芽キャベツはキャベツの一種で品種改良により小型化されたキャベツです。味はキャベツによく似ていますが、より濃厚でやや苦さもあります。今回は芽キャベツの保存方法について冷蔵庫での保存や冷凍庫での保存、カットしたものの保存方法などを詳しく見ていきます。
芽キャベツは常温での保存には向いていません。冷蔵庫での保存で1週間、冷凍庫だと1ヵ月の保存が可能です。下の表は各保存方法と保存期間の一覧です。
保存方法 | 常温 | 冷蔵 | 冷凍 | 漬物 | 乾物 | 土中 |
---|---|---|---|---|---|---|
保存期間 | - | 1週間 | 1ヵ月 | - | - | - |
芽キャベツはキャベツの仲間で、高原など寒冷地で栽培される野菜です。そのため寒さには強い反面、暑さには弱いので常温での保存には適していません。保存するなら冷蔵庫で保存か、調理して冷凍庫で保存するようにしましょう。
芽キャベツもキャベツと同様、水分が抜けると鮮度の落ちも早くなります。したがって保存するときはポリ袋に入れ、口を軽く締めて冷蔵庫で保存します。保存は2週間ほど可能です。
芽キャベツをポリ袋に入れて保存するときは口を堅くしめないようにしましょう。芽キャベツは適度な水分は大事ですが、ポリ袋を固くしめると密閉されてしまい、中がむれてしまいます。しめるときは以下の画像のように軽く口をしめるようにしましょう。
芽キャベツはカットした後でもなお成長しようと呼吸しています。その分余計に栄養分が消費され鮮度が落ちるのも早くなります。そこで芯に切れ込みを入れておくことで芯の成長を抑えることができます。
実際にポリ袋に包んで冷蔵庫の野菜室で保存した場合やさらに芯に切れ目を入れて保存した場合、どのくらい鮮度は持つのでしょうか。気になったので実践してみることにしました。
比較のために何もせずそのまま野菜室で保存した場合も一緒に検証しました。結果は以下の通りです。
経過日数 | そのままの芽キャベツ | ポリ袋に入れて保存の芽キャベツ | 芯に切れ目を入れて保存の芽キャベツ |
---|---|---|---|
1日目 | 7.1g | 6.9g | 7.1g |
3日目 | 5.6g(-21.1%) | 6.9g | 7.0g(-1.5%) |
1週間目 | 3.9g(-45.1%) | 6.5g(-5.8%) | 6.5g(-8.5%) |
2週間目 | 6.4g(-7.3%) | 6.5g(-8.5%) |
何の対策もしてない方は水分が抜けて、1週間目には重さが45.1%も減少しています。一方でポリ袋に入れて野菜室で保存した方は2週間目でも-7.3%、さらに芯に切れ目を入れて保存した方は-8.5%で済んでいます。
やはり乾燥対策にはしっかりとポリ袋にいれてから保存するのが大事なようです。
こちらは何もしないでそのまま野菜室で1週間保存した芽キャベツです。乾燥がかなり進み、外の葉も浮いてきています。
並べるとこんな感じです。左は初日の状態で、右は1週間たったものです。並べてみるとこんな感じです。違いがよくわかるかと思います。
芯はやや変色が見られ、その周りもだいぶしなびてきています。
並べるとこんな感じです。左は初日の状態で、右は1週間たったものです。並べてみると乾燥や変色具合がよくわかるかと思います。
こちらは芽キャベツをポリ袋に入れてから野菜室で2週間保存した芽キャベツです。ハリやみずみずしさほとんど変わりませんが、色は大分黄色っぽくなってきています。
並べるとこんな感じです。左は初日の状態で、右は2週間たったものです。初日からの色の変化がよくわかるかと思います。
芯の部分はこんな感じです。左は初日の状態で、右は2週間目のものです。芯もみずみずしさは維持していますが、やや変色してきているのがわかるかと思います。
葉が変色した芽キャベツですが、半分にカットした断面は特に傷んだ様子も見られません。
ちなみにその日に買ってきた芽キャベツと食べ比べてみましたが、気にすれば少し味が薄いかなという程度で、ほとんど味は変わりませんでした。
こちらは芯に十字に切れ目を入れてからポリ袋に入れ、冷蔵庫の野菜室で2週間保存した芽キャベツです。こちらもハリやみずみずしさは維持しています。ただやはり葉が黄色っぽくなってきています。それでも切れ目を入れずに保存したものよりは変色が抑えられています。
並べるとこんな感じです。左は初日の状態で、右は2週間たったものです。初日に比べると色の変色具合がわかるかと思います。
芯の部分はこんな感じです。左は初日の状態で、右は2週間たったものです。芯も初日に比べるとやや変色が進んでいます。
こちらもカットして断面を見てみましたが、特に傷んだ様子も見られません。
ちなみに食べて見ましたが、味は切れ目を入れていないものとそれほど違いはありませんでした。
1週間たったそのまま野菜室で保存した芽キャベツ、2週間ポリ袋に入れて野菜室で保存した芽キャベツ、さらに切れ目を入れてから2週間野菜室で保存した芽キャベツを並べてみるとこうなります。
そのまま保存したものはだいぶしなびていますが、他の2つはそんなに変化は見られません。切れ目を入れた方と入れてない方では色味は入れたほうが変色が抑えられています。
一方芯の違いを見てみると、こちらもそのまま保存したものが大分しなびています。ポリ袋に入れた方とさらに切れ目を入れた方だと、どちらも同じくらいやや変色が見られます。
その日に買ってきた芽キャベツと2週間ポリ袋に入れて野菜室で保存した芽キャベツ、さらに切れ目を入れてから2週間保存した芽キャベツの断面を並べるとこんな感じです。
