今回はピーマンを常温保存したとき、どのように変化するのかを実験しました。先に結果を書くと常温保存したらピーマンがオレンジ色(橙色)に変色してきました。
そこで今回はどのようにピーマンが変色していくのか、その過程を詳しく見て行き、さらにオレンジ色に変色したピーマンの味はどのように変化するのかを実際に食べて調べてみることにします。
まずは保存するピーマンの初日の状態です。濃い緑色でツヤがり、みずみずしくてハリもあります。
初日のピーマンの重さは54.3gです。
保存はまずはピーマンをポリ袋に入れ、軽く口をします。これを新聞紙を敷いたダンボールの中に入れ、室内で保存します。
ちなみにこの日の室内の気温は19度で、湿度は63%です。
こちらは1週間常温で保存したピーマンです。見た目には特に大きな変化は見られません。
初日の状態と並べるとこんな感じです。左は初日の常温保存するピーマンで、右は1週間目の常温保存したピーマンです。大きな違いが見られないのがわかるかと思います。
重さは53.1gで、初日の54.3gからは2.1%減少しています。
ちなみにこの日の気温は21度で、湿度は64%でした。
こちらは1週間常温で保存したピーマンです。表面に少ししわが見られるようになってきました。ただそこまで大きな変化ではありません。ピーマンは常温でも比較的鮮度を維持したまま長く保存ができるようです。
並べるとこんな感じです。左は初日の常温保存するピーマンで、真ん中は1週間目の常温保存したピーマン、右は2週間目のピーマンです。2週間目で若干変化が出てきたのがわかるかと思います。
重さは51.6gで、初日の54.3gからは5.0%減少しています。
ちなみにこの日の気温は22度で、湿度は62%でした。
こちらは3週間常温で保存したピーマンです。表面はさらにしわが目立ってきています。また一部ですが色が薄くなって黄色っぽくなっている部分が見られます。
並べるとこんな感じです。左上は初日の常温保存するピーマンで、右上は1週間目の常温保存したピーマン、左下は2週間目のピーマンで、右下は3週間目のピーマンです。3週間目で色の変化まで出てきています。
重さは50.7gで、初日の54.3gからは6.7%減少しています。
ちなみにこの日の気温は21度で、湿度は65%でした。
こちらは4週間常温で保存したピーマンです。4週間目にな薄黄色からかなりはっきりとしたオレンジ色に変色してきました。また変色の範囲も広がっています。
並べるとこんな感じです。左上は初日の常温保存するピーマンで、上真ん中は1週間目の常温保存したピーマン、右上は2週間目のピーマンで、左下は3週間目のピーマンです。右下は4週間目のピーマンです。
4週間目で色が大きく変化しているのがわかるかと思います。
カットしてみた断面はこんな感じです。皮の断面はややハリがなくなっていますが、特に傷み等は見られません。
重さは49.4gで、初日の54.3gからは9.1%減少しています。
ちなみにこの日の気温は25度で、湿度は61%でした。
経過日数 | 重さ(増減率) |
---|---|
初日の常温保存したピーマン | 54.3g |
1週間目の常温保存したピーマン | 53.1g(-2.1%) |
2週間目の常温保存したピーマン | 51.6g(-5.0%) |
3週間目の常温保存したピーマン | 50.7g(-6.7%) |
4週間目の常温保存したピーマン | 49.4g(-9.1%) |
常温で保存する方法では4週間でオレンジ色に変色してしまったので、次は同じようにポリ袋に入れて冷蔵庫の野菜室で保存することにします。
こちらは同じ4週間が経過しても、色は濃い緑色のままです。またしわなども寄っておらず、ハリや固さもしっかりとあります。
並べるとこんな感じです。左は野菜室で保存したピーマン4週目で、右は常温で保存したピーマン4週間目です。色見が全然違うのがよくわかるかと思います。
こちらもカットすると断面はこんな感じです。特に傷んだ様子は見られません。
並べるとこんな感じです。左は野菜室で保存したピーマン4週目の断面で、右は常温で保存したピーマン4週間目の断面です。内側から見ても、常温の方は少し皮が 黄緑色っぽくなっています。
常温でも比較的長持ちするピーマンですが、やはり冷蔵庫の野菜室で保存した方が鮮度の持ちはいいようです。
こちらはポリ袋に入れず、そのままの状態で冷蔵庫の野菜室で保存して、1週間たったピーマンです。
1週間でかなり乾燥して、しなびているのがわかるかと思います。
初日と比べるとこんな感じです。だいぶしなびているのがわかるかと思います。
重さは37.0gで、初日の39.6gからは6.6%も減少しています。
ちなみにピーマンが黄色に変化したとしても、傷んでいるわけではありません。ピーマンは熟してくると緑色から黄色へと変化します。つまり常温で保存したことで、ピーマンが熟し、色が緑から黄色に変化したわけです。
ちなみに黄色ではなく赤く変色するものもあります。これはピーマンの品種の違いによるもので、赤くなる品種は赤くなり、黄色くなる品種は黄色くなります。黄色から赤に変色することはありません。
黄色や赤色のパプリカも実はピーマンが熟したものです。ピーマンとパプリカの違いについてはジャンポピーマンとは、普通のピーマンとの違いや絶品レシピも紹介でも詳しく解説しています。
それでは実際にオレンジ色に変色してしまったピーマンを食べて見ることにします。まずは比較のために野菜室に入れて4週間たった濃い緑色のピーマンを食べて見ました。
こちらはピーマン特有の青臭さや苦みがあり、しっかりとしたピーマンの味でした。
いっぽうこちらはオレンジ色に変色したピーマンです。食べて見たところピーマン特有の青臭さや苦みはかなり薄れ、代わりにほんのりとした甘さを感じました。ちょうどパプリカのような味になってきています。
パプリカはピーマンが熟して甘みが増したものです。オレンジ色になったピーマンも熟すことで甘みが増したようです。
ちなみに今回の検証については以下の動画でも取り上げているので、併せて参考にしてみてください。
ちなみに別の機会に同じようにピーマンを常温保存してみました。こちらは29度から32度と真夏の暑い時期での保存でした。まずは1日目です。
こちらは4週間目です。こちらは黄色ではなくこのように赤みを帯びた色に変色しました。ピーマンも品種によってこのように変色したときの色が異なるようです。
緑のピーマンと黄色に変色したピーマンと並べるとこんな感じです。それぞれの色味の違いがよくわかるかと思います。
半分にカットしてみると中はこんな感じです。内側からも変色してきているのがわかるかと思います。こちらは真夏だったせいか種が大分黒っぽく変色してきています。
ちなみにピーマンが徐々に赤く変色していくまでの過程はピーマンが赤く変色!何でこんなことに!これ食べれるの?味や食感は?でも詳しくまとめているので、あわせて参考にしてみてください。
今回はピーマンが常温保存でオレンジ色に変色していく過程と、オレンジ色の変色したピーマンの味を確かめてみました。ピーマンは常温で保存しても比較的長く鮮度を維持することができます。
さらに冷蔵庫よりも高い温度での保存により、成熟が進み、オレンジ色に変化していくようです。オレンジ色になっても傷んでいるわけではなく、味に関しては青臭さや苦みが減って、若干甘くなっていたのは驚きでした。
スーパーなどでもまれに若干一部がオレンジ色に変色しているピーマンを見かけることがあります。こちらも成熟が進んで甘さが出てきたピーマンなので、見かけたら一度購入されてみて、その味を確かめてみてはいかがでしょうか。