レタスは芯を少しカットして、その断面に小麦粉をつけて保存すると、長持ちするといいますが本当なのでしょうか。気になったので、実際に試してみて、その保存効果がいかほどなのかを検証してみることにします。
今回は2つの保存方法と何もしないで保存したときの違いをみて、保存方法に効果があるのかどうかを検証します。まずは何もしないでそのまま野菜室でレタスを保存します。
もう一つは新聞紙で包んでからポリ袋に入れ、軽く口をしめてから冷蔵庫の野菜室で保存します。
もう一つはまずはレタスの芯のを少しカットします。そうすると断面からじんわりと乳白色の液体がにじみ出てきます。
ここに小麦粉をふりかけます。こうすることで芯の断面からの水分の蒸発を防ぐことができ、鮮度を維持できるそうです。
あとは新聞紙で包んでからポリ袋に入れ、軽く口をしめて冷蔵庫の野菜室で保存します。
まずはレタスの初日の状態を見ていきます。こちらはそのまま野菜室で保存するレタスです。葉先もピンとしていてハリがあり、みずみずしくて新鮮です。
芯は白くて特に変色は見られません。
重さは336.6gです。
つぎは新聞紙に包んでポリ袋に入れ、保存するレタスです。こちらも葉先もピンとしていて、みずみずしくて新鮮です。
芯も白くて変色は見られません。
重さは472.4gです。
こちらはカットした芯の断面に小麦粉を付け、新聞紙で包んでポリ袋に入れて保存するほうのレタスです。こちらもみずみずしくて葉先もピンとしています。
断面は白くて特に変色は見られません。
重さは382.3gです。
何もせずにそのまま野菜室で保存したレタスは、3日目には少し葉にハリがなくなってきています。
断面も赤く変色してきました。ちなみに赤くなるのはレタスに含まれる色素成分のポリフェノールが空気に触れて酸化することによるもので、特に食べても問題ないそうです。
重さは323.3gで、初日の336.6gからは4%減少しています。
つぎは3日目の新聞紙とポリ袋で保存したレタスです。見た目には特に大きな変化は見られません。
断面はだいぶ赤く変色してきました。
重さは464.6gで、初日の472.4gからは1.7%減少しています。
こちらは断面に小麦粉をつけて保存したレタスです。こちらも特に見た目には大きな変化は見られません。
断面は若干の変色が見られます。
重さは377.8gで、初日の382.3gからは1.2%減少しています。
何もせずにそのまま野菜室で保存したレタスは、5日目には見た目にもかなりしなびれてきました。葉も元気がなくしんなりしています。
断面もさらに赤く変色してきました。
重さは318.0gで、初日の336.6gからは5.6%減少しています。
つぎは5日目の新聞紙とポリ袋で保存したレタスです。こちらは見た目には特に大きな変化は見られません。
断面はさらに赤っぽく変色してきています。
重さは463.3gで、初日の472.4gからは2.0%減少しています。
こちらは断面に小麦粉をつけて保存したレタスです。こちらも特に見た目には大きな変化は見られません。
断面はやや茶色く変色してきています。
重さは375.7gで、初日の382.3gからは1.8%減少しています。
何もせずにそのまま野菜室で保存したレタスは、1週間目にはさらにしなびれて、ハリもなくしんなりしています。
断面もさらに赤くなっています。
重さは311.1gで、初日の336.6gからは7.6%減少しています。
経過日数 | 重さ(増減率) |
---|---|
初日のそのままのレタス | 336.6g |
3日目のそのままのレタス | 323.3g(-4.0%) |
5日目のそのままのレタス | 318.0g(-5.6%) |
1週間目のそのままのレタス | 311.1g(-7.6%) |
ちなみに外葉を4枚ほど剥ぐと、中の葉は比較的新鮮で、ハリがある状態でした。
これをカットすると断面はこんな感じです。外葉はしなびれてしまっていましたが、中の葉はまだみずみずしいようです。