その日に買ってきた芽キャベツの断面と比べると、他の2つはやや断面の濁りや黒っぽく変色した部分が見られます。やはり2週間もたつと中身にも変色は見られるようです。
見た目に関しては切れ目を入れてからポリ袋に入れて野菜室で保存したものが最もよかったです。味に関してはただポリ袋に入れて野菜室で保存したものも、切れ目を入れてから野菜室で保存したものも、それほど違いはありませんでした。
なので切れ目を入れるのが面倒な場合、ただポリ袋に入れるだけでも十分に味を維持したまま保存することはできます。
なお以下の動画でも芽キャベツの各種保存方法での違いを、1日目、3日目、1週間目、2週間目と比較しながら検証しているので、併せて参考にしてみてください。
通常のキャベツの場合大きいので一度に使いきれないことも多く、その場合カットしたものは切断面をぴっちりとラップに密着させて全体をラップで包んで保存します。
芽キャベツの場合はサイズが小さいので半分にカットしたものを保存することも少ないですが、それでも余ってしまった場合は通常のキャベツと同様切断面をしっかりとラップで密着させて、全体をラップで包んで保存します。
芽キャベツを茹でてから冷凍保存します。芽キャベツはゆでる前に切り口に包丁で十字に切り込みを入れておくと火の通りも早くなります。芽キャベツは固めに塩ゆでしてからざるやさらに上げ、熱を冷まして水けをきります。
熱がさめたら冷凍用保存袋に入れて冷凍庫で保存します。
芽キャベツは生のままだと酵素の働きにより時間とともに腐敗が進んでいきます。この酵素は低温下ではその働きも低下しますが、それでも徐々に腐敗は進んでいきます。そこでこの酵素を加熱により壊しておくことで、腐敗の進行をさらに遅らせることができます。芽キャベツの冷凍保存で保存性を増したいなら加熱処理してから保存するといいでしょう。
芽キャベツを洗ったり茹でたりした後に冷凍保存する場合は、水けをきった後キッチンペーパーなどで水けをふいてから保存するといいです。水気が残っていると冷凍中に霜が張りやすく、霜がつくと解凍時に味が落ちやすくなります。また食品同士もくっつくので使う時に不便です。
野菜の冷凍保存で大事なのはいかに急速に冷凍させるかです。時間をかけずに冷凍した方が野菜の傷みも少なくて済みます。そこで保存する場合は熱伝導率の高い金属トレイの上にのせてやることで、素早く冷凍させることができます。
芽キャベツを冷凍保存するときは冷凍用保存袋の中の空気もしっかりと抜きましょう。空気は熱伝導率が低いので、その分冷気が伝わるのも遅くなり、芽キャベツの冷凍にも時間がかかってしまいます。
食品の冷凍で大事なのはいかに早く冷凍するかですが、そのためにも保存する際は食材をなるべく薄く平らにして保存しましょう。こうすると素早く均一に冷凍することができます。また解凍時の時間も短縮することができます。
冷凍保存の場合、すぐに使わない分、後になっていつ保存したのかわからなくなりがちです。そこで保存日が後でも確認できるよう冷凍用保存袋に保存日と中身について記載しておくといいです。
ちなみに冷凍用保存袋といえばジップロックが有名ですが、こちらはあらかじめ保存袋の表面に日付や保存する食材名を記入する欄がプリントされています。ジップロックはS、M、Lとサイズがあり、スーパーやドラッグストアなどでも売っていますが、ネットでまとめて購入することもできます。
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芽キャベツは茹でてから冷凍するので、そのまま解凍してマヨネーズやみそをつけて食べてもおいしいです。この場合は冷蔵庫で7〜8時間くらいかけてゆっくりと自然解凍するといいです。低温で時間をかけて回答した方が水分も抜けにくいので、味や食感が落ちるのも少なくて済みます。
芽キャベツやシチューやスープ、煮物料理などにもよく使われます。この場合は凍ったまま直接煮汁に加えて調理してもいいです。
芽キャベツは冷蔵庫なら1週間、カットしたものなら3日ほど保存ができます。茹でてから冷凍保存することで1か月ほど持たすことも可能です。
保存方法 | 保存期間 |
---|---|
冷蔵保存 | 1週間 |
カットして冷蔵保存 | 3〜4日 |
冷凍保存 | 1か月 |
ここまで芽キャベツの保存方法について見てきましたが、長く保存するにはまずは鮮度のいいおいしい芽キャベツを選ぶことも重要です。芽キャベツを選ぶ際は緑色が濃いもの、切り口が白で変色していないものがいいです。
また手に取ってみて固く締まったもの、重量感のあるものも見分けるポイントの一つです。詳しくはおいしい芽キャベツの見分け方・選び方で解説しています。
芽キャベツは大きなスーパーなどに行けば置いてあることもありますが、小さなスーパーだとなかなか目にする機会が少ないものです。また出荷のシーズンである11月から3月を過ぎると、大きなスーパーでも見かける機会がぐんと減ります。
芽キャベツは輸入物もあるので、出荷シーズン以外だと輸入物を置いてあるところもありますが、やはり見かける機会は少ないです。
芽キャベツ独自の味わいや食感などを味わってみたいならネットでの購入も便利です。
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芽キャベツは高温には弱いので常温保存には適していません。保存するなら冷蔵庫で保存します。乾燥しないように湿らせた新聞紙に包んでポリ袋に入れて冷蔵庫で保存します。
固ゆでにしてから冷まし、冷凍用保存袋に入れて冷凍保存することもできます。冷凍保存した芽キャベツはそのまま食べるなら冷蔵庫で自然解凍し、スープやシチュー、煮物料理などに使うなら凍ったまま直接加えてもいいです。