HOME > 食品を上手に冷凍保存・解凍する方法 > にんじんを生のまま1本丸ごと冷凍・解凍したら味や食感はどうなる?検証したら驚きの結果に!
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にんじんはまるごと一本そのまま冷凍保存することは可能なのか、味や食感はどうなるのか、気になったので実際に試してみることにしました。
こちらは買ってきたばかりの新鮮な生のにんじんです。ハリつやもありみずみずしい状態です。
触ってみるとこんな感じで、しっかりとハリと固さがあります。
にんじんは生でもしっかりとした固さがあるので押してみてもへこみもしません。
それでは実際に生のにんじんを、1本まるごと冷凍してみることにします。金属トレイを用意してその上に乗せ、そのまま冷凍庫に入れて冷凍保存します。
金属は熱伝導率が高いので、その上ににんじんをのせて冷凍保存することで急速冷凍することができます。食品は急速冷凍した方が傷みが少ないといいます。
ある程度しっかり度中まで固くなったら、今度は冷凍用保存袋に入れて、そのまま冷凍保存します。
こちらは冷凍して3週間たったにんじんです。表面には霜がついて白っぽくなっています。
生のにんじんと比べるとこんな感じです。左は生のにんじんで右は冷凍したにんじんです。白く霜がついている様子がよくわかるかと思います。
触ってみるとこんな感じです。もともと固いにんじんですが、冷凍することでさらに固くカチカチになっています。中までしっかりと凍っているので叩いてみるとコンコンと音が鳴ります。こちらを解凍してみることにします。
それでは冷凍したにんじんを解凍してみることにします。まずはにんじんをポリ袋に入れます。このときストローなどで中の空気をしっかり抜くと、隙間がなくなり流水による解凍も早くなります。
コツはこのようにキュッと手でビニールを締めながらストローで中の空気を吸引します。しっかり空気が抜けるように2、3回吸引を繰り返します。
あとは空気が漏れないように抑えながら、ポリ袋をねじり、このまましめます。これでこのように密封に近い状態になります。
この状態でこのように流水にさらしながら解凍していきます。
水温は27度くらいで、大体20分ほどで中までしっかりと解凍できました。
こちらが流水解凍したにんじんです。見た感じでは生の時と比べると若干ハリがないように見えます。
並べてみるとこんな感じです。左は生のにんじんで、真ん中は冷凍したにんじん、右は冷凍してから流水解凍したにんじんです。並べると若干見た目にハリがなくなってきてるいるのがわかるかと思います。
触ってみると生の時とは違い、このようにだいぶ柔らかくなっていました。当初の固さはなくなり、ふにゃふにゃになっています。
並べるとこんな感じです。左は生のにんじんで、右は冷凍してから流水解凍したまるごと1本のにんじんです。流水解凍したものはこのように固さがなくなり、ぐにゃっと曲がってしまっています。
指で押さえてもこのように指が沈み、柔らかくなっているのがわかるかと思います。また抑えるとじわっと水分もにじみ出てきます。
並べるとこんな感じです。左は生のにんじんで、右は冷凍してから流水解凍したまるごと1本のにんじんです。流水解凍したものの方が指が沈み込んでいるのがわかるかと思います。
カットした断面はこんな感じです。色が暗くなっている感じがします。
生のにんじんと並べるとこんな感じです。左は生のにんじんの断面で、右は流水解凍したにんじんの断面です。生の方は冷凍して流水解凍したものに比べるとだいぶ色が鮮やかです。
肝心の味ですが、まずは生のにんじんをこのように食べやすいように輪切りにカットしました。味の方はにんじんの味や甘みがしっかりあり、食感も野菜スティックを食べているように感じでよかったです。
一方こちらは冷凍して解凍したにんじんを輪切りにカットしたものです。こちらは食べて見ると全体的に味は薄くなっていて、その分にんじん臭さが強調されて、正直おいしくはありませんでした。
食感もしなっとしていてよくありませんでした。まるごとにんじんを冷凍して解凍すると味、食感ともに大きく落ちてしまうようです。
それぞれの味や食感の特徴をまとめるとこんな感じです。
正直このまま食べるのはなかなかの苦行だなと思ったので、試しに炒めてから食べてみることにしました。フライパンにさっと油を引き、生のにんじんと冷凍して解凍したにんじんを輪切りにしたものをそれぞれ炒めてみました。
こちらは生のにんじんを炒めたものです。炒めることで甘みが増し、かなりおいしかったです。食感も柔らかくなっていてよかったです。
一方こちらは冷凍してから解凍したにんじんを炒めたものです。炒めることで少し甘みが出てきましたが、生のにんじんほどではなく、にんじん臭さもだいぶ残っていて、あまりおいしくはありませんでした。
食感は柔らかくはなりましたが、しなしなっとした食感が残っていて食感もあまりよくはありませんでした。それでも流水解凍したものよりは味、食感ともにマシにはなっています。なのでにんじんを生で丸ごと冷凍した場合は、炒めてから食べたほうがよさそうです。
それぞれの味や食感の特徴をまとめるとこんな感じです。
ちなみに今回の検証についてはこちらの動画でも取り上げているので、よかったら合わせて参考にしてみてください。
生のまま丸ごとにんじん1本を冷凍するのはあまりお勧めしませんが、それではにんじんを冷凍したい場合はどうすればいいのでしょうか。
にんじんを冷凍保存する場合は、まずは用途に合わせてカットします。カットしたにんじん100gあたりで大さじ1ほどの水を振りかけ、600Wなら1分40秒、500Wなら2分レンジで加熱します。
冷めてからキッチンペーパーで水けをふき取り冷凍用保存袋に入れます。これで冷凍すれば味や食感をかなり維持したまま冷凍保存が可能です。詳しくはにんじんの冷凍保存、生のままとレンジで加熱、どっちが正解か検証したら意外な結果に!で解説しているので、併せて参考にしてみてください。
今回はにんじんを丸ごと1本、生のままそのまま冷凍して解凍したら、味や食感はどうなるのかを検証してみました。結果は丸ごと生のまま冷凍して流水解凍すると、味や食感はかなり落ちてしまいます。
フライパンで炒めることで多少は味、食感ともにマシにはなりますが、生のにんじんと比べるとだいぶ味、食感は落ちます。なのでにんじんは生で丸ごと1本冷凍するのはおすすめしません。
冷凍するならカットしてから加熱調理し、冷ましてから冷凍保存するようにしましょう。