かぶは青々としてみずみずしい葉がついた状態で売られていることも多いです。この葉の部分も栄養満点で、調理すればおいしくいただけます。なので捨てるのはもったいないです。
そこで今回はかぶの葉の保存方法を実際に実践してみて、その保存効果がどの程度なのかを検証してみることにします。さらに冷凍保存の仕方も紹介します。
かぶは葉付きのままだと、葉が白い根の方からどんどんと栄養分を消費していくので、白い根の部分がしおれるのが早くなります。なので葉つきのかぶを買ってきたら、まずは葉と白い根の部分を切り分けておきましょう。そのうえでそれぞれ別々に保存します。
白い根の方はそのままだと乾燥するので、ポリ袋に入れて軽く口をしめてから冷蔵庫の野菜室で保存します。これで1週間は保存ができます。
かぶの白い根の方の保存方法と実際に保存方法を実践してみた検証結果についてはかぶの保存方法が本当に効果があるのかを検証してみたら驚きの結果に!で詳しく解説しています。
かぶは長い葉をバッサリカットして売られているものも多いですが、保存する場合は根元までバッサリカットしてから保存した方がいいのでしょうか、それとも短く残った根元は残しても大丈夫なのでしょうか。
気になったので実際に検証してみました。こちらは根元を残して野菜室で2週間保存したかぶです。新しい葉が生えてきてしまっています。
やはり根元を残してしまうと保存している間に新たに葉が生えてきてそこに栄養分が使われてしまうようです。詳しくはかぶの保存、茎の根元まで残さずカットして保存した方がいいのか検証してみた!でも取り上げているので、併せて参考にしてみてください。
それではかぶの葉の方の保存方法について検証していきいます。まずは今回試す保存方法を紹介します。白い根と切り離したかぶの葉を乾燥しないように新聞紙で包み、さらにポリ袋に入れて軽く口をしめます。
あとは冷蔵庫の野菜室に入れて保存します。これで4〜5日ほど保存ができるといわれています。
もう一つは新聞紙には包まずそのままポリ袋に入れ、冷蔵庫の野菜室で保存する方法も検証します。こちらも4〜5日は保存ができるといわれています。
さらに比較のために、何もしないでそのまま冷蔵庫の野菜室で保存する方法も試してみます。こちらと上の2つの方法とで、鮮度の持ちにどのような差が出るのかを詳しく見ていきます。
まずは初日の状態です。初日のかぶの葉はみずみずしくてハリツヤがあります。
初日の新聞紙とポリ袋に入れて保存するほうのかぶの葉の重さは23.8gです。
初日の新聞紙では包まずそのままポリ袋に入れて保存するほうのかぶの葉の重さは22.3gです。
そのまま保存するほうのかぶの葉の重さは29.8gです。
こちらは新聞紙で包んでポリ袋に入れて保存した2日目のかぶの葉です。こちらはややしなびれてきた感じがあり、ハリも少しなくなってきています。
並べるとこんな感じです。左が初日の新聞紙とポリ袋に入れて保存するかぶの葉で、右は2日目のものです。初日と比べてしなびれてきているのがわかるかと思います。
重さは22.2gで、初日の23.8gからは6.8%減少しています。
こちらはそのままポリ袋に入れて保存した2日目のかぶの葉です。こちらは見た限りではほとんど変化は見られません。
並べるとこんな感じです。左が初日のポリ袋に入れて保存するかぶの葉で、右は2日目のものです。並べてみても特に変化がないのがわかるかと思います。
重さは22.1gで、初日の22.3gからは0.9%減少しています。
こちらはそのまま野菜室で保存した2日目のかぶの葉です。こちらはたった1日で大分ハリがなくなり、しなびれてきています。
並べるとこんな感じです。左が初日のそのまま保存するかぶの葉で、右は2日目のものです。比べるとその変化がよくわかるかと思います。
