モロヘイヤは比較的鮮度が落ちやすい野菜で、そんなに長持ちはしません。ただ上手に保存することで保存期間を長くすることができるそうです。
実際にどの程度効果があるのかが気になったので、モロヘイヤの保存方法を実際に試してみて、その保存効果を検証してみることにします。
今回は比較のために何もしないで保存した場合はどうなるかも合わせてみていきます。
今回は2つの保存方法の効果を検証します。モロヘイヤは乾燥しやすいので、保存する場合は湿らせたキッチンペーパーで包んでからポリ袋に入れ、軽く口を閉めて立てて冷蔵庫の野菜室で保存します。保存は4〜5日ほど可能だといいます。
次はキッチンペーパーでは包まず、そのままポリ袋に入れ、口をしめて冷蔵庫の野菜室で立てて保存します。こちらの方法でも4〜5日は保存ができるといいます。
最後に上の2つの保存方法との比較のために、何もしないでそのまま冷蔵庫の野菜室で保存する方法も試してみます。こちらと上の2つの方法とで、鮮度にどのような違いが出るのかを詳しく見ていきます。
まずはモロヘイヤをキッチンペーパーで包んで湿らせ、ポリ袋に入れてから野菜室で保存したときの見た目の変化を見ていきます。
まずは初日の状態です。初日のモロヘイヤは濃い緑色でツヤがあり、葉が先までピンとしていてしっかりとハリもあります。
こちらは2日目です。2日経っても全く変化は見られません。むしろ初日よりもみずみずしさが増してるようにさえ見えます。
こちらは3日目です。3日経っても特に大きな変化もなく、葉もハリがありみずみずしいままです。
こちらは5日目です。5日たってもしなびてきた様子は見られず、しっかりと葉にハリやみずみずしさがあります。
このように手で持ってみてもハリがあるので、まっすぐにピンと立ちます。
並べるとこんな感じです。左上が湿らせたキッチンペーパーで包んで保存するモロヘイヤ1日目で、右上は2日目のもの、左下は3日目のもので右下は5日目のものです。並べてみても初日から変わっていないのがわかるかと思います。
重さの方は1日目は6.2gです。
2日目の重さは6.3gで、初日の6.2gからは逆に1.6%増加しています。
3日目の重さは6.4gで、初日の6.2gからは3.2%増加しています。
ちなみにキッチンペーパーはこのように乾いてきていたので、再び湿らせてから包みなおしました。
5日目の重さは重さは6.1gで、初日の6.2gからは1.7%しか減っていません。
経過日数 | 重さ(増減率) |
---|---|
初日のキッチンペーパーで包んで保存するモロヘイヤ | 6.2g |
2日目のキッチンペーパーで包んで保存したモロヘイヤ | 6.3g(+1.6%) |
3日目のキッチンペーパーで包んで保存したモロヘイヤ | 6.4g(+3.2%) |
5日目のキッチンペーパーで包んで保存したモロヘイヤ | 6.1g(-1.7%) |
次はモロヘイヤをそのままポリ袋に入れ、野菜室で保存したときの変化を見ていきます。
まずは1日目です。
こちらは2日目です。一部で葉の端が内側にめくれてきている部分がありますが、全体的にはしっかりとハリがあり、そんなに変化は見られません。
こちらは3日目です。若干ですが前日よりもハリやつやがなくなってきています。
こちらは5日目です。さすがに5日目にもなると葉もややしなっとしてきています。ただ比較的ハリやみずみずしさは維持しています。
並べるとこんな感じです。左上がポリ袋に入れて保存するモロヘイヤ1日目で、右上は2日目のもの、左下は3日目のもので右下は5日目のものです。こちらは少しずつですが葉がしなっとしてきています。
ちなみに湿らせたキッチンペーパーで包んでからポリ袋に入れて5日間保存したモロヘイヤと比べるとこんな感じです。そのままポリ袋に入れて保存したモロヘイヤの方が、葉にハリがないのがわかるかと思います。
重さの方は1日目は12.6gです。
2日目の重さは12.1gで、初日の12.6gからは4.0%減少しています。
3日目の重さは11.6gで、初日の12.6gからは8.0%減少しています。
5日目の重さは10.8gで、初日の12.6gからは14.3%減少しています。
経過日数 | 重さ(増減率) |
---|---|
初日のポリ袋に入れて保存するモロヘイヤ | 12.6g |
