HOME > 野菜の上手な解凍方法を検証 > 冷凍オクラの解凍方法、自然解凍、流水解凍、氷水解凍のどれがいいのか検証してみた
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オクラは冷凍保存しておくことで、鮮度を維持したまま長期保存が可能です。使う際は解凍して使いますが、解凍方法には自然解凍、流水解凍、氷水解凍などいくつか種類があります。
どれが最も味や食感を維持したまま解凍できるかが気になったので、今回は実際に検証してみることにします。
今回はいったん茹でてから冷凍したオクラと生のオクラの2種類で、それぞれ解凍方法を実践してみることにします。まずは茹でたオクラです。
まずはオクラの固いへた先とガクの部分を包丁でカットします。
次にこれをまな板の上に置き、上から塩を振ってから板ずりをします。こうすることで表面の産毛が取れ、舌触りがよくなります。また塩により適度にした味も付きます。
鍋に水を入れて沸騰させたら、オクラを加えて1分ほど茹でます。茹でたらさっと流水にさらし、しっかりと冷めるまで待ちます。
冷めたら冷凍用保存袋に入れ、冷凍保存します。このまま3週間ほど保存します。
ちなみにオクラのガクをカットした場合としなかった場合で味や食感にどのくらい差が出るのでしょうか。気になったので実際に食べ比べてみました。
オクラのガクをカットしたものと、ガクが比較的奇麗でカットせずにそのままのもの、ガクは黒く変色してきていてカットせずにそのままのものをそれぞれ茹でて食べ比べてみました。
結果はやはりカットしていないものはやや繊維質で筋っぽい感じがありました。ただそれでも食べられないほどではありません。それでもカットしたものの方が食感はいいのでやはりガクはカットした方がよさそうです。
詳しい検証結果についてはオクラのへた、ガクは本当に食べられないの?どこまでカットするのが正解?実際に検証してみた!でも解説しているので合わせて参考にしてみてください。
それでは冷凍した茹でたオクラを実際に解凍してみることにします。まずはこちらが冷凍した茹でたオクラです。
これを冷蔵庫に移して1日ほど置いておき、低温下で自然解凍します。
解凍するとこのようになります。色見は緑鮮やかできれいです。
並べるとこんな感じです。左は茹でたオクラで、真ん中は冷凍した茹でたオクラ、右は冷凍してから解凍した茹でたオクラです。見た目的には自然解凍したものも冷凍する前と比べてそこまで差はありません。
食感は筋張った感じもなくちょうどいい柔らかさです。味は青臭さもなく、オクラの味がしっかりとしておいしいです。
今度は冷凍した茹でたオクラを流水解凍します。まずは冷凍した茹でたオクラをポリ袋に入れて口をしめます。
このときストローなどで中の空気をしっかり抜くと、隙間がなくなり流水による解凍も早くなります。コツはこのようにキュッと手でビニールを締めながらストローで中の空気を吸引し、これを2、3回繰り返します。
あとは空気が漏れないように抑えながら、ポリ袋をねじり、このまましめます。
これでこのように密封に近い状態になります。
これを容器に入れて、上から水を流します。水がたまったら蛇口をしめて少量だけたらし続けます。水は空気の20倍ほどの熱伝導率があるので、水に浸けたほうが早く解凍できます。さらに水をたらし続けて水を動かすことでより早く解凍できます。
解凍できたかどうかは袋の上から触ってみて、柔らかくなってるかどうかで判断します。
今回は水温は22度ほどで、この状態で15分ほどで解凍できました。こちらが流水解凍した茹でたオクラです。
並べるとこんな感じです。左は茹でたオクラで、真ん中は自然解凍した茹でたオクラ、右は流水解凍した茹でたオクラです。見た目的には自然解凍したものも流水解凍したものもそんなに差はないです。
食べた感想はこちらも食感もよく、味もしっかりオクラでした。ただ自然解凍したものと比べるとそんなに大きな差はありませんでした。
冷凍食品は解凍の際に細胞が壊れて、うまみや水分が流出しやすい時間帯があるそうです。それは解凍中に氷結晶が大きくなりやすいマイナス5度からマイナス1度の間と、酵素反応が起きやすい10度から40度の間です。
上手に解凍するには-5度から-1度の温度帯を早く通過し、さらに10度未満の温度にとどめておくことが大切です。
冷蔵庫での自然解凍だと低温でゆっくり解凍するので、-5度〜-1度の温度帯にとどまる時間も長くなってしまいます。なので自然解凍した茹でたオクラは、流水解凍した茹でたオクラよりも味や食感が落ちると思っていました。
しかしながら実際のところは、自然解凍したものも流水解凍したものもそんなに差はありませんでした。
次は冷凍した茹でたオクラを氷水解凍してみます。まずは冷凍した茹でたオクラをポリ袋に入れて口をしめます。これを容器に入れて水を注ぎます。
さらに氷を加えて水温を下げます。ちなみにこの時の温度は1.4度でした。
