ニラは鮮度の落ちやすい野菜なので、上手に保存しないとすぐに傷んでダメになってしまいます。そこで今回はニラの冷蔵庫での保存の仕方、冷凍庫での保存の仕方などを詳しく見ていくことにします。
さらに冷凍したニラの解凍の仕方や冷蔵・冷凍保存したニラを使った絶品レシピなども合わせて紹介します。
ニラはそのままだと乾燥しやすいので、保存する場合は水分が逃げないようにするのが長持ちさせるコツです。以下で詳しく解説しますが、新聞紙やラップ、ポリ袋などを活用するといいです。
ニラは水分が抜けて乾燥しやすい野菜の一つです。冷蔵庫で保存する場合はまずはキッチンペーパーを濡らします。これをこのようにニラの茎元に当てます。
これを密着させるようにこのようにまいていきます。これで茎元に水分を補給することができます。
あとはこのままポリ袋に入れて口を閉めます。これを冷蔵庫の野菜室で保存します。保存は5日ほど可能です。
ニラは乾燥に弱い野菜ですが、ポリ袋を固く締めてしまうと密閉されてしまい、ニラから出た水分が行き場をなくして今度は逆にむれてします。下の画像のようにポリ袋の口は軽く締めるようにしましょう。
ニラは下処理してから冷蔵庫で保存しておくのもいいです。下処理しておけば、使う際の料理の手間と時間を省くことができます。
まずはニラを小口切りにします。次に容器にニラ1束(100g)に対してしょうゆ大さじ6、砂糖大さじ1と1/3入れよく混ぜます。これにニラを加えてよく合えたら蓋をして冷蔵庫で保存します。これで1週間は保存ができます。
ニラはしょうゆにつけておくことでうまみもにじみてて、まろやかな風味となります。ニラはしょうゆとともに料理に使うといいです。ニラのしょうゆ漬けを使ったレシピは以下の下処理して冷蔵、冷凍したニラを使ったレシピで紹介します。
ニラはもやしと一緒に炒めてから冷蔵庫で保存してもいいです。やり方はまずはニラの根元を2〜3cmほど切り落としてから、4〜5cmの長さに切り分けます。
つぎにフライパンにごま油大さじ1/2ひいてから中火にかけ、ニラ1袋分(100g)ともやし1袋分(200g)を加えて1〜2分炒めます。
炒めたニラともやしは冷めるまで待ってから保存袋に入れ、冷蔵庫で保存します。これで3日は持ちます。
実際にニラを濡らしたキッチンペーパーで包み、ポリ袋に入れて冷蔵庫の野菜室で保存したらどのくらい鮮度は持つのでしょうか。
比較のためにそのままポリ袋に入れて保存した場合と、何もせずに保存した場合も一緒に試してみて、どのくらい違いが出るかで保存効果を検証してみることにします。
まずはそれぞれの保存方法での重さの変化です。
経過日数 | そのままのニラ | ポリ袋に入れたニラ | 濡らしたキッチンペーパーで包んだニラ |
---|---|---|---|
1日目 | 13.4g | 13.2g | 12.0g |
2日目 | 10.8g(-19.5%) | 13.0g(-1.6%) | 12.4g(+3.3%) |
3日目 | 12.8g(-3.1%) | 12.0g | |
5日目 | 11.3g(-14.4%) | 12.4g(+3.3%) |
何の対策もしてない方は水分が抜けて、2日目ですでに19.5%減少しています。ポリ袋に入れたほうは2日目はまだ1.6%減で済んでいますが、5日もすると14.4%も減少しています。
一方茎元を濡らしたキッチンペーパーで包んで保存した方は5日たっても減るどころかむしろ3.3%増えています。しっかり水分補給をしていたことで完走を大きく抑えることができています。
こちらは何もしないでそのまま冷蔵庫の野菜室で保存したニラです。左は初日の状態で、右は2日たったものです。
2日で大分ハリがなくなってきています。すでにだいぶ見た目にもハリがないのでこちらの検証は2日までとします。
手で持った時の1日目と2日目の変化はこんな感じです。2日目にハリが全然なくなっているのがわかるかと思います。
ちなみにハリがなく垂れ下がってしまったニラですが、再生法を実施すれば再びハリのある状態に戻すこともできます。やり方は簡単で、茎の付け根を水に浸けてその上からポリ袋をかぶせます。
