パプリカはピーマンと同じ品種で日本ではジャンボピーマンが熟して色が変わったものがパプリカと呼ばれます。パプリカも上手に保存することで長期保存も可能です。ここではパプリカの常温での保存と冷蔵庫での保存、冷凍保存のコツを紹介します。さらに乾燥させて保存する方法や作り置きのおかずにして保存する方法も紹介します。
パプリカは常温保存1週間、冷蔵で2週間日ほど、冷凍で1ヵ月、乾燥させて1ヵ月保存ができます。下の表は各保存方法と保存期間の一覧です。
保存方法 | 常温 | 冷蔵 | 冷凍 | 漬物 | 乾物 | 土中 |
---|---|---|---|---|---|---|
保存期間 | 1週間 | 2週間 | 1ヵ月 | - | 1ヵ月 | - |
パプリカは水気がついたまあ保存するとそこからの傷みが早くなります。保存する際は水けをしっかりとふき取ってから保存します。ポリ袋などに入れて保存する場合は、密閉すると湿気がこもってしまいます。通気のために爪楊枝で数か所穴をあけておくといいでしょう。
パプリカを冷蔵庫や常温で保存する場合は、乾燥しないようにキッチンペーパーか新聞紙に包んで保存します。パプリカから出た水分が新聞紙などに吸水され、適度な湿度を保ってくれます。
パプリカは腐ってくるとすぐに他に伝染します。ほうっておくといいパプリカまであっという間に腐ってしまうので早めに取りだすようにしましょう。
パプリカは7〜10度での保存が適しています。これよりも低いとくぼみができたり低温障害が出てきます。保存するなら5〜10度の環境である冷蔵庫の野菜室が適しています。
また湿度も90〜95%ほどが保存に理想的ですが、野菜室は湿度も高いため、この点からもパプリカの保存にも適しています。パプリカ以外の野菜の最適保存温度、湿度については野菜の最適保存温度と最適保存湿度についてで解説しています。
パプリカの保存は7〜10度の環境が適しているので冷蔵庫の野菜室で保存するのがいいのですが、冬場や寒い地域で、外気の気温が低い場合は冷暗所での保存でもかまいません。その場合はパプリカを一つ一つ新聞紙かキッチンペーパーで包んで保存します。大体1週間ほど保存できます。
冷暗所とは14度以下の環境で、通気がよく湿気がこもりにくくて、直射日光の当たらない場所です。昔の家なら床下などが冷暗所に当たります。
パプリカは夏場で外気が高くなると、冷暗所自体の確保も難しくなるため、この場合は常温での保存には適しません。冷蔵庫の野菜室で保存しましょう。
通常パプリカは冷蔵庫の野菜室での保存に適しています。冷蔵庫の野菜室はちょうどパプリカの保存に適した5〜10度の環境にあるからです。パプリカをポリ袋に入れて保存します。
ポリ袋は口を固く締めると密閉されてむれてくるので、口を軽くしめておくといいです。パプリカは野菜室での保存で10日〜2週間は持ちます。
実際にパプリカをポリ袋に入れ、冷蔵庫の野菜室で保存するとどのくらい鮮度は持つのでしょうか。気になったので実践してみることにしました。何もしないで野菜室で保存したパプリカとポリ袋に入れて保存したパプリカを比較してみたところ次のようになりました。
そこから2週間目までの重さの変化はこんな感じです。1日目は183.7g、3日目は183.7g、1週間目は183.5g(-0.2%)、2週間目は182.4g(-0.8%)です。2週間たってもそんなに重さは減っていません。
経過日数 | 保存法を試したパプリカ | そのままのパプリカ |
---|---|---|
1日目 | 183.7g | 177.6g |
3日目 | 183.7g | 173.1g(-2.6%) |
1週間目 | 183.5g(-0.2%) | 163.9g(-7.8%) |
2週間目 | 182.4g(-0.8%) |
何の対策もしてない方は水分が抜けて、1週間目には重さが7.8%も減少しています。一方でポリ袋に入れて保存したほうは2週間たってもわずか0.8%しか減少していません。
こちらは何もしないでそのまま冷蔵庫の野菜室で保存するパプリカの1日目の状態です。ハリもツヤもあり、しなびた様子も見られません。
これが1週間たつとこうなります。乾燥して表面に大きく凸凹ている部分が見られます。
並べてみるとこんな感じです。左は初日のそのまま野菜室で保存するパプリカで、右は1週間たったそのまま野菜室で保存したパプリカです。並べてみると表面の違いがよくわかるかと思います。
ちなみにこちらはポリ袋に入れてから冷蔵庫の野菜室で保存するパプリカの1日目の状態です。こちらもハリつややみずみずしさがしっかりとあります。