重さは26.6gで、初日の29.8gからは8.3%減少しています。
こちらは新聞紙で包んでポリ袋に入れて保存した3日目のかぶの葉です。こちらはだいぶしなびれてきていて、ハリもなくなってきています。
並べるとこんな感じです。左は初日の新聞紙とポリ袋に入れて保存するかぶの葉で、真ん中は2日目のもの、右は3日目のものです。だいぶ乾燥が進んでいるのがわかるかと思います。
重さは21.1gで、初日の23.8gからは11.4%減少しています。
こちらはそのままポリ袋に入れて保存した3日目のかぶの葉です。ほんの少しハリがなくなってきたかなという感じはありますが、それほど変化はありません。
並べるとこんな感じです。左が初日のポリ袋に入れて保存するかぶの葉で、真ん中は2日目のもの、右は3日目のものです。並べてみてもそんなに変わっていないのがわかるかと思います。
重さは21.7gで、初日の22.3gからは2.7%減少しています。
こちらはそのまま野菜室で保存した3日目のかぶの葉です。こちらはさらにしなびれてしまいました。
並べるとこんな感じです。左が初日のそのまま保存するかぶの葉で、真ん中は2日目のもの、右は3日目のものです。だいぶしなしなになっているのがわかるかと思います。
重さは23.6gで、初日の29.8gからは20.9%も減少しています。
こちらは新聞紙で包んでポリ袋に入れて保存した5日目のかぶの葉です。こちらは葉にハリがなくなってきていて、だいぶしなびれてきています。
並べるとこんな感じです。左上が初日の新聞紙とポリ袋に入れて保存するかぶの葉で、右上は2日目のもの、左下は3日目のもので、右下は5日目のものです。当初と比べかなりしなびれてきているのがわかるかと思います。
重さは19.9gで、初日の23.8gからは16.4%減少しています。
経過日数 | 重さ(増減率) |
---|---|
初日の新聞紙とポリ袋に入れて保存するかぶの葉 | 23.8g |
2日目の新聞紙とポリ袋に入れて保存したかぶの葉 | 22.2g(-6.8%) |
3日目の新聞紙とポリ袋に入れて保存したかぶの葉 | 21.1g(-11.4%) |
5日目の新聞紙とポリ袋に入れて保存したかぶの葉 | 19.9g(-16.4%) |
こちらはそのままポリ袋に入れて保存した5日目のかぶの葉です。こちら若干ハリがなくなってきていますが、しなびれることもなくまだまだみずみずしさを維持しています。
並べるとこんな感じです。左上が初日のポリ袋に入れて保存するかぶの葉で、右上は2日目のもの、左下は3日目のもので、右下は5日目のものです。少ししなびれてはいますが、当所と比べると割とみずみずしさを維持しているのがわかるかと思います。
重さは21.5gで、初日の22.3gからは3.6%減少しています。
経過日数 | 重さ(増減率) |
---|---|
初日のポリ袋に入れて保存するかぶの葉 | 22.3g |
2日目のポリ袋に入れて保存したかぶの葉 | 22.1g(-0.9%) |
3日目のポリ袋に入れて保存したかぶの葉 | 21.7g(-2.7%) |
5日目のポリ袋に入れて保存したかぶの葉 | 21.5g(-3.6%) |
こちらはそのまま野菜室で保存した5日目のかぶの葉です。こちらはさらにしなびれてきています。
並べるとこんな感じです。左上が初日のそのまま保存するかぶの葉で、右上は2日目のもの、左下は3日目のもので、右下は5日目のものです。こちらはしなびれるスピードも早く、しなびれ具合も大きいのがわかるかと思います。
重さは18.7gで、初日の29.8gからは37.3%も減少しています。
経過日数 | 重さ(増減率) |
---|---|
初日のそのまま保存するかぶの葉 | 29.8g |
2日目のそのまま保存したかぶの葉 | 26.6g(-8.3%) |
