです。特に大きな変化は見られません。
こちらは10日目のれんこんです。特に大きな変化は見られません。
こちらは2週間目のれんこんです。特に大きな変化は見られません。
並べるとこんな感じです。左上が初日のラップとポリ袋に入れて保存するれんこんで、上真ん中は3日目のもの、右上は1週間目のもの、左下は10日目のもの、右下は2週間目のものです。並べても大きな変化は見られません。
次はカットした切り口断面を見ていきます。まずは1日目です。切り口もきれいでみずみずしさもあります。
こちらは3日目です。初日に比べるとやや乾燥しています。
こちらは1週間目です。断面は少し暗く変色してきています。
こちらは10日目です。断面は少し乾燥が進んでいます。
こちらは2週間目です。断面は少しですが変色が進んで来ています。
並べるとこんな感じです。左上が初日のラップとポリ袋に入れて保存するれんこんの断面で、上真ん中は3日目のもの、右上は1週間目のもの、左下は10日目のもの、右下は2週間目のものです。こちらは徐々に乾燥して色が変わってきています
ちなみに2週間目のラップとポリ袋に入れて保存したれんこんの断面を少しカットすると、このように中はみずみずしくてきれいな状態でした。
重さの変化を見ていくとこんな感じです。初日のれんこんの重さは308.0gです。
3日目は307.4gで初日から0.2%減、1週間目は307.6gで初日からは0.2%減、10日目は307.8gで初日からは0.1%減、2週間目は307.8gで初日からは0.1%減となっています。
経過日数 | 重さ(増減率) |
---|---|
初日のラップとポリ袋に入れて保存するれんこん | 308.0g |
3日目のラップとポリ袋に入れて保存したれんこん | 307.4g(-0.2%) |
1週間目のラップとポリ袋に入れて保存したれんこん | 307.6g(-0.2%) |
10日目のラップとポリ袋に入れて保存したれんこん | 307.8g(-0.1%) |
2週間目のラップとポリ袋に入れて保存したれんこん | 307.8g(-0.1%) |
次はれんこんをラップには包まず、そのままポリ袋に入れて保存した時の見た目の変化を見ていきます。まずは1日目です。
こちらは3日目です。特に大きな変化は見られません。
こちらは1週間目です。それほど変化はみられません。
こちらは10日目です。それほど変化はみられません。
こちらは2週間目です。それほど大きな変化は見られません。
並べるとこんな感じです。左上が初日のポリ袋に入れて保存するれんこんで、上真ん中は3日目のもの、右上は1週間目のもの、左下は10日目のもの、右下は2週間目のものです。初日からあまり変化がないのがわかるかと思います。
次はカットした切り口断面を見ていきます。まずは1日目です。
こちらは3日目です。切り口は若干乾燥が見られます。
こちらは1週間目です。切り口はやや乾燥が進んでいます。
こちらは10日目です。切り口はそんなに大きな変化は見られません。
こちらは2週間目です。切り口は若干茶色への変色が進んでいます。
並べるとこんな感じです。左上が初日のポリ袋に入れて保存するれんこんの断面で、上真ん中は3日目のもの、右上は1週間目のもの、左下は10日目のもの、右下は2週間目のものです。こちらも徐々にですが乾燥して色が変わってきています。
ラップとポリ袋に入れて2週間保存したれんこんの断面と比べるとこんな感じです。ラップの有無にかかわらず断面の変化にあまり差は見られません。
ちなみにそのままポリ袋に入れて保存したれんこんのの断面を少しカットすると、こちらもこのように奇麗でみずみずしい状態でした。
重さの変化を見ていくとこんな感じです。初日のれんこんの重さは242.5gです。