これが2週間たつとこうなります。こちらは2週間たってもほとんど見た目に変化は見られません。
並べてみるとこんな感じです。左は初日のポリ袋に入れて野菜室で保存するパプリカで、右は2週間たったポリ袋に入れて野菜室で保存したパプリカです。こちらは2週間目でもへこんだ部分もなく、しっかりとハリつやがあるのがわかるかと思います。
ちなみに2週間たったポリ袋に入れて保存したパプリカとそのまま1週間保存したパプリカを並べてみるとこうなります。ちゃんと保存方法を実施すれば2週間たってもしっかりとハリが維持されているのがわかるかとおもいます。
なお以下の動画でもポリ袋に入れて保存する方法の効果を、1日目、3日目、1週間目、2週間目と検証しているので、併せて参考にされてみてください。
それからしなびてしまったパプリカも、再生させて再びハリや固さを取り戻すこともできます。要は水につけて戻す方法なのですが、詳しくはしなびたパプリカが元通りになるの?パプリカの復活術、再生術を検証しますで解説しています。
また以下の動画でもその効果を検証しています。
ちなみにパプリカをポリ袋に入れて保存する場合、先に新聞紙で包んでからの方がいいのかどうかも気になる方もいらっしゃるかもしれません。そこで実際に両方の方法でどうなるか試してみました。
こちらはそのままポリ袋に入れて野菜室で2週間保存したパプリカです。ハリがあってきれいです。
一方こちらは新聞紙で包んでポリ袋に入れ2週間野菜室で保存したものです。こちらも同じようにハリがあってきれいです。ただ若干へた先のあたりが変色しています。
両者を比べてみた結果、そこまで大きな差は見られませんでした。さらに半分にカットして中の様子を見てみても、どちらも特に傷んだ様子は見られません。なので手間がかからない分そのままポリ袋に入れて保存する方法をおすすめします。
パプリカはカットしたものだと傷みも早いので、なるべくなら一度に使ったほうがいいです。保存するならしっかりとラップをして冷蔵庫で保存します。断面が空気に触れると傷みやすいのでしっかりとラップをすることが大切です。冷蔵庫での保存で2〜3日は持ちます。
パプリカは冷凍保存することも可能です。千切り、乱切り、みじんぎりなど用途に合わせてかっとしてから、生のままもしくはゆでたり傷めたりして、熱を冷まして冷凍用保存袋に入れて金属トレイに乗せ、そのまま冷凍庫で保存します。冷凍庫なら1ヵ月は保存が可能です。
まずはカットしたパプリカを茹でて、1分ほど茹でたらざるに上げて熱を冷まします。熱がさめたら冷凍用保存袋に入れて冷凍保存します。
ちなみにパプリカは半分にカットしてからへたをちぎって取りますが、これだとどうしても余分にへた周りまで取ってしまいます。
100均でパプリカのへたがきれいに無駄なくとれる便利グッズを見つけたので、以下の動画で使えるのかどうかを検証してみました。併せて参考にしてみてください。
パプリカは生でも冷凍保存できますが、加熱処理してからの方が保存性は増します。これは腐敗を進める酵素を加熱により壊すことで、その働きを抑えることによります。この酵素は腐敗だけでなく変色も進めてしまうので、加熱処理をしておけば色の変色も抑えつつ冷凍保存ができます。
パプリカを冷凍保存する際に水気が残っていると霜ができやすいので、しっかりとふき取ってからにしましょう。霜がつくと解凍時に味が落ちやすく、またパプリカ同士がくっついて使う時にも不便です。
食品を冷凍保存するときはいかに素早く冷凍させるかが、食品の品質を保ったまま冷凍させるうえで重要となります。そこで熱伝導率が高い金属製のトレイを下に敷いてパプリカを保存するといいです。ある程度時間がたって凍ってきたら、金属トレイは取り出します。
冷凍保存する際は急速冷凍することが大事ですが、そのためには保存袋の空気をしっかりと抜いておくことも大切です。空気は熱伝導率が低いので、空気が多いとそれだけ冷気が伝わりにくくなります。また酸素が多いと雑菌の繁殖にもつながります。
食品の冷凍で大事なのはいかに早く冷凍するかですが、そのためにも保存する際は食材をなるべく薄く平らにして保存しましょう。こうすると素早く均一に冷凍することができます。また解凍時の時間も短縮することができます。
パプリカを冷凍保存してそのまま忘れてしまい、後になって取りだした時にいつ保存したのか思い出せないというような事態にならないよう、保存袋には保存した日付と中身をしっかりと記入しておくようにしましょう。
ちなみに冷凍用保存袋といえばジップロックが有名ですが、こちらはあらかじめ保存袋の表面に日付や保存する食材名を記入する欄がプリントされています。ジップロックはS、M、Lとサイズがあり、スーパーやドラッグストアなどでも売っていますが、ネットでまとめて購入することもできます。