このまま解凍するまで待ちます。途中氷が減ってきたらその都度氷を足します。今回は50分ほどで解凍できました。
こちらは氷水解凍した茹でたオクラです。こちらも色も鮮やかで、特に自然解凍したもの、流水解凍したものとそんなに差はありません。一部色が変わっていますが、これは解凍前から変わっていたもので、解凍の影響ではありません。
並べるとこんな感じです。左上は茹でたオクラで右上は自然解凍したもの、左下は流水解凍したもので右下は氷水解凍したものです。見た目的には自然解凍、流水解凍、氷水解凍でそんなに差は見られません。
こちらもやはり自然解凍したもの、流水解凍したものと味や食感はそんなに変わりはありませんでした。
解凍方法ごとの茹でたオクラの味や食感の違いをまとめるとこんな感じです。
氷水解凍なら解凍後も1度前後と低い温度を保っているので、酵素反応が起きやすい10度を超えることもありません。ただ酵素反応は冷凍する前に茹でて加熱調理したり、調味料につけることで押さえることができます。
今回はゆでたオクラだったので、10度を超えてしまうような流水解凍でもそれほど影響を受けなかったと考えられます。そのため氷水解凍した場合と流水解凍した場合で大きな差が出なかったのでしょう。
ただオクラの場合は自然解凍したものとも差が出なかったので、解凍方法にはそれほど影響は受けないのかもしれません。
今度は冷凍した生のオクラで自然解凍、流水解凍、氷水解凍での違いを検証してみることにします。まずは自然解凍です。こちらは冷凍した生のオクラです。こちらを自然解凍します。
こちらは自然解凍した冷凍した生のオクラです。食感は少し筋張った感じがありました。味はやや青臭さがあってあまりおいしくはありません。
次は冷凍した生のオクラを流水解凍します。この時の水温は22度ほどでした。
こちらは流水解凍したものですが、食感や味に関しては自然解凍したものとそんなに差はありませんでした。
最後に冷凍した生のオクラを氷水解凍します。ちなみにこの時の水温は1.4度でした。
こちらもやはり、流水解凍したもの、自然解凍したものと食感や味はそんなに差はありませんでした。
並べてみるとこんな感じです。左上は生のオクラで、右上は自然解凍したもの、左下は流水解凍したもので、右下は氷水解凍したものです。解凍の違いによる見た目の差はあまりありません。
解凍方法ごとの生のオクラの味や食感の違いをまとめるとこんな感じです。
ちなみに生のオクラを解凍したものと、茹でたオクラを解凍したものだと、茹でたオクラを解凍したものの方が食感がよく、味も青臭さがなくておいしかったです。
なので冷凍自体は生のままよりも茹でてから冷凍することをおすすめします。
オクラの冷凍はレンジの方がいいのか生の方がいいのかについてはオクラの冷凍保存は生のままと茹でてからのどちらがいいのかを検証してみた!でも詳しく解説しています。
ちなみに今回の検証については以下の動画でも詳しく取り上げているので、併せて参考にしてみてください。
それでは解凍したオクラを使ったレシピをいくつか紹介します。まず紹介するのがオクラのごま和えです。使う材料は以下の通りです。
オクラを流水解凍したら、食べやすい大きさにカットします。
ボウルにすりごま、砂糖、しょうゆを加え、よく混ぜ合わせます。
ここにカットしたオクラを加え、よく和えたら出来上がりです。
こちらは冷凍した茹でたオクラを使って作ったオクラのごま和えです。
一方こちらは茹でてから冷凍せずにそのままのオクラを使って、作ったオクラのごま和えです。
並べるとこんな感じです。左は冷凍した茹でたオクラを使って作ったごま和えで、右は冷凍せずにそのまま茹でたオクラを使って作ったごま和えです。見た目にはそんなに違いは見られません。
肝心の味ですが、食感に関しては冷凍した茹でたオクラの方がやや柔らかく、冷凍せずにそのままの茹でたオクラの方が実がしまっていてシャキッとした食感がありました。
ただこれはどちらがいいというのではなく、どちらもそれぞれおいしかったです。
味に関してはオクラの味がどちらもしっかりありました。茹でて解凍した方は、実が少し柔らかくなっている分、すりごまなどの味が実の方によくしみていました。ただこちらに関しても冷凍したものと冷凍してないものどちらもそれぞれおいしかったです。
味や食感に差は出ましたが、どちらも特徴が少し違うというだけでそれぞれおいしかったです。なので冷凍したオクラでも十分おいしいごま和えを作ることができます。
次はオクラの塩昆布和えです。使う材料は以下の通りです。
オクラを流水解凍したら、食べやすい大きさにカットします。
ボウルにカットしたオクラと塩昆布、めんつゆを入れ、よく混ぜ合わせたら出来上がりです。
こちらは冷凍した茹でたオクラを使って作ったオクラの塩昆布和えです。
一方こちらは茹でてから冷凍せずにそのままのオクラを使って、作ったオクラの塩昆布和えです。