これを冷蔵庫に入れ2日ほど置いておきます。これでこのように再びハリのある状態に戻ります。詳しい検証結果についてはしなびたニラが本当に元通りになるの?ニラの復活術、再生術を実践してみたでも解説しているので合わせて参考にしてみて下さい。
次はポリ袋に入れて野菜室で保存したニラの5日目までの変化です。こちらは見たところはそこまで大きく変化はしていません。
ちなみに手で持ったときの1日目と5日目の変化を並べるとこんな感じです。こちらも割とハリはありますが初日に比べると垂れてきています。
こちらは濡らしたキッチンペーパーで茎元を包んでからポリ袋に入れて保存したニラの1日目から5日目までの変化です。こちらもそんなに変化していないのがわかるかと思います。
それぞれの保存結果を並べるとこんな感じです。濡れたキッチンペーパーやポリ袋に入れた物に比べると、そのまま保存したニラの葉にはたった2日でもハリがなくなってきているのがわかるかと思います。
手で持ったときの1日目と5日目の変化はこんな感じです。1日目は葉先まで割とピンとしています。5日目になると少しハリがなくなってたれてきてはいますが比較的ハリは維持しています。
こちらもそれぞれの保存結果を並べるとこんな感じです。
濡れたキッチンペーパーで包んだものが最もピンとしていて、そのままポリ袋に入れたものはそれより少し垂れてきた感じです。何もせずそのまま保存した方がハリが全然なくて垂れてきています。
ニラはポリ袋に入れただけでも比較的ハリやみずみずしさを維持したまま保存できるのがわかりました。ただ濡らしたキッチンペーパーで茎元を包んで保存すれば、さらにしっかりと乾燥を抑えながら保存することができます。なのでおすすめなのはこちらの方法です。
ちなみにこちらの検証については以下の動画でも詳しく取り上げているので、併せて参考にしてみてください。
ニラの冷蔵保存でよく見かける方法で、ニラを食べやすい長さにカットしてから、水に浸けて野菜室で保存しておくという方法もあります。ただこれには問題もあります。
実際にこのようにニラをカットしてから水に浸けて5日間保存したものと、上記の茎元を濡らしたキッチンペーパーで包んでから5日間保存したものを食べ比べてみました。
見た目はどちらもしっかりとハリやみずみずしさがあります。ただ味の方は水に浸けて保存した方は少し味や風味、特にニラの独特の辛みが少し薄くなっていました。
水に浸けておくことでハリやみずみずしさは維持できますが、どうしても栄養成分が水に抜けてしまうのか、味や風味、辛味が落ちてしまうようです。
なのでやはりおすすめなのは茎元をキッチンペーパーで包んで保存する方法です。こちらの検証についてはニラを水につけて保存する方法は本当に効果があるの?味や栄養は落ちないの?検証したら意外な結果に!でも詳しく解説しているので、併せて参考にしてみてください。
ニラは加熱した後なら冷蔵庫での保存も可能です。まずはニラを根元から2〜3cmほど切り落としてから4cm幅に切り分け、ざるに入れます。
つぎにざるの上から熱湯を回しかけていきます。
水けをきって冷ましたらキッチンペーパーで表面の水分を拭き、ラップで包んで小分けします。あとは冷凍用保存袋に入れて金属トレイの上に乗せ、冷凍庫で保存します。これで1ヵ月は持ちます。
炒めたニラともやしは冷凍庫で保存もできます。冷蔵庫の場合と同様ニラともやしを炒めてから冷めるまで待ち、1回で使う分ごとにラップで包んでから冷凍用保存袋に入れます。
あとは金属トレイの上にのせて冷凍保存すれば1ヵ月は持ちます。
ニラは加熱処理してから冷凍保存したほうが、色や鮮度の落ちを抑えることができます。これはニラに含まれる酵素の働きによるもので、酵素は低温下ではその働きは鈍りますが、それでも徐々に味や鮮度は落ちていきます。そこで先に加熱処理をしておくことで、酵素の働きを抑え、冷凍保存の際の味や鮮度の落ちを抑えることができます。
