菜の花も上手に保存することで長持ちするといいますが、本当なのでしょうか。気になったのでよく言われている菜の花の保存方法を実際に試してみて、その保存効果を検証してみることにします。
今回は比較のために何もしないで保存した場合はどうなるかも合わせてみていきます。
まずは今回試す保存方法を紹介します。ポリ袋を用意してそこに菜の花を入れ、軽く口をしめます。こうすることで冷蔵庫の野菜室で保存しても冷風による乾燥を防ぐことができます。
あとは冷蔵庫の野菜室で立てて保存します。これで5日間ほど保存ができるといわれています。
まずは初日の状態です。初日の菜の花は葉にハリもあり、みずみずしくて濃い緑色です。つぼみもよく締まっています。
こちらは2日目です。特に大きな変化は見られません。
こちらは3日目です。特に見た目に大きな変化は見られません。
こちらは5日目です。葉にはハリがありみずみずしい状態も維持しています。
ただつぼみの部分は一部で黄色い花が開花してしまっています。
アップにするとこんな感じです。つぼみが開いて黄色い花がでてきているのがわかるかと思います。
並べるとこんな感じです。左上が初日のポリ袋に入れて保存する菜の花で、右上は2日目のもの、左下は3日目のもの、右下は5日目のものです。一部で花が咲いているのがわかるかと思います。
冷蔵庫の野菜室という低温下での保存だったので、まさか5日目で花が出てしまうとは意外でした。
次は重さの変化を見ていきます。まずは1日目です。1日目の重さは18.2gです。
2日目の重さは18.1g(-0.6%)、3日目の重さは18.0g(-1.1%)、5日目の重さは17.7g(-2.8%)です。乾燥対策をしていたので、重さの減りは比較的抑えられています。
経過日数 | 重さ(増減率) |
---|---|
初日のポリ袋に入れて保存する菜の花 | 18.2g |
2日目のポリ袋に入れて保存した菜の花 | 18.1g(-0.6%) |
3日目のポリ袋に入れて保存した菜の花 | 18.0g(-1.1%) |
5日目のポリ袋に入れて保存した菜の花 | 17.7g(-2.8%) |
次はポリ袋に入れる前に先に新聞紙で包み、霧吹きで軽く湿らせます。これをポリ袋に入れ軽く口をしめ、野菜室で保存しますこちらも5日間は保存ができるといわれています。
まずは初日の状態です。ハリがあってみずみずしいです。
こちらは2日目です。特に大きな変化は見られません。
こちらは3日目です。特に大きな変化は見られません。
こちらは5日目です。それほど変化はなく葉にはハリやみずみずしさがあります。
つぼみの部分を見ても、開花せずに閉じた状態を維持できています。
並べるとこんな感じです。左上が初日の新聞紙とポリ袋に入れて保存する菜の花で、右上は2日目のもの、左下は3日目のもので、右下は5日目のものです。並べてもそんなに変わっていないのがわかるかと思います。
そのままポリ袋に入れた方と比べるとこんな感じです。黄色い花の開花の有無がよくわかるかと思います。
ちなみに湿らせていた新聞紙が2日目にはこのように乾いていたので、再び軽く霧吹きで水を吹きかけ、湿らせてから包みなおしました。2〜3日に一度は確認してみて、乾いていたら再び湿らせるようにするといいです。
次は重さの変化を見ていきます。まずは1日目です。1日目の重さは18.2gです。
2日目の重さは19.8g(-1.0%)、3日目の重さは19.5g(-2.5%)、5日目の重さは19.5g(-2.5%)です。こちらも重さの減りは比較的抑えられています。
経過日数 | 重さ(増減率) |
---|---|
初日の新聞紙とポリ袋に入れて保存する菜の花 | 20.0g |
2日目の新聞紙とポリ袋に入れて保存した菜の花 | 19.8g(-1.0%) |
3日目の新聞紙とポリ袋に入れて保存した菜の花 | 19.5g(-2.5%) |
5日目の新聞紙とポリ袋に入れて保存した菜の花 | 19.5g(-2.5%) |
比較のために、何もしないでそのまま冷蔵庫の野菜室で保存する方法も試してみます。まずは1日めです。
こちらは2日目です。見た目にかなりしなっとしてきています。
こちらは3日目です。こちらは2日目からさらにしなっとしてしなびれてきています。さすがにかなり乾燥してしまっているので、そのまま保存するの方の検証は3日目までにします。
並べるとこんな感じです。左が初日のそのまま保存する菜の花で、真ん中は2日目のもの、右は3日目のものです。1日経過するごとにどんどんしなびれて行ってるのがわかるかと思います。
その他の保存方法との保存結果を並べるとこんな感じです。そのまま保存した菜の花の乾燥具合がわかるかと思います。
持ってみるとこんな感じでだらんと垂れ下がってしまいます。