並べるとこんな感じです。左は冷凍した茹でたオクラを使って作った塩昆布和えで、右は冷凍せずにそのまま茹でたオクラを使って作った塩昆布和えです。見た目には解凍したものを使ったほうが少ししなっとしています。
肝心の味ですが、食感に関しては冷凍した茹でたオクラの方がやや柔らかく、冷凍せずにそのままの茹でたオクラの方が実がしまっていてシャキッとした食感がありました。
味に関してはどちらも変わりませんでした。
食感の方は冷凍して解凍したものよりも、そのまま茹でてから使ったものの方がシャキッとした感じがしっかりありました。ただ冷凍して解凍したものもしなっとはしていますが、味もしっかりとしていて十分おいしかったです。
次はオクラとモロヘイヤのねばねば和えです。使う材料は以下の通りです。
オクラを流水解凍したら小口切りにします。
まずは鍋に水を入れ水1リットルに対して塩小さじ1/2加えて火にかけます。沸騰したらモロヘイヤの茎の部分を30秒茹でます。次に葉も浸して30秒茹でます。
茹でたらさっと流水にさらしてから水けを絞ります。茹でたモロヘイヤをまな板の上に置き、縦横1cm幅ほどにカットします。
次にボウルに小口切りにしたオクラをいれます。ここに茹でてカットしたモロヘイヤと塩昆布8g、めんつゆ(2倍濃縮)大さじ2、練りわさび小さじ1/2を加えます。
これをよく和えたら小皿に盛ります。最後に上からかつお節を振りかけたら出来上がりです。
こちらは冷凍したオクラを使って作ったオクラとモロヘイヤのねばねば和えです。オクラの味もしっかりあって調味料ともよく絡んでおいしかったです。食感もそんなに悪くはなかったです。
一方こちらは生のオクラを茹でたものを使って作ったオクラとモロヘイヤのねばねば和えです。こちらも味の方は冷凍したものとそんなに変わらなくて、調味料ともよく絡んでおいしかったです。
食感の方はこちらの方が適度にハリや固さがあってよかったです。冷凍したものもよかったのですが、こちらに比べると少し柔らかめでした。
食べ比べた感想は味の方はどちらもそんなに差はなくておいしかったです。食感は生の方が少しだけハリや固さがしっかりしていてよかったです。星で表すなら生の方が星5なら冷凍したものは星4.5といった感じです。
次はオクラのめんつゆ漬けです。使う材料は以下の通りです。
作り方は簡単です。容器に冷凍のまま小口切りにしたオクラを入れます。冷凍していない茹でたオクラを使う場合も同様に小口切りにして容器に入れます。
ここに2倍濃縮のめんつゆ75mlを水で半分に薄めたものを入れます。今回は薄めためんつゆ150mlほど加えました。
めんつゆは薄めずに2倍濃縮のままでもつけて見たのですが、こちらは味が濃すぎたので今回は2倍に薄めたものを使います。
それから小口切りではなくまるごと一本つけることもできますが、小口切りにした方が味がしっかりしみて、さらにめんつゆにもとろみが出ておいしいのでおすすめです。あとはふたをして冷蔵庫で1日ほど置いておきます。
こちらは冷凍したオクラをつけて1日たったものです。このようにめんつゆにまでしっかりととろみがついているのがわかるかと思います。とろみのついためんつゆはオクラによく絡んで一緒に食べるとかなりおいしいです。
食感の方は適度なポリポリ感はありますが、少し柔らかいかなという感じです。
こちらは茹でてからそのままめんつゆに浸けたオクラです。こちらもこのようにしっかりととろみがついています。食べてみたところこちらもとろみがよく絡んでおいしかったです。
食感はこちらの方がややポリポリとした食感がしっかりしているかなといった感じです。
食べ比べた感想は味の方はどちらもそんなに差はなかったです。ただ食感の方は茹でてそのまま使った方がややポリポリ感が強くてよかったです。
冷凍のものはポリポリ感が少し弱いですが、それでも十分おいしかったです。星で表すなら生の方が星5なら冷凍したものは星4.5といった感じです。
ちなみにオクラのめんつゆ漬けはこのようにごはんにたっぷりと乗せて、とろみのついためんつゆもかけていただくのもおすすめです。これだけでもご飯がかなり進むと思います。
さらにオクラのめんつゆ漬けを納豆と一緒に混ぜて食べてもおいしいです。まずは納豆を2パック容器に入れて付属のたれを加えてよく混ぜます。
こちらにめんつゆづけのオクラを容器の3分の2ぐらいの量(オクラ8本分ぐらい)を浸けためんつゆとともに加えます。
さらに練りがらしも小さじ1ぐらいくわえてよく混ぜ合わせたら出来上がりです。
こちらもこのようにごはんにかけて食べるとかなりおいしかったです。
今回は冷凍したオクラの解凍はどれがいいのかを実際に試してみました。結果は茹でたオクラに関しても生のオクラに関しても、自然解凍、流水解凍、氷水解凍と、解凍方法による食感や味の違いはほとんどありませんでした。
同じような結果なら時間がかからない分流水解凍がおすすめです。
ちなみに茹でたオクラを冷凍したものの方が、生のオクラを冷凍したものよりも解凍時の味や食感がよかったので、冷凍保存自体は茹でてからがおすすめです。