HOME > 食材を外で常温保存する方法 > ピーマンは夏に常温保存しちゃダメなの?検証してみたら意外な結果に!
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ピーマンを保存する場合、通常は冷蔵庫の野菜室で保存します。ただ常温でも保存ができるのか気になったので、今回は夏場の暑い時期に常温で保存した場合にどうなるのかを実際に試してみることにします。
まずは常温での保存の仕方について解説します。ピーマンが乾燥しないようにこれをポリ袋に入れて軽く口を締めます。
あとは新聞紙を敷いたダンボールにいれて室内で常温保存します。
まずはこちらが初日のピーマンです。濃い緑色でハリとツヤがあります。また触ると適度に弾力があります。
こちらは1週間目です。初日と比べると少ししわが寄っている部分が見られますが、色やつやなどはほとんど変化はありません。
こちらは2週間目です。ピーマンの底側の方が黒っぽく変色してきています。この時点では傷みが出てきているのかなと思っていました。
こちらは3週間目です。黒ずんでいた部分が広がってきて、さらに色も少しずつ赤みを帯びてきました。どうやら傷んでいるのではなく赤ピーマンの様に赤く変色してきているようです。
緑のピーマンはまだ熟す前のもので、熟すと赤や黄色に変色していきます。ちなみに赤になるもの、黄色になるものはそれぞれ別のようです。こちらは熟すと赤くなるピーマンだったようです。
こちらは4週間目です。色は大分赤みを帯びてきています。また変色の範囲も広がっています。表面のしわもだいぶ寄ってきました。もう少し待てばさらに赤くなりそうですが、しわもかなりよってきているので検証はここまでとします。
並べてみるとこんな感じです。左上が初日の夏場に常温で保存するピーマンで、1週間目、2週間目、3週間目、4週間目と並んでいます。2週間目から徐々に黒くなり、さらにそこから赤みを帯びてきているのがわかるかと思います。
重さの変化を見ていくとこんな感じです。まずは1日目です。重さは49.2gです。
3日目は48.4gで、初日の49.2gからは1.7%減、1週間目は47.8gで初日からは2.9%減、10日目は46.7gで初日からは5.1%減、2週間目は45.7gで初日からは7.2%減、 3週間目は44.5gで、初日の49.2gからは9.6%減、4週間目の重さは42.2gで、初日の49.2gからは14.3%減です。
表面もだいぶしわが寄っていて、重さも4週間で結構減ってきています。ポリ袋に入れて保存しましたが、それでも乾燥は進んでくるようです。
経過日数 | 重さ(増減率) |
---|---|
初日の夏場に常温保存するピーマン | 49.2g |
1週間目の夏場に常温保存したピーマン | 47.8g(-2.9%) |
2週間目の夏場に常温保存したピーマン | 45.7g(-7.2%) |
3週間目の夏場に常温保存したピーマン | 44.5g(-9.6%) |
4週間目の夏場に常温保存したピーマン | 42.2g(-14.3%) |
ちなみに保存期間中の気温と湿度はこんな感じです。まずは1日目です。気温は32度で、湿度は43%です。
3日目の気温は32度で、湿度は48%、1週間目の気温は31度で、湿度は58%、10日目の気温は30度で、湿度は56%、2週間目の気温は29度で、湿度42%、 3週間目の気温は29度で、湿度は68%、4週間目の気温は29度で、湿度は59%でした。
今回の検証は30度から32度の温度帯での検証になりました。
ちなみに夏場に常温保存して赤く変色してしまったピーマンですが、まだ食べれるのかどうかも気になるところです。そこで実際に食べて見ることにしました。まずは半分にカットしてみます。
4週間も保存したので、中の種は大分暗く変色してきています。また白い部分もやや赤みを帯びてきています。
まずはその日に買ってきたピーマンをこのように細切りにしてみました。食べて見たところしっかりとピーマンの風味や苦みがあり、食感もシャキシャキして適度にみずみずしさもあっておいしかったです。
一方こちらは赤く変色したピーマンのまだ緑色が残っている部分を細切りにしたものです。食べて見ると意外なことにまだ緑なのにだいぶピーマンの風味や苦みは薄れていて、全体的に薄味になっていました。
食感はシャキシャキとしてみずみずしさもしっかりあったので、そこはそんなに違いはありませんでした。
こちらは赤く変色したピーマンの赤くなった部分を細切りにしたものです。食べて見るとピーマンの風味や苦みはかなり薄れていて、パプリカの様に甘さの方が強調されてきていました。色もパプリカのように赤くなってきていて、味も似たような味に変化してきたようです。
シャキシャキとした食感やみずみずしさはこちらもそんなに違いはありませんでした。
夏場に常温保存して4週間も経ちましたが、ピーマンは熟しはしたものの、特に傷むこともなく保存ができたのには驚きでした。それぞれの味や食感の違いをまとめるとこんな感じです。
今回は30度から32度とかなり暑い時期にピーマンを常温保存しましたが、19度から25度と比較的過ごしやすい気温での常温保存の場合はどうなるかも検証しました。
初日の状態はこんな感じです。
こちらは4週間目の状態です。こちらは赤ではなく、このように黄色に変色しました。
このようにピーマンの品種によって何色に変色するかは違ってくるようです。
赤く変色したピーマンと並べるとこんな感じです。変色箇所の色が全然違うのがわかるかと思います。
半分にカットしてみるとこんな感じです。内側からも黄色くなってきているのがわかります。種は少し涼しい気温だったせいか、そこまで黒くは変色していません。
こちらも細切りにして食べて見ましたが、やはりパプリカに似た味になっていました。
ちなみにピーマンが徐々に黄色に変色していくまでの過程はピーマンが常温保存でオレンジ色(橙色)に変色、これって食べれるの?でも詳しくまとめているので、あわせて参考にしてみてください。
比較のためにピーマンを同じようにポリ袋に入れて野菜室で保存した場合はどうなるかも見ていくことにします。こちらは野菜室で保存して4週間たったピーマンです。見たところ特に変色も見られず濃い緑色で、ハリつやも維持しています。
赤や黄色に変色したピーマンと並べるとこんな感じです。変色の有無がよくわかるかと思います。
半分にカットしてみると中はこんな感じです。中の色もきれいです。また種もそんなに変色はしていません。
こちらも細切りにして食べて見ましたが、特に味の変化もなくおいしいピーマンの味でした。
ちなみに今回の検証についてはこちらの動画でも取り上げているので、よかったら合わせて参考にしてみてください。
またピーマンの保存方法全般についてはピーマンの保存方法と保存期間、長持ちのコツでも詳しく解説しています。
今回はピーマンを夏場に保存するとどうなるかを検証しました。正直さすがに夏の暑い時期だったので、そんなに長くは保存できないだろうと予想していたのですが、意外にも1カ月近く保存しても特に傷んだ様子は見られませんでした。
ただ成熟が進み緑から赤へと変色してしまいました。味の方は成熟したことで緑のピーマンの苦みや風味は大分落ち、パプリカに近い甘みを強調した味に変わっていきました。
一方野菜室で保存したものは1カ月たっても特に変色することもなく、ハリやつやも維持したまま保存することができました。ピーマンは夏場でも常温保存は可能ですが、緑色で味や風味を維持したいなら野菜室で保存することをおすすめします。