2日目のポリ袋に入れて保存したモロヘイヤ | 12.1g(-4.0%) |
3日目のポリ袋に入れて保存したモロヘイヤ | 11.6g(-8.0%) |
5日目のポリ袋に入れて保存したモロヘイヤ | 10.8g(-14.3%) |
最後にそのまま野菜室で保存したときの変化を見ていきます。まずは1日目です。
こちらは2日目です。まだ2日目ですがかなりしなびれてしまっています。
こちらは3日目です。かなり乾燥が進み、ぱさぱさになってしまっています。さすがにすでに相当乾燥してしまっているので、そのまま保存するモロヘイヤの検証はここまでとします。
並べるとこんな感じです。左が初日のそのまま保存するモロヘイヤで、真ん中は2日目のもの、右は3日目のものです。1日ごとにかなりしなびれて行っているのがわかるかと思います。
ちなみに3日目のそのまま保存したモロヘイヤと、ポリ袋に入れて保存したモロヘイヤ、湿らせたキッチンペーパーとポリ袋に入れて保存したモロヘイヤを並べるとこうなります。
並べるとそのまま保存したモロヘイヤのしなびれ具合がよくわかるかと思います。一方ポリ袋に入れたものは、比較的ハリやみずみずしさを維持してはいますが、初日に比べるとしなっとしています。
一方湿らせたキッチンペーパーとポリ袋に入れたものは、ほとんど初日と変わらないほどハリとみずみずしさを維持しているのがわかるかと思います。
重さの方は1日目は7.9gです。
2日目の重さは4.8gで、初日の7.9gからは39.3%も減少しています。
3日目の重さは3.4gで、初日の7.9gからは57.0%も減少しています。
経過日数 | 重さ(増減率) |
---|---|
初日のそのまま保存するモロヘイヤ | 7.9g |
2日目のそのまま保存したモロヘイヤ | 4.8g(-39.7%) |
3日目のそのまま保存したモロヘイヤ | 3.4g(-57.0%) |
ちなみに3日目のそのまま保存したモロヘイヤと、ポリ袋に入れて保存した5日目のモロヘイヤ、湿らせたキッチンペーパーとポリ袋に入れて保存した5日目のモロヘイヤの初日からの重さの変化を並べるとこうなります。
重さの減りはそのままがかなり多いです。ポリ袋に入れたものもだいぶ減っています。一方で湿らせたキッチンペーパーとポリ袋に入れたものは、ほとんど減っていません。
ちなみに今回の検証については以下の動画でも詳しく取り上げているので、併せて参考にしてみてください。
モロヘイヤは生での冷凍には向きませんが、茹でてからなら冷凍保存することができます。まずはモロヘイヤを茎と葉に分けます。モロヘイヤは育ちすぎていないものなら茎まで食べられます。茎は根元の方は固いので3分の1ほどカットします。
鍋に水を入れ水1リットルに対して小さじ1/2の塩を加えて火にかけます。沸騰したらまずは茎を入れて1分茹でます。
つぎに葉を加えて30秒茹でます。
冷水に取り出してから水けを絞り、包丁で細かく刻みます。
刻んだモロヘイヤを平らになるように冷凍用の保存袋に入れ、金属トレイの上にのせて冷凍保存します。これで1ヵ月は保存ができます。
モロヘイヤはさやや種に毒性がありますが、食品安全委員会によると野菜として売られているモロヘイヤの場合、毒性のある部分は取り除かれているとコメントしています。なので安心して茎まで食べても大丈夫です。
家庭菜園のモロヘイヤの場合は、毒性のある部分がしっかり取り除かれているかどうかの判断が難しいので、茎は食べずに葉だけの利用にとどめましょう。
モロヘイヤは生のまま冷凍保存するよりも、加熱調理してから冷凍保存した方が保存性は高まります。生のモロヘイヤには腐敗を進める酵素が含まれていて、この酵素は低温化だとその働きも弱まるのですが、それでも長期保存では徐々に腐敗が進んでいきます。そこであらかじめ加熱処理してこの酵素を壊しておくことで、冷凍保存での保存性が高まります。これをブランチングといいます。
冷凍保存は長期保存ができるので気づいたときにはいつ保存したのか忘れがちです。そこで保存袋に保存した日と何を保存したのかを記入しておくと後で簡単に確認することができて便利です。ジップロックなどの保存袋には保存日を記載する欄が設けてあります。