冷凍保存では長期保存ができることから、ついつい使いそびれてしまい、あとになっていつ保存したのかがわからくなることもよくあります。保存したのがいつかわからないと、まだ大丈夫なのかどうかも判断しづらくなります。そこで冷凍保存する際に保存袋に保存した日付を記入しておきます。こうすればあとで見てもいつ保存したのかが一目でわかります。
冷凍用保存袋といえばジップロックが有名です。こちらはパック表面に保存する食品の名前と保存日を記載する項目があらかじめプリントされています。スーパーやホームセンターなどでも置いています。ネットでまとめて購入することもできます。サイズはS、M、Lとあります。
冷凍保存する際は保存袋の中の空気をしっかりと抜くことが大切です。空気は熱伝導率が低いので、たくさん残っているとその分冷凍にかかる時間も長くなります。少しでも早く冷凍させたいならできるだけ空気を残さないようにすることが大切です。
冷凍保存する際に大事なのはいかに素早く冷凍させるかです。そのためには食材をなるべく平らになるようにして保存袋に入れます。こうしておけば全体に均一に素早く冷凍することができます。また解凍する際もより早く解凍することが可能です。
冷凍保存するときは素早く冷凍することが大事です。冷凍に時間をかけるほど食品の鮮度も落ちていきます。冷凍する際は熱伝導率の高い金属トレイの上に乗せてやるといいです。こうすると通常よりも早く冷凍できます。 ニラの冷凍保存についてはニラの冷凍保存と失敗しない解凍のコツ、活用レシピも紹介でも詳しく解説しています。
湯通ししたニラは炒め物やおひたしにするなら、前日に冷蔵庫に移して自然解凍しておくといいです。解凍は常温よりも低温下で行った方が水分の流出も少なく、味や食感が落ちるのも抑えることができます。ちなみに下の画像は冷凍保存した湯通ししたニラです。
こちらを解凍すると下の画像のようになります。解凍して出た水けは捨てていいです。スープなどに加える場合は冷凍のままでもいいです。
炒めてから冷凍保存したニラともやしは、炒め物などに使うといいです。その際は解凍せずに冷凍のまま使っても問題ありません。ちなみに下の画像は冷凍した炒めたニラともやしです。
どうしても解凍するとニラはしんなりとしてもやしもシャキシャキ感は薄れます。味自体はそれほど変わりませんが、シャキシャキ感などを残したいなら保存期間は短いですが、冷蔵庫で保存したものを使うといいです。
下処理して冷蔵庫や冷凍庫で保存したニラを使ったレシピを紹介します。まずはしょうゆ漬けにして冷蔵庫で保存したニラを使ったレシピです。今回紹介するのは冷ややっこです。
作り方は簡単で絹豆腐に薬味としてニラのしょうゆ漬けをのせ、漬け醤油もかけてからかつお節を適量散らすだけです。
次もしょうゆ漬けにしたニラを使ったレシピです。紹介するのは蒸し鶏のニラ醤油です。使う材料は以下の通りです。
まず今回使う鶏むね肉は1枚350gと厚みがあります。厚みがあるのでレンジで中まで加熱するには時間がかかります。そうなると肉もパサ付きやすくなります。なのでレンジで熱が通りやすいように包丁で2枚に切り分けます。
つぎに切り分けた鶏むね肉をフォークで数か所刺し、塩とこしょう、酒をふりかけ下味を漬けます。
このままラップをして2分半加熱し、いったんラップを外して表裏をひっくり返し、ラップをしてさらに2分半加熱します。
加熱したらレンジのドアを閉め、ラップをつけたまま、5分ほど余熱で温めます。5分経って赤い部分が残っていたら30秒ほど追加で加熱してください。
ラップをはがして少し冷めるまで置いておき、斜めに削ぎ切りします。
鶏むね肉からにじみ出た汁は捨てずに、ニラのしょうゆ漬けを加えて軽く混ぜてソースにします。
あとは鶏むね肉を器に盛ってソースをかけたら出来上がりです。
もう一つしょうゆ漬けにしたニラを使ったレシピを紹介します。紹介するのは豚ニラ醤油チャーハンです。使う材料は以下の通りです。
まずはフライパンに油をひいて中火で熱し、豚ひき肉を炒めます。
肉の色が変わってきたらごはんも加えてほぐしながらよく炒めていきます。
