HOME > 野菜の上手な解凍方法を検証 > 冷凍ピーマンの解凍方法、自然解凍、流水解凍、氷水解凍のどれがいいのか検証してみた
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ピーマンは冷凍保存しておくことで、鮮度を維持したまま長期保存が可能です。ただ使う際は上手に解凍しないと、触感や味の低下にもつながってしまいます。
そこで今回はピーマンを自然解凍と流水解凍、氷水解凍してみて、どの方法が最も効果的なのかを検証していくことにします。
今回はいったんレンジで加熱してから冷凍したピーマンと生のピーマンの2種類で、それぞれ解凍方法を実践してみることにします。まずはレンジで加熱したピーマンです。
まずはピーマンを半分にカットしたら、へたと種を取り除きます。
次に細切りにしていきます。これを耐熱容器に入れ、レンジでピーマン100gなら600Wで1分30秒、500Wなら1分50秒加熱します。
加熱したら冷めるまで待ちます。冷めたらキッチンペーパーで表面の水気を軽くふきとり、冷凍用保存袋に入れます。これを冷凍保存します。これを2週間ほど保存します。
こちらが冷凍したレンジで加熱したピーマンです。
それでは冷凍したレンジで加熱したピーマンを実際に解凍してみることにします。まずは冷蔵庫に移して1日ほど置いておき、低温下で自然解凍します。
解凍するとこのようになります。思ったほど水けも出ずに解凍できています。
並べるとこんな感じです。左はレンジで加熱したピーマンで、真ん中はそれを冷凍したもの、右は冷凍してから解凍したものです。見た目的には自然解凍したものも冷凍する前と比べてそこまで差はありません。
食感は若干しなっとしていますが、比較的シャキッとした食感はあります。味はしっかりとピーマンの味がします。
今度は冷凍したレンジで加熱したピーマンを流水解凍します。まずは冷凍したレンジで加熱したピーマンをポリ袋に入れて口をしめます。ポリ袋に入れる際はなるべく中の空気を抜いたほうが、ピーマンが水に触れる面が増え、その分解凍時間も短くなります。
この時ストローがあると便利です。ストローをこのようにポリ袋の中に入れ、吸ったときに中に空気が入らないように、ポリ袋をしぼめて指でギュッと押さえます。
あとはストローで中の空気を吸いだします。2、3回吸うのを繰り返すとしっかりと空気を抜けます。あとは指で押さえたままさっとストローを抜きます。
ポリ袋をねじってからしっかりと締めます。これでこのように密閉することができます。
これをボウルやパッドなどに入れて、上から水を流します。水がたまったら蛇口をしめて少量だけたらし続けます。水は空気の20倍ほどの熱伝導率があるので、水に浸けたほうが早く解凍できます。さらに水をたらし続けて水を動かすことでより早く解凍できます。
解凍できたかどうかは袋の上から触ってみて、柔らかくなってるかどうかで判断します。
今回は水温は27度ほどで、この状態で10分ほどで解凍できました。
こちらは流水解凍した冷凍したレンジで加熱したピーマンです。
並べるとこんな感じです。左はレンジで加熱したピーマンで、真ん中は自然解凍したレンジで加熱したピーマン、右は流水解凍したレンジで加熱したピーマンです。見た目的には自然解凍したものも流水解凍したものもそんなに差はないです。
食べた感想はこちらは自然解凍したものよりもしっかりとシャキッとした食感がありました。味もこちらの方が少しピーマンの味が濃い感じがしました。
冷凍食品は解凍の際に細胞が壊れて、うまみや水分が流出しやすい時間帯があるそうです。それは解凍中に氷結晶が大きくなりやすいマイナス5度からマイナス1度の間と、酵素反応が起きやすい10度から40度の間です。
上手に解凍するには-5度から-1度の温度帯を早く通過し、さらに10度未満の温度にとどめておくことが大切です。
冷蔵庫での自然解凍だと低温でゆっくり解凍するので、-5度〜-1度の温度帯にとどまる時間も長くなってしまいます。なので解凍したレンジで加熱したピーマンも歯ごたえが弱まり、若干しなっとした感じになっていたのだと思います。
一方流水解凍だと、水に浸けることで素早く解凍が進み、野菜がダメージを受ける温度帯にとどまる時間も短くて済みます。その結果冷蔵庫での自然解凍よりもシャキっとした食感を維持することができたのだと考えられます。
次は冷凍したレンジで加熱したピーマンを氷水解凍してみます。まずは冷凍したレンジで加熱したピーマンをポリ袋に入れて口をしめます。これをボウルかパッドに入れて水を注ぎます。
さらに氷を加えて水温を下げます。ちなみにこの時の温度は1.6度でした。
このまま解凍するまで待ちます。途中氷が減ってきたらその都度氷を足します。今回は35分ほどで解凍できました。
