芽キャベツは見た目がキャベツによく似ていますが、大きさが全然違います。どちらもおなじアブラナ科アブラナ属の野菜なのですが、芽キャベツはキャベツが大きくなる前の未成熟のものというわけではなく、芽キャベツとしてキャベツの仲間のケールから品種改良されたものです。
きゃべつと芽キャベツは名前だけでなく様々な違いがあります。そこで今回は芽キャベツとキャベツがどのように育つのか、品種改良の歴史や大きさや重さの違い、含まれる栄養素の違いなどを詳しく見ていくことにします。そして芽キャベツとキャベツのよく合う料理なども取り上げます。
きゃべつは芽が伸び葉が結球していき大きな塊となります。一つの株から取れるのはキャベツ1玉です。
それに対して芽キャベツはまず通常のキャベツよりも茎が長くのび、その先で大きな葉が開きます。大きな葉は結球せず開いています。芽キャベツはその長い茎の側面から伸びる脇芽と呼ばれる部分が小さなキャベツのように結球したものです。
茎の側面からは下の画像のようにいくつもの脇芽が伸び、結球してたくさんの芽キャベツが育ちます。キャベツが一つの株から一玉しか取れないのに対し、芽キャベツは一つの株からたくさんとれます。
キャベツ自体は有史以前から利用されてきた野菜です。当初は非結球性で葉が広がっていましたが、品種改良により徐々に結球していき、13世紀ごろにはヨーロッパ全土に結球型キャベツが広がっていきました。キャベツが日本に入ってきたのは18世紀にオランダからですが、あまり普及せず、本格的に普及しだしたのは明治期に多くの品種が入ってきてからです。
現在のキャベツの起源とも言われているのがケール、別名葉キャベツで、こちらからベルギーで16世紀ごろに品種改良して作られたのが芽キャベツです。起源から英語では「Brussels sprouts」といわれています。芽キャベツが日本に入ってきたのは明治期に入ってからです。
芽キャベツの大きさは3cm〜4cmとキャベツと比べるとかなり小さいです。
重さは19.1gほどです。
これに対して通常のキャベツの大きさは縦11cm、横19cmとかなり開きがあります。
また重さも1002.6gと芽キャベツの50倍ほどの重さにになります。
下の画像のように芽キャベツとキャベツを並べて比較すると大きさがわかりやすいかと思います。芽キャベツはキャベツと比べると非常に小さいことがわかるかと思います。
結球した芽キャベツの葉を1枚はいだのが以下の画像です。芽キャベツ自体小さいので葉もこじんまりとしています。中心の白い芯の割合が多く、境目もキャベツほどはっきりとはしていません。小さいため細かなしわもキャベツほどありません。
次にキャベツの葉ですが、1枚が大きく中心の芯から細かな幹がたくさん伸びています。葉が大きい分しわの入り方も多くなっています。
芽キャベツもキャベツも同じキャベツの仲間なので含まれる栄養素も似ています。両者に共通して多く含まれるのがビタミンCと葉酸とカリウムです。
ビタミンCは抗酸化作用により体を老化や酸化から守ってくれます。肌のはりや潤いを担うコラーゲンの合成にもかかわります。このビタミンCはキャベツと芽キャベツどちらも非常に多く含まれているのですが、特に芽キャベツのビタミンCの量は100gあたりでキャベツの4倍の160mgも含まれています。
この量は成年男女が1日に必要なビタミンCの量100mgを上回っています。ビタミンCについてはビタミンCの多い食品・食べ物と含有量一覧で解説しています。
食品名 | ビタミンC含有量(mg/100g) |
キャベツ | 41mg |
芽キャベツ | 160mg |
葉酸は貧血や動脈硬化の予防、胎児や子供の成長には欠かせない栄養素です。この葉酸も芽キャベツにはキャベツの3倍含まれています。葉酸については葉酸の多い食品・食べ物と含有量一覧で解説しています。
食品名 | 葉酸含有量(μg/100g) |
キャベツ | 78μg |
芽キャベツ | 240μg |
カリウムは高血圧や動脈硬化の予防に効果のあるミネラルの一つです。このカリウムも芽キャベツはキャベツの3倍含んでいます。カリウムについてはカリウムの多い食品・食べ物と含有量一覧で解説しています。
食品名 | カリウム含有量(mg/100g) |
キャベツ | 200mg |
芽キャベツ | 610mg |
芽キャベツはキャベツに比べると味は濃厚でややくどいです。シチューや炒め物、ゆでもの、漬物などの料理に使います。半分に切ってソテーして肉や魚料理の付け合わせにもあいます。
きゃべつはサラダ、ロールキャベツ、酢の物、和え物、煮物、炒め物、シチュー、スープなど料理の幅は広いです。
芽キャベツは大きなスーパーなどに行けば置いてあることもありますが、小さなスーパーだとなかなか目にする機会が少ないものです。また出荷のシーズンである11月から3月を過ぎると、大きなスーパーでも見かける機会がぐんと減ります。
芽キャベツは輸入物もあるので、出荷シーズン以外だと輸入物を置いてあるところもありますが、やはり見かける機会は少ないです。
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きゃべつは有史以来利用されてきた野菜で、品種改良により現在のような結球したものへと変わっていきました。芽キャベツも品種改良により誕生したもので、その歴史は16世紀ごろとキャベツに比べると歴史は浅いです。
最大の違いはその大きさです。芽キャベツはキャベツに比べると非常に小さいです。生育の仕方もことなり、きゃべつは1株に一つのキャベツが実りますが、芽キャベツは1株にたくさんの芽キャベツが実ります。
味は芽キャベツの方がやや濃厚でくどさがあります。