3日目は241.5gで初日から0.5%減、1週間目は240.1gで初日からは1.0%減、10日目は239.9gで初日からは1.1%減、2週間目は240.0gで初日からは1.0%減となっています。
経過日数 | 重さ(増減率) |
---|---|
初日のポリ袋に入れて保存するれんこん | 242.5g |
3日目のポリ袋に入れて保存したれんこん | 241.5g(-0.5%) |
1週間目のポリ袋に入れて保存したれんこん | 240.1.g(-1.0%) |
10日目のポリ袋に入れて保存したれんこん | 239.9.g(-1.1%) |
2週間目のポリ袋に入れて保存したれんこん | 240.0.g(-1.1%) |
次はれんこんをポリ袋に入れず、そのまま保存した時の見た目の変化を見ていきます。まずは1日目です。
こちらは3日目です。表面はやや乾燥してきていて、凹凸が少し目立ってきたようにも見えます。
こちらは1週間目です。端側にだいぶしわがよってきています。
こちらは10日目です。さらに乾燥が進んで来ています。これ以上はさらに傷みそうなので、外で保存する方法の検証についてはここまでにします。
手に取って触ってみると、表面のハリや固さも弱まっていて、このように指で押さえると、指が少し沈んでしまう程度に柔らかくなってきています。
並べるとこんな感じです。左上が初日のそのまま保存するれんこんで、右上は3日目のもの、左下は1週間目のもので、右下は10日目のものです。乾燥してしわがより縮んで来ているのがわかるかと思います。
ちなみにそれぞれの保存方法ごとの保存結果を並べてみるとこうなります。左はラップとポリ袋に入れて保存したれんこん2週間目で、真ん中はポリ袋に入れて保存したれんこん2週間目、右はそのまま保存したれんこん10日目です。
そのまま保存したものがかなり見た目がしなびてきているのがわかるかと思います。
次はカットした切り口断面を見ていきます。まずは1日目です。
こちらは3日目です。切り口は初日に比べるとかなり乾燥してきています。
こちらは1週間目です。切り口はさらに乾燥してきています。
こちらは10日目です。切り口も乾燥して縮んで来ていて、さらに色も黒っぽく変色してきています。
並べるとこんな感じです。左上が初日のそのまま保存するれんこんの断面で、右上は3日目のもの、左下は1週間目のもので、右下は10日目のものです。段々縮んで黒く変色してきているのがわかるかと思います。
それぞれの保存方法ごとの切り口の保存後の変化を比較するとこんな感じです。こちらもそのまま保存したものはかなりしなびて、ぎゅっと縮まってきているのがわかるかと思います。色も一番黒く変色しています。
ちなみに断面がしなびて黒く変色してしまったれんこんですが、このように少しカットすると、中はまだ白くてきれいな状態です。断面と皮をむいて調理して食べれば、まだ問題なくいただけます。
カットした中の様子もそれぞれの保存方法ごとで比べるとこんな感じです。こちらはどれも比較的奇麗でみずみずしい状態です。
重さの変化を見ていくとこんな感じです。初日のれんこんの重さは227.1gです。
3日目は212.4gで初日から5.5%減、1週間目は190.0gで初日からは16.4%減、10日目は177.8gで初日からは21.8%減となっています。
経過日数 | 重さ(増減率) |
---|---|
初日のそのまま保存するれんこん | 227.1g |
3日目のそのまま保存したれんこん | 212.4g(-6.5%) |
1週間目のそのまま保存したれんこん | 190.0g(-16.4%) |
10日目のそのまま保存したれんこん | 177.8g(-21.8%) |
重さの変化もそれぞれの保存方法ごとにまとめるとこんな感じです。やはりそのまま保存したものが最も重さの減りが多いです。そのままポリ袋に入れたものも-1.0%減と重さの減りはかなり抑えられますが、ラップをしたものに関してはほぼ初日と変わっていません。