つぎは1週間目の新聞紙とポリ袋で保存したレタスです。こちらはまだ葉にみずみずしさがあり、ハリもしっかりとあります。
断面はさらに赤っぽく変色してきています。
重さは461.4gで、初日の472.4gからは2.4%減少しています。
経過日数 | 重さ(増減率) |
---|---|
初日の新聞紙とポリ袋に入れたレタス | 472.4g |
3日目の新聞紙とポリ袋に入れたレタス | 464.6g(-1.7%) |
5日目の新聞紙とポリ袋に入れたレタス | 463.3g(-2.0%) |
1週間目の新聞紙とポリ袋に入れたレタス | 461.4g(-2.4%) |
こちらは断面に小麦粉をつけて保存したレタスです。1週間たっても葉はしっかりとハリがあり、みずみずしさを維持しています。葉物野菜は水分が抜けやすいのですが、ここまでしっかりとハリやみずみずしさを維持しているのは驚きです。
断面は茶色の変色が濃くなってきています。
重さは373.6gで、初日の382.3gからは2.3%減少しています。
経過日数 | 重さ(増減率) |
---|---|
初日の芯に小麦粉をつけたレタス | 382.3g |
3日目の芯に小麦粉をつけたレタス | 377.8g(-1.2%) |
5日目の芯に小麦粉をつけたレタス | 375.7g(-1.8%) |
1週間目の芯に小麦粉をつけたレタス | 373.6g(-2.3%) |
ちなみに今回の検証については以下の動画でも取り上げているので、併せて参考にしてみてください。
ちなみにポリ袋に入れて保存する方法と、芯に小麦粉をつけて保存する方法でさらにどのくらいまでもつのかを検証するために、後日別のレタスで再度一から検証してみました。
まずは初日のポリ袋に入れて保存するレタスです。みずみずしくてハリもあります。
芯の断面もこのようにきれいです。
重さは672.7gです。
これが3週間たつとこうなります。比較的全体的にハリやみずみずしさを維持していますが、葉先やところどころにやや変色してきている部分が見られます。
並べるとこんな感じです。左は初日のポリ袋に入れて保存するレタスで、右は3週間目のポリ袋に入れて保存するレタスです。3週間たっても比較的鮮度は維持しているほうですが、少し鮮度の落ちが見えます。
3週間目の芯の断面はこんな感じです。こちらはさすがにかなり赤茶色っぽく変色してきています。
並べるとこんな感じです。左は初日のポリ袋に入れて保存するレタスの芯で、右は3週間目のポリ袋に入れて保存するレタスの芯です。かなり赤く変色しているのがわかるかと思います。
半分にカットして断面はどうなっているのかを確認してみたところ、茶色く変色して傷んでるヶ所が見られます。また芯の中心あたりも白いのですが、やや濁ってきています。
外からはわかりませんでしたが、3週間たつと中には傷みが出てくるようです。
ちなみに重さは660.6gで、初日の672.7gからは1.8%減少しています。
つぎに小麦粉をつけたほうの3周目の変化を見てみましょう。まずは初日の芯に小麦粉をつけて保存するレタスです。みずみずしくてハリがあります。
芯の断面もこのようにきれいです。
こちらは3週間たったものです。比較的鮮度は維持していますが、ところどころ変色している部分もあり、葉も少しハリがなくなってきています。
並べるとこんな感じです。左は初日の芯に小麦粉をつけて保存するレタスで、右は3週間目の芯に小麦粉をつけて保存したレタスです。3週間たつとさすがに見た目にも鮮度が少し落ちてきているのがわかります。
3週間目の芯の断面はこんな感じです。こちらもかなり赤茶色っぽく変色しています。
並べるとこんな感じです。左は初日の芯に小麦粉をつけて保存するレタスの芯で、右は3週間目の芯に小麦粉をつけて保存したレタスの芯です。並べると色の違いがよくわかるかと思います。
重さは392.8gで、初日の407.2gからは3.6%減少しています。
それではこちらも半分にカットして断面はどうなっているかチェックしてみます。