ゆでたり炒めたりして冷凍したパプリカで和え物などに使う場合は、前日の夜に冷蔵庫に移して7〜8時間ほど自然解凍してから使うといいです。煮物や汁物、炒め物などに使う場合はそのままでも使えます。
パプリカは干して保存してもいいです。干すことで水分が抜けてうまみが凝縮されます。半分に切って種とワタを取り、千切りにしてざるに並べて天日で2日ほど干します。保存は保存袋やビンなどにいれて冷蔵庫で保存で1ヵ月は持ちます。使う時は水で戻してから煮物や炒め物などに利用するといいです。
パプリカは乾燥させると長期保存が可能ですが、ついつい使いそびれて後になっていつ保存したのかがわからなくなりがちです。そこで保存する際は保存袋に保存日をしっかりと記入しておくと、いつでも保存日を確認することができます。
干すときに便利なのが周囲が網で覆われた干しかごです。虫や鳥などの侵入を抑えることができるのでパプリカを干すのに便利です。
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パプリカは作りおきのおかずにして冷凍保存しておくことも可能です。こうすれば時間がないときでもレンジだけで手軽に一品加えることができます。ここではパプリカのきんぴらを紹介します。冷蔵庫での保存なら4〜5日、冷凍庫なら2週間は持ちます。
作り方はピーマンとパプリカを半分に切って、種とワタを取り除いて少し太めに千切りにします。フライパンにごま油を引き強火で加熱して、ピーマンとパプリカを加えてしんなりするまで炒めます。酒・しょうゆ、砂糖を加えてさらに炒め、最後に塩で味を調えて完成です。
作り置きを冷蔵庫で保存するなら密閉容器でも構いませんが、冷凍庫で保存する場合は冷凍用の保存袋の方がいいです。こちらなら空気を抜きやすく密閉しやすいので保存性が増します。また平らにすれば冷却効率も上がり急速冷凍させやすいので冷凍保存には適しています。
解凍は電子レンジの解凍キーで行います。さらに温めたい場合は一度耐熱容器に移してから再度電子レンジで加熱するといいです。
パプリカは冷暗所での常温保存なら1週間、冷蔵庫なら10日〜2週間、冷凍保存で1ヵ月、干してから冷蔵保存で一ヶ月、パプリカのきんぴらなどの作りおきおかずにして冷凍保存で2週間持ちます。
保存方法 | 保存期間 |
---|---|
常温保存 | 1週間 |
冷蔵保存 | 10日〜2週間 |
冷凍保存 | 1ヵ月 |
干して保存 | 1ヵ月 |
作り置きにして保存 | 冷蔵4〜5日、冷凍2週間 |
パプリカを上手に保存しても、長くそのままにしておくと次第に傷んで腐ってきます。傷んだパプリカは色も黒みがかってきて、表面の弾力も失われしわくちゃになてきます。また異臭がしたり、カビが生えてきたりします。
ちなみにこちらはパプリカの表面一部が茶色に変色してしまったものです。鮮度が落ちるとこのように果肉も変色してきます。ただまだ変色が一部であれば、その部分をしっかりとカットすることで、残りの奇麗な部分は食べることができます。
茶色に変色したパプリカについてはパプリカが傷んで茶色に変色!内側にも黒カビが!まだ食べられるの?実際に食べて検証してみた!でも詳しく検証しているので、併せて参考にしてみてください。
パプリカは鮮度が落ちてくるとまずへたに現れます。そこでおいしいパプリカを見分けるときはまずはへたを見ます。へたの切り口がみずみずしくてへたが茶色や黒がかって変色してないものをえらびます。パプリカの色は鮮やかでツヤのあるものを選びます。
手に取ってみて張りや弾力があり、重みのあるものほど良品です。カットしたものは肉厚で種がそれほど育っていないものほど身も柔らかいです。詳しくはおいしいパプリカの見分け方・選び方で解説しています。
また下の動画でもパプリカの見分け方・選び方を解説しているので合わせて参考にしてみてください。
パプリカは基本は冷蔵庫の野菜室で保存します。一つずつ新聞紙かキッチンペーパーで包んでポリ袋に入れ、軽く口を閉めて保存します。これで10日は持ちます。用途に合わせて千切りや乱切りなどにカットしてから冷凍保存することも可能です。この場合は1か月ほど持ちます。千切りなどにカットしたものを天日で2日ほど干してから冷蔵庫で保存しても1か月ほど持ちます。
カットしたものは傷みが早いのでしっかりとラップして4〜5日で使いきりましょう。パプリカのきんぴらなどの作り置きのおかずにして冷凍保存しても2週間ほど持ちます。