基本的のポリ袋に入れるだけでも十分ですが、よりベストなのはラップで包んでからポリ袋に入れて保存する方法だといえます。
ちなみに今回の検証については以下の動画でも詳しく取り上げているので、併せて参考にしてみてください。
れんこんは茹でてから冷蔵庫で保存もできます。まずはれんこんの皮をむき、2mmほどに輪切りにします。サイズが大きいときは半分にカットしてから輪切りにします。
カットしたれんこんは酢水に5分ほど入れてあく抜きします。酢水はれんこん200gなら水500mlと酢小さじ1の分量です。酢水につけておくことで変色も抑えられます。
鍋に水を入れて沸騰させ、れんこんを1分ほど茹でます。
茹でたらざるにあげて冷まします。
れんこんがさめたらキッチンペーパーで水けをふき取り、保存袋に入れて冷蔵庫で保存します。これで3日は持ちます。
れんこんはきんぴらにしておいてから冷蔵庫で保存することもできます。温めなおすだけでいつでも食べられるので作りおきのおかずとしても便利です。作り方を紹介します。まずは使う材料です。
まずはれんこんを1〜2mmに輪切りにします。サイズが大きいものは半月切りにするといいです。
次にフライパンにごま油を引いて中火で熱し、れんこんを加えて3分ほど炒めます。
れんこんの色が変わってきたら調味料Aを入れ、2分ほどよく混ぜ合わせます。
さいごに一味唐辛子と白いりごまをふってさっと混ぜ合わせたら出来上がりです。
後は冷めるまで待って保存袋に入れ、冷蔵庫で保存すれば3日ほど持ちます。食べるときは耐熱皿に移してレンジで温めなおすといいです。
れんこんはお焼きにしておいてから冷蔵庫で保存することもできます。温めなおすだけでいつでも食べられるので作りおきのおかずとしても便利です。作り方を紹介します。まずは使う材料です。
小ねぎは小口切りに、むきエビは細かくざく切りにします。
れんこんは皮をむいてからすりおろします。すりおろすと以下の画像のように水気もかなり出ます。
水けは押すとよく出るので、水気があまりでなくなるまで、押して出た水けを捨てるのを何度か繰りかえします。
すりおろしたれんこんに小ねぎとむきエビ、片栗粉、卵白、塩、こしょうをくわえ、よく混ぜ合わせます。調味料Bの材料も別のボールなどに入れてよく混ぜ合わせておきます。
フライパンにごま油を引いて中火で熱し、れんこんを丸く平らになるように形を整えてから、並べ入れます。
焼き色がついてきたらひっくり返し、裏側も焼き色がついてきたら、混ぜ合わせておいた調味料Bを全体に回しかけます。
両面に調味料Bがよく絡むように一回ひっくり返したら、さっと絡めて出来上がりです。
後は冷めるまで待って保存袋に入れ、冷蔵庫で保存すれば4〜5日は持ちます。
れんこんは冷暗所が確保できるなら常温での保存も可能です。冬場などで外気が低くなる季節で部屋の室温もそれほど上がらない環境なら常温でも保存できます。乾燥しないようにラップで包んでポリ袋に入れ、常温保存します。冷暗所での保存で3日は持ちます。
ちなみに冬場以外で気温が上がってきた時期には常温保存は厳禁です。こちらは室温が22度から28度と比較的高い室温で常温保存したものです。初日はこのように切り口もきれいな状態です。
これが10日もするとこのように切り口がこげ茶色に変色してしまいました。味の方も大きく落ちていました。冬場以外はれんこんは冷蔵庫での保存がよさそうです。
ちなみにれんこんをこげ茶色に変色させてしまった失敗談についてはれんこんがこげ茶色に!この保存法だけはやっちゃダメ!ちなみにまだ食べれるの?でも解説しているので、こちらも参考にしてみてください。
れんこんはレンジで加熱した後冷凍保存も可能です。冷凍なら長期間保存できます。まずはれんこんの皮をピーラーでむいてから薄切りにします。