こちらは傷んで茶色に変色しているような部分は見られません。芯の周りの断面のいろはすこし濁ってはいますが、比較的中まで鮮度は維持できているようです。
下はポリ袋に入れた方と小麦粉を塗った方の3週間目のカットした断面です。1週目まではポリ袋に入れたほうも、芯に小麦粉をつけたほうも、そこまで違いは見られませんでしたが、3週間もするとただポリ袋に入れたほうは、中身に傷みが出始めました。
長期保存するならただポリ袋に入れるよりも、芯に小麦粉を塗ってから保存した方が効果が高いことがわかりました。
レタスを長持ちさせる保存法には芯に小麦粉をつける方法以外に、芯につまようじを刺す方法もあります。そこでこちらの方法でもどの程度レタスが持つのかを検証してみました。
まずは初日の状態です。ハリがありみずみずしさのあるレタスです。
芯の断面もきれいです。
重さは397.4gです。
今回は芯になるべく深くつまようじを3か所刺します。
保存する際の邪魔にならないよう、飛び出たつまようじの先をカットします。
これをポリ袋に入れ、冷蔵庫の野菜室で保存します。
こちらは3週間たったものです。3週間たっても特に変色などもみられずハリがありみずみずしいままです。
並べるとこんな感じです。左は初日の芯につまようじを刺して保存するレタスで、右は3週間目の芯につまようじを刺して保存したレタスです。並べてもあまり変化がないのがわかるかと思います。
芯の断面は中心部が赤茶色っぽく変色してきています。
並べるとこんな感じです。左は初日の芯につまようじを刺して保存するレタスの芯で、右は3週間目の芯につまようじを刺して保存したレタスの芯です。
重さは385.0gで、初日の397.4gからは3.2%減少しています。
こちらもカットして断面を見てみることにしましょう。カットした断面も傷んだところもなく、きれいでみずみずしいままでした。
上は芯に小麦粉を塗ったレタスと芯につまようじを刺したレタスの3週間たったものを並べたものです。つまようじの方は3週間たってもみずみずしくてハリがあるままです。
こちらはカットした断面を並べたものです。断面は表面ほどではありませんが、それでもつまようじの方が奇麗な状態で、小麦粉の方は芯に近い部分がやや濁っています。
芯につまようじを刺す方法は、3週間たってもほとんど傷んだ様子もなく、鮮度をしっかりと維持していたのは驚きでした。芯に小麦粉を塗る方法も効果的でしたが、それ以上に効果がありました。
ちなみにレタスの芯につまようじを刺して保存する方法についてはレタスにつまようじを刺して保存するとほんとに長持ちするのか検証してみたでも詳しく検証しているので、併せて参考にしてみてください。
またレタスの芯に小麦粉を塗る方法とつまようじを刺す方法の、比較検証動画も上げているので合わせて参考にしてみてください。
ちなみにレタスを長持ちさせたいなら、購入段階で鮮度のいいものを選ぶのも大切です。レタスは緑色が濃すぎず葉の巻きがふんわりしているもの、葉先がハリがありしなびていないものがいいです。
切り口は白くてみずみずしいものがよく、持った時に適度に弾力があるもの、見た目よりも重すぎないものも良品です。レタスの詳しい見分け方についてはレタスの見分け方・選び方、おいしさと鮮度を見分けるコツを紹介!で解説しています。
また以下ではレタスの見分け方・選び方を動画で解説しているので、併せて参考にしてみてください。
今回はレタスの芯の断面をカットして、そこに小麦粉をつけた保存した場合の効果について検証していきました。レタスはそのまま保存するとすぐに外葉がしなびてきます。一方新聞紙に包んでからポリ袋に入れて保存すればしっかりと鮮度を維持することができます。
また芯をカットして断面に小麦粉をつけ、新聞紙で包んでポリ袋に入れた場合も十分に鮮度を維持することができました。ただ切り口に小麦粉をつけず、そのまま新聞紙とポリ袋で保存したものと比較すると、大きな差は見られませんでした。なので小麦粉をつけなくてもしっかりと新聞紙とポリ袋に入れて保存すれば、それだけでも十分鮮度は保てるでしょう。