ご飯がパラパラしてきたら、ニラのしょうゆ漬けとこしょうを加えて炒め合わせます。
あとは器に盛って紅しょうがを添えたら出来上がりです。
湯通しして冷凍庫で保存しておいたニラを使ったレシピをいくつか紹介していきます。まずはニラ入り肉豆腐です。使う材料は以下の通りです。
まずは木綿豆腐をキッチンペーパーか布巾で包み、その上に砂糖などの重しを入れたトレイをのせ、10分ほど置いて水切りします。
次にフライパンに油をひいて強火にかけ、豚肉ををいためます。焼き色がついてきたらめんつゆを加えてよく絡めます。
つぎに豆腐をちぎって加え、さっと炒めてから水100mlを加え、2分ほど煮ます。
塩を加えて味を調えてからニラをくわえ、さっと混ぜ合わせてから軽く煮たら完成です。
次も湯通しして冷凍庫で保存しておいたニラを使ったレシピです。紹介するのはニラの卵とじです。使う材料は以下の通りです。
まずはフライパンにサラダ油をひいて中火で熱してから、ニラを加えて炒めます。
ある程度火が通ったら調味料Aを加えて中火で煮ます。
再び一煮立ちしたら今度は溶き卵を菜箸などを使って少しずつ全体に垂らし入れます。
たまごに火が通ってきて半熟加減がなくなってきたら、火を止めて蓋をし5分ほどむらしてから器に汁ごと盛って出来上がりです。
つぎは炒めてから冷凍保存したニラともやしのレシピを紹介します。まずはニラともやしの炒め物です。使う材料は以下の通りです。
まずはにんにくを薄切りにします。次にフライパンにサラダ油をひいて弱火にかけ、薄切りにしたにんにくを香りが出るまでじっくり炒めます。
にんにくの色が変わってきたら冷凍したニラともやしを加えて炒めます。
ニラともやしがしっかり解凍してきたら、調味料Aを加えてよく混ぜ合わせ、全体に味回ってきたら出来上がりです。
つぎも冷凍保存した炒めたニラともやしを使ってレシピです。使う材料は以下の通りです。
まずは卵をよく溶きます。つぎにフライパンにごま油を大さじ1/2ひいて中火にかけ、溶いた卵を加えて大きく混ぜ、半熟程度に火が通ればいったん取り出します。
次にごま油大さじ1/2ひいて中火にかけ、冷凍のニラともやしを加えて炒めます。
ニラともやしがよく解凍してきたら、たまごを戻し入れて、調味料Aを加えてよく混ぜ合わせたら出来上がりです。
ニラの保存方法を保存期間を一覧表にしてみました。冷蔵保存の場合は濡らしたキッチンペーパーで包んでの保存と、しょうゆ漬けして保存、もやしと炒めてから保存することができます。冷凍保存の場合は湯通ししてから保存、もやしと炒めてから保存ができます。
保存方法 | 保存期間 |
---|---|
濡らしたキッチンペーパーで包んで冷蔵保存 | 5日 |
しょうゆ漬けにして冷蔵保存 | 1週間 |
もやしと炒めてから冷蔵保存 | 3日間 |
湯通しして冷凍保存 | 1ヵ月 |
もやしと炒めてから冷凍保存 | 1か月 |
ニラは傷みやすい野菜の一つです。一部分で茶色く変色し出してきた場合はそこをカットして食べることもできます。ただぬめりが出てきたり、異臭がしたり、身がドロッと解け始めてきている場合は食べられないので処分しましょう。
ニラを見分けるときは葉が濃い緑色でつやのあるもの、葉に幅があり肉厚なもの、切り口がみずみずしくて新鮮なものがいいです。下の茎の部分を手で持ったとき、ぴんと葉が経つものや指でつまんで弾力のあるものも良品です。くわしくはニラの見分け方・選び方、おいしさと鮮度を見分けるコツを紹介!で解説しています。
今回はニラの保存方法について詳しくまとめてみました。冷蔵庫で保存する場合もそれほぞ日持ちはしないので早めに使うようにしましょう。そのまま濡らしたキッチンペーパーで包んで保存する場合は5日間、しょうゆ漬けにしたり冷蔵保存する場合は1週間、もやしと一緒に炒めてから冷蔵保存する場合は3日ほど保存できます。
冷凍保存も可能で、湯通ししたりもやしと一緒に炒めてから冷凍保存すれば1か月は持ちます。保存しておいたニラを使った絶品レシピも紹介しているのであわせて参考にしてみてください。