こちらを酢水に1分ほどつけておきます。
こちらを耐熱容器に入れ上からラップをのせます。このままレンジで加熱します。加熱時間はれんこん100gで600Wで2分、500Wなら2分30秒です。
あとはざるに移し冷めるまで待ちます。冷めたら冷凍用の保存袋に入れ金属トレイの上にのせて冷凍庫で保存します。これで1ヵ月は保存ができます。
れんこんのきんぴらも冷凍保存が可能です。作り方は冷蔵保存のところで取り上げたのでそちらを参照してください。保存は冷めてから冷凍用保存袋に入れ、金属トレイの上にのせて冷凍庫で保存します。これで1ヵ月は保存ができます。
れんこんのお焼きも冷凍保存が可能です。作り方は冷蔵保存のところで取り上げたのでそちらを参照してください。保存は冷めてから冷凍用保存袋に入れ、金属トレイの上にのせて冷凍庫で保存します。これで1ヵ月は保存ができます。
冷凍したレンジで加熱したれんこんは、炒め物や煮物に使うなら冷凍のまま使ってもかまいません。ちなみに下の画像は冷凍したレンジで加熱したれんこんです。
下の画像はフライパンなどで加熱解凍したレンジで加熱して冷凍したれんこんです。
れんこんのきんぴらは冷蔵庫で自然解凍して、冷たいままでも食べられますが、温めなおした方がおいしいです。なのでレンジで温めなおしてからいただきましょう。保存袋から耐熱皿に移し、レンジで温めなおすといいです。ちなみに下の画像は冷凍したれんこんのきんぴらです。
れんこんのお焼きはまずはレンジで解凍します。レンジでの解凍では加熱し過ぎないように注意してください。解凍したらオーブンで加熱します。オーブンで加熱することで水分が飛び、カリっと仕上がります。ちなみに下の画像は冷凍したれんこんのお焼きです。
下処理して冷蔵庫や冷凍庫で保存したれんこんを使ったレシピを紹介します。まずは茹でてから冷蔵庫・冷凍庫で保存したれんこんを使ったレシピです。今回紹介す
るのはれんこんの明太マヨ和えです。
まずはバターをレンジで20秒ほど過熱して少し溶かしておきます。
次に明太子の身を薄皮から取り出しボールに入れ、バターとマヨネーズも加えてよく混ぜます。
ここにれんこんを加えてよく和えます。最後に器に盛って刻みのりを振りかければ出来上がりです。
次に茹でて保存したれんこんを使ったれんこんとひき肉のピリ辛炒めについて紹介します。使う材料は以下の通りです。
まずはししとうのへたをカットして、斜めに半分にカットします。
次にフライパンにごま油を引いて中火で加熱したら、ひき肉と豆板醤を加えて、木べらでほぐしながらよく炒めます。
そこにれんこんとししとうを加えて火が通るまで炒めます。砂糖を加え、塩と胡椒で味を調節してさっと炒めたら完成です。
れんこんを少しでも長く日持ちさせたいならまずは購入段階でしっかりといいものを選ぶことも大切です。れんこんはふっくらとした見た目でハリがあり、色は薄茶色のものがいいです。
カットした断面はきれいでみずみずしく、穴の内側もきれいなものがいいです。また手に取ってみてハリや固さがあり重量感のあるものも良品です。くわしくはれんこんの見分け方・選び方、おいしさと鮮度を見分けるコツを紹介!で解説しています。
今回はれんこんの保存方法が本当に効果があるのかを、実際に試してみて検証しました。結果は何もせずに野菜室で保存すると、ハリがなくなってしわがより、みずみずしさもだいぶ減っていましました。
また、切り口も乾燥が進み黒く変色してしまいました。一方ラップをしてポリ袋に入れて野菜室で保存すれば、2週間たってもハリや固さはしっかり維持され、切り口こそやや乾燥して変色も見られますが、少しカットすれば中はきれいでみずみずしい状態を維持していました。
なのでれんこんを保存するならしっかりとラップをしてポリ袋に入れ、冷蔵庫の野菜室で保存することをおすすめします。