こちらはハリがあってぴんと立った菜の花です。
並べるとこんな感じです。違いがよくわかるかと思います。
次は重さの変化を見ていきます。まずは1日目です。1日目の重さは16.0gです。2日目は12.1g(-24.4%)、3日目は9.7g(-39.4%)です。こちらはそのまま保存したのでかなり重さが減っています。
経過日数 | 重さ(増減率) |
---|---|
初日のそのまま保存する菜の花 | 16.0g |
2日目のそのまま保存した菜の花 | 12.1g(-24.4%) |
3日目のそのまま保存した菜の花 | 9.7g(-39.4%) |
それぞれの保存方法での重さの変化を並べるとこんな感じです。そのままで保存した菜の花の重さの減りがかなり多いのがわかるかと思います。
ちなみにしなびてしまった菜の花も、再生させて再びハリやみずみずしさを取り戻すこともできます。このようにペットボトルに水を入れ、しなびた菜の花を水に浸けておくという方法です。
これで野菜室で1日置いておくとこのように1日でかなりハリが元に戻ります。
5日目で開花の有無で違いが見られましたが、味の方はどうなっているのでしょうか。気になったので、それぞれ茹でてから食べ比べてみました。
まずは鍋に水と水1リットルに対して塩小さじ1を加えて火にかけます。沸騰したら菜の花の太い茎の方を先に浸けて30秒ほど茹でます。
さらに全体をつけてから40秒茹でます。茹でたらさっと水にさらし、水けを絞ります。
こちらは新聞紙とポリ袋に包んで保存した方で、まだ花がひらいていない方です。なばなの味がしっかりとしておいしかったです。
こちらはポリ袋で保存して、1か所花がひらいてしまっていた方を茹でたものです。食べて見ましたが、開花してない方と比べてもそんなに味の違いは感じられませんでした。
花が咲いてくると苦みが出てきてしまうといわれていますが、まだ1か所程度ならそんなに差はないようです。
ちなみに今回の検証については以下の動画でも詳しく取り上げているので、併せて参考にしてみてください。
菜の花はゆでてから冷凍庫で保存してもいいです。まずは鍋に水を入れ、水1.5リットルに対して大さじ1/2の塩を加えて火にかけます。
沸騰したらまずは茎の部分を湯につけて30秒ほど茹でます。
葉の部分も浸してさらに40秒茹でたら鍋から上げます。
冷水にさらしてから水けをしぼります。冷めるまで待ち、冷めたらキッチンペーパーで押さえて水けをふき取り、適当な大きさにカットします。
あとは冷凍用保存袋に平らになるように入れ、冷凍保存します。これで1か月は保存ができます。
ちなみに菜の花は常温でも保存ができるのかどうかも試してみました。冷蔵保存と同じようにポリ袋に入れて室内で常温保存しました。
1日目はこんな感じです。つぼみも開いてなくてハリつやもしっかりとあります。
こちらは5日目です。ハリつやはしっかりありますが、このようにつぼみがかなり開いてしまいました。冷蔵保存してもつぼみは開いてしまいましたが、こちらは開き具合や開いている蕾の数はさらに多いです。
やはり菜の花は冷蔵保存よりも常温で保存した方が蕾の開花が進んでしまうようです。なので保存自体はできないことはありませんが、蕾の開花をより抑えたいなら冷蔵庫での保存をおすすめします。
常温保存での失敗談については菜の花(なばな)の蕾が開いて黄色い花が!間違った保存法でこんなことに!ちなみにまだ食べれるの?でも詳しく解説しているので、こちらも参考にしてみてください。
菜の花を少しでも長く日持ちさせたいならまずは購入段階でしっかりといいものを選ぶことも大切です。菜の花はつぼみが開いてなくて締まっているものがいいです。
葉は鮮やかでハリつやがありみずみずしいもの、茎の切り口もみずみずしいものが新鮮です。菜の花の詳しい見分け方については菜の花の見分け方・選び方、おいしさと鮮度を見分けるコツを紹介!で解説しています。
今回は菜の花の保存法が本当に効果があるのかどうかを検証しました。菜の花も何もせずにそのまま野菜室で保存すると乾燥が進み、たった3日でかなりしなびてしまいます。
一方ポリ袋に入れて保存すれば、5日たってもハリやみずみずしさをしっかりと維持できます。ただそれでも一部でつぼみから花がひらいてしまいました。低温で保存しても、日数の経過で開花は進んでしまうようです。
しかしながら、ポリ袋に加えて新聞紙で包んで保存した方は、5日目でもまだ開花は見られませんでした。ただ一部の開花程度なら味もたいして変わらないので、新聞紙で包んでから霧吹きで湿らせる手間を省きたいなら、ポリ袋にそのまま入れて保存する方法でもいいです。
手間はかかりますがしっかりと開花を抑えたいなら新聞紙とポリ袋に入れて保存する方法をおすすめします。