こちらは氷水解凍した冷凍したレンジで加熱したピーマンです。
並べるとこんな感じです。左上はレンジで加熱したピーマンで右上は自然解凍したレンジで加熱したピーマン、左下は流水解凍したレンジで加熱したピーマンで右下は氷水解凍したレンジで加熱したピーマンです。見た目的には自然解凍、流水解凍、氷水解凍でそんなに差は見られません。
こちらもシャキッとした食感がしっかりとあり、味も自然解凍のものよりも少し濃かったです。ただ流水解凍したものと比べるとそこまで差は感じませんでした。
氷水解凍なら解凍後も1度前後と低い温度を保っているので、酵素反応が起きやすい10度を超えることもありません。ただ酵素反応は冷凍する前にレンジで加熱調理したり、調味料につけることで押さえることができます。
今回はレンジで加熱したピーマンだったので、10度を超えてしまうような流水解凍でもそれほど影響を受けなかったと考えられます。そのため氷水解凍した場合と流水解凍した場合で大きな差が出なかったのでしょう。
ちなみにレンジで加熱したピーマンの自然解凍、流水解凍、氷水解凍での味や食感の違いをまとめると以下のようになります。食感は自然解凍がややしなっとしていて、他2つはシャキシャキとしています。
味は自然解凍したものは普通で、流水解凍と氷水解凍したものはやや味が濃厚でした。
今度は冷凍した生のピーマンで自然解凍、流水解凍、氷水解凍での違いを検証してみることにします。まずは自然解凍です。こちらは自然解凍した冷凍した生のピーマンです。シャキッとした食感はありますが、少ししなっとしています。また少し水っぽいです。
次は冷凍した生のピーマンを流水解凍します。この時の水温は27度ほどでした。
こちらは流水解凍したものですが、自然解凍よりもシャキっとした食感はあります。
最後に冷凍した生のピーマンを氷水解凍します。ちなみにこの時の水温は1.6度でした。
こちらはシャキッとした食感に関しては若干ですが茹でた物よりもよかったです。
並べてみるとこんな感じです。左上は生のピーマンで、右上は自然解凍した生のピーマン、左下は流水解凍した生のピーマンで、右下は氷水解凍した生のピーマンです。解凍の違いによる見た目の差はあまりありません。
生のピーマンの自然解凍、流水解凍、氷水解凍での味や食感の違いをまとめると以下のようになります。食感は自然解凍が少ししなっとしていて、流水解凍は普通、氷水解凍は食感がやや良かったです。
味は解凍方法に関わらず、どれもやや薄めでした。
ちなみに生のピーマンを解凍したものと、レンジで加熱したピーマンを解凍したものだと、シャキッとした食感に関してはそれほど差はありませんが、水っぽさは生の方が強いです。
また味に関しては生よりもレンジで加熱したものの方がしっかりとピーマンの味がします。なので冷凍自体は生のままよりもレンジで加熱してから冷凍することをおすすめします。
ピーマンの冷凍はレンジの方がいいのか生の方がいいのかについてはピーマンの冷凍保存、生、茹で、レンジのどれが正解なのかを検証してみたでも詳しく解説しています。
ちなみに今回の検証については以下の動画でも詳しく取り上げているので、併せて参考にしてみてください。
それでは冷凍したピーマンの細切りを使ったレシピを一つを紹介します。今回はピーマンのトマトケチャップ炒めです。使う材料は以下の通りです。
まずは厚切りベーコンを細切りピーマンと同じ太さにカットします。
次にフライパンにオリーブ油を引いてから熱し、ベーコンを加えて色が変わってくるまで炒めます。
次いでピーマンも加えて炒めます。
調味料も加えてよく炒め合わせたら火を止め、粉チーズをふりかければ完成です。
次はピーマンと厚揚げのみそ炒めを紹介します。使う材料は以下の通りです。
まずは厚揚げを沸騰したお湯に2分ほど付けて油抜きをします。少し冷ましてから手で一口大にちぎります。
つぎにボウルに調味料Aの材料を入れ、よく混ぜ合わせておきます。
フライパンにごま油をひいて強火にかけ、厚揚げを入れて炒めます。
焼き色がついてきたらピーマンを加えて炒めます。
ピーマンが少ししんなりしてきたらボウルに入れておいた調味料Aを加えて炒め合わせます。全体によくなじんだら出来上がりです。
今回は冷凍したピーマンの解凍はどれがいいのかを実際に試してみました。結果はレンジで加熱した場合は、解凍は冷蔵庫での自然解凍よりも流水解凍の方が味や食感はよかったです。流水解凍と氷水解凍自体はそんなに差はなかったので、より短時間で解凍できる流水解凍をおすすめします。
生のピーマンの場合は氷水解凍したものが食感は最もよかったです。ちなみに冷凍自体は生よりも一度レンジで加熱してからの方が、解凍時の味や食感の持ちがいいので、冷凍自体は一度レンジで加熱してからがおすすめです。