ちなみに冷凍用保存袋といえばジップロックが有名ですが、こちらはあらかじめ保存袋の表面に日付や保存する食材名を記入する欄がプリントされています。ジップロックはS、M、Lとサイズがあり、スーパーやドラッグストアなどでも売っていますが、ネットでまとめて購入することもできます。
食品の冷凍で大事なのはいかに早く冷凍するかですが、そのためにも保存する際は食材をなるべく薄く平らにして保存しましょう。こうすると素早く均一に冷凍することができます。また解凍時の時間も短縮することができます。
冷凍保存するときはいかに早く冷凍させるかが食品の鮮度を保つうえで大切です。食品を素早く冷凍したいなら下に熱伝導率が高い金属トレイにのせて冷やすといいです。
にらは和え物などに使うなら、前日に冷蔵庫に移して自然解凍しておくといいです。解凍は常温よりも低温下で行った方が水分の流出も少なく、味や食感が落ちるのも抑えることができます。ちなみに下の画像は冷凍した茹でたモロヘイヤです。
こちらを冷蔵庫で自然解凍すると以下の画像のようになります。
モロヘイヤをスープや炒め物などに使う場合は冷凍のままでもいいです。
冷凍保存したモロヘイヤを使ったレシピを紹介します。まずは茹でたモロヘイヤを使ったレシピです。今回紹介するのはモロヘイヤのおひたしです。使う材料は以下の通りです。
茹でてから刻んだものを冷凍したモロヘイヤは、自然解凍しておきます。まずはボールに茹でて刻んだモロヘイヤを入れます。
つぎにかつお節、しょうゆ、みりん、チューブわさびを加えてよく混ぜ合わせたら出来上がります。
次にモロヘイヤと納豆の和え物を紹介します。こちらも冷凍した茹でたモロヘイヤは、前日に冷蔵庫に移して自然解凍しておくといいです。使う材料は以下の通りです。
まずは納豆のパックを開け、付属のしょうゆを加えてよく混ぜます。
つぎにボールかお椀にモロヘイヤと納豆をくわえます。
そこにしょうゆとみりんを加えてよく混ぜ、卵の黄身も加えてよく混ぜます。最後に七味唐辛子を振りかけたら出来上がりです。
次はモロヘイヤとトマトのスープを紹介します。使う材料は以下の通りです。冷凍した茹でたモロヘイヤは冷凍のまま使ってもかまいません。
まずはトマトのおしりに包丁で十字の切り込みを入れ、熱湯に20秒つけます。こうすると十字の切れ目から皮が簡単にむけます。後は小さめにざく切りにします。
たまねぎとにんにくはみじん切りにしておきます。
鍋にオリーブオイルを引いて中火にかけ、たまねぎとにんにくがしんなりしてくるまで炒めます。
トマトも加えてざっと炒めます。
さらに水と顆粒スープのもとも加えて10分ほど煮込みます。
モロヘイヤを加えてよく混ぜ合わせ、一味唐辛子、塩、こしょうで味を調えたら出来上がりです。
モロヘイヤはそれほど保存のきく野菜ではありませんが、冷蔵庫の野菜室なら4〜5日は保存が可能です。ただ冷蔵庫がいっぱいで入らない場合などで、常温保存のした時にはどのくらい持つのでしょうか。
常温保存の場合は同じようにポリ袋に入れ、新聞紙を敷いたダンボールの中に立てかけて保存します。常温保存でも保存できないことはありませんが、野菜室で保存したものよりも鮮度の落ちが早く、2、3日ぐらいが限度です。
モロヘイヤを少しでも長く日持ちさせたいならまずは購入段階でしっかりといいものを選ぶことも大切です。モロヘイヤは葉が濃い緑色でツヤがあり、葉にハリがあってピンとしているもの、茎は弾力があって適度に柔らかいものがいいです。
葉の裏は葉脈がハッキリしていて、切り口はみずみずしいもの、持った時に全体的にハリがあってピンとしているものも良品です。モロヘイヤの詳しい見分け方についてはモロヘイヤの見分け方・選び方、おいしさと鮮度を見分けるコツを紹介!で解説しています。
今回はモロヘイヤの保存方法が本当に効果があるのかを検証してみました。結果は明らかで、何もしなければ2日目でかなりしなびてしまいます。一方ポリ袋に入れて保存すれば、5日目で、少ししなびてはきますが、それでもかなりハリやみずみずしさを維持したまま保存ができます。
最も効果的だったのは湿らせたキッチンペーパーで包んでからポリ袋に入れ、野菜室で保存したものです。こちらは5日たっても初日と変わらないハリやみずみずしさを維持していました。なので保存するならこちらの方法をおすすめします。