3日目のそのまま保存したかぶの葉 | 23.6g(-20.9%) |
5日目のそのまま保存したかぶの葉 | 18.7g(-37.3%) |
ちなみにそれぞれの保存法での5日間での変化を並べてみるとこうなります。そのまま保存したものしなしなになっていて、意外だったのは新聞紙とポリ袋にいれた方もかなりしなびれてきています。一方ポリ袋に入れたものは比較的みずみずしさや鮮度を維持しています。
今回の検証については以下の動画でも詳しく取り上げているので、併せて参考にしてみてください。
かぶの葉は冷凍保存すると長期間保存することも可能です。この場合まずは熱湯で塩ゆでしておきます。鍋に水を入れ、水1リットルに対して小さじ1ほどの塩を加えて火にかけます。
沸騰したらかぶの葉を入れ、30秒ほど茹でたらざるに上げ、さっと水洗いして水けをしぼります。
あとは冷めるまで待ち、キッチンペーパーで表面の水気を軽くふき、食べやすい大きさにカットします。
これを冷凍用保存袋に平らになるように入れ、金属トレイの上にのせてから冷凍保存します。これで1か月は保存ができます。
かぶの葉はそのまま保存するよりも加熱処理してから保存した方が味や鮮度の持ちはよくなります。これは酵素の働きが関係しています。酵素は低温下ではその働きも弱まりますが、それでも徐々に食品の味や鮮度は落ちていきます。これをあらかじめ加熱処理しておくことで、酵素の働きを抑え、味や鮮度の落ちを少なくすることができます。
冷凍保存だと長期保存ができるため、ついつい使いそびれてしまいがちです。後になっていつ保存したのかわからなくなるなんてこともよくあります。そこで保存の際には保存日と保存した中身を記入しておくようにします。こうしておけば後になっても何時でも保存日を確認することができます。
ちなみに冷凍用保存袋といえばジップロックが有名ですが、こちらはあらかじめ保存袋の表面に日付や保存する食材名を記入する欄がプリントされています。ジップロックはS、M、Lとサイズがあり、スーパーやドラッグストアなどでも売っていますが、ネットでまとめて購入することもできます。
かぶの葉を冷凍保存する場合は急速冷凍させると鮮度の落ちも抑えることができます。そこで熱伝導率の高い金属トレイの上にのせて冷凍することで、通常よりも早くかぶの葉を冷凍することができます。
かぶの葉を保存袋に入れる際はなるべく平らになるように入れましょう。こうすると表面積が増えて冷却にかかる時間も短縮できます。また全体に均一に冷やされます。さらに解凍時の時間の短縮にもつながります。
かぶの葉を冷凍保存する場合は保存袋の中の空気はしっかりと抜きましょう。空気は熱伝導率が低いので、空気がたくさん残っているとその分冷却にかかる時間も長くなります。
かぶの葉を少しでも長く日持ちさせたいならまずは購入段階でしっかりといいものを選ぶことも大切です。葉付きのかぶは葉が濃い緑色でみずみずしいもの、茎の付け根が淡い緑色のものがいいです。
白い根は丸くてつやのあるもの、表面がなめらかでハリがあり、大きすぎないものが良品です。
今回はかぶの葉の保存方法がどの程度効果があるのかを検証してみました。やはり何もしないで保存すると2日目で大きくしなびれてしまい、5日目にはしわしわになってしまいました。
一方ポリ袋に入れた方は5日目でも比較的ハリやみずみずしさをキープしていて、かなり鮮度を維持することができるのがわかりました。
意外だったの新聞紙で包んでからポリ袋に入れた方で、乾燥対策をしたにもかかわらず、5日目でかなりしなびれてしまいました。かぶの葉から放出される水分を新聞が吸収してしまい、その分乾燥が早くなってしまったのかもしれません。
なので保存するなら新聞紙では包まず、そのままポリ袋に入れて保存するのをおすすめします。