HOME > 食材を外で常温保存する方法 > かぼちゃを常温保存で追熟させたらどのくらい甘みが増すのか検証してみた
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かぼちゃは収穫直後は甘みはそれほど強くはなく、ある程度追熟させてから出荷されるそうです。
出荷後も常温で保存して追熟させると、どの程度甘みが増すのか気になったので、今回は実際に常温保存してみて、甘みがどのように変わるのかを検証してみることにします。
甘みの変化がわかるようにまずは地元の産地直売所で、店頭に並んだばかりで同じ棚に並んでいたかぼちゃを2つ購入してきました。
買ってきたかぼちゃのうち一方は常温保存し、もう一方は冷蔵庫の野菜室で保存します。両者で長期間保存した後、それぞれでどの程度甘みが違うかで、常温保存の追熟効果を検証します。
まずは常温での保存の仕方を解説します。このようにかぼちゃを新聞紙で包み、段ボールの上に置いて室内で常温保存します。
常温で追熟させるかぼちゃの1日目の状態です。色は濃い緑色でハリつやがあります。
こちらは1週間目の状態です。特に変わった様子は見られません。
こちらは1カ月目の状態です。濃い緑からだいぶ色が薄くなってきました。
こちらは6週間目の状態です。緑もさらに薄くなり全体的に黄色みがかってきています。
初日から6週間目までのかぼちゃの見た目の変化を並べるとこんな感じです。色が徐々に薄くなってきているのがわかるかと思います。
底側の変化も見ていきます。こちらは1日目です。
こちらは1週間目の状態です。そんなに変わってはいません。
こちらは1カ月目の状態です。こちらも緑がだいぶ薄くなってきていて、黄色い部分が広がってきています。
こちらは6週間目の状態です。全体的に緑が薄まり、黄色い部分もさらに広がっています。
初日から6週間目までのかぼちゃの底側の変化を並べるとこんな感じです。こちらも緑が薄まり黄色い部分が広がってきています。
重さの変化も見ていきます。まずは初日の重さはです。重さは1488.1gです。
そこから6週間目までの重さの変化です。1週間目は1419.3g(-4.7%)、2週間目は1354.8g(-9.1%)、1カ月目は1283.1g(-13.8%)、6週間目は1241.4g(16.6%)です。6週間で重さもだいぶ減ってきています。
経過日数 | 重さ(増減率) |
---|---|
かぼちゃを常温で追熟保存1日目 | 1488.1g |
かぼちゃを常温で追熟保存1週間目 | 1419.3g(-4.7%) |
かぼちゃを常温で追熟保存2週間目 | 1354.8g(-9.1%) |
かぼちゃを常温で追熟保存1カ月目 | 1283.1g(-13.8%) |
かぼちゃを常温で追熟保存6週間目 | 1241.4.8g(-16.6%) |
かぼちゃの常温保存での室温と湿度の変化はこんなかんじです。初日の温度は30度で、湿度は56%です。
1週間目の気温は32度で、湿度は52%、2週間目の気温は31度で、湿度は50%、1カ月目の気温は30度で、湿度は47%、6週間目の気温は29度で、湿度は56%です。今回は29度から32度の温度帯での検証でした。
次に冷蔵庫で保存するかぼちゃの変化を見ていきます。こちらも保存は乾燥しないように新聞紙で包んでから保存します。
ちなみにかぼちゃは新聞紙で包んで野菜室で保存すると、6か月もするとこのようにカビが生えてしまいました。野菜室は比較的湿度は高めなので、そのままだと湿気により白カビが生えてしまうことがあります。
かぼちゃに白カビが生えてしまった失敗談についてはかぼちゃに白カビが!この保存方法だけはやっちゃダメ!ちなみにまだ食べれるの?でも詳しく取り上げているので、併せて参考にしてみてください。
なのでそのまま新聞紙で包んで野菜室で保存するのではなく、今回はこのように100均で下に敷く台を買ってきました。
これを下に敷くことで、下に空気の通り道ができ、湿気もたまりにくくなるはずです。
こちらの台の上にこのように新聞紙で包んだかぼちゃを置き、野菜室で保存します。また片側に湿気がたまらないように1週間ごとにかぼちゃを上下にひっくり返して保存しました。
こちらは1日目の状態です。緑の色も濃く、ハリつやもいいです。
こちらは6週間目です。少し緑が薄くなってきていますが、常温保存したものに比べるとまだ全然濃い緑です。
並べるとこんな感じです。6週間たっても比較的濃い緑色なのがわかるかと思います。
夏場に常温保存したかぼちゃと並べるとこんな感じです。色見にだいぶ差があるのがわかるかと思います。
こちらは底側の1日目の状態です。
こちらは6週間目のものです。少し緑が薄くなってきて、黄緑の部分もやや広がってきています。ただカビなどは見られず奇麗な状態です。
並べるとこんな感じです。緑が薄まってきて、黄色の部分もだいぶ広がっているのがわかるかと思います。
夏場に常温保存したかぶ茶と並べるとこんな感じです。こちらも色味がかなり違うのがわかるかと思います。
重さの変化を見ていくと1日目は1333.7gでした。6週間目の重さは1252.5gで、初日の1333.7gからは6.1%減少しています。
経過日数 | 重さ(増減率) |
---|---|
かぼちゃを野菜室で保存1日目 | 1333.7g |
かぼちゃを野菜室で保存6週間目 | 1252.5g(-6.1%) |
夏場に常温保存したものと並べるとこんな感じです。同じように新聞紙で包んで保存したかぼちゃですが、常温保存の方が重さの減りが大分多くなりました。
夏場に常温で保存したかぼちゃと野菜室で保存したかぼちゃで、色の変化でだいぶ差が見られましたが、味の方はどうなっているのでしょうか。
そこでまずは夏場に常温保存して追熟させたかぼちゃを半分にカットしました。こちらはカットした段階でだいぶかぼちゃの香りが漂ってきました。種やワタは特に傷んだ様子は見られません。断面は果肉がやや赤みを帯びてきています。
種とワタをくりぬくとこんな感じです。こちらも特に傷んだ様子は見られません。
こちらを食べやすい大きさにカットします。これを耐熱容器に入れ、かぼちゃ100gに対して小さじ2の水を振りかけます。上からラップを軽く乗せ、レンジで加熱します。加熱時間は100g当たりで600Wなら2分30秒、500Wで3分です。
こちらは加熱したものです。食べて見たところしっかりと甘みがあって、やっぱり追熟でかなり甘くなってるんだなとこの時点では思っていました。
次は野菜室で保存したかぼちゃを食べて見ます。まずはこのように半分にカットします。果肉は常温保存したものに比べると黄色っぽくてそこまで赤みがかっていません。
追熟させたかぼちゃの断面と並べるとこんな感じです。果肉の色がだいぶ違うのがわかるかと思います。
さらに種とワタをくりぬきます。
追熟させたかぼちゃのくりぬいた断面と並べるとこんな感じです。こちらも中まで色味がだいぶ違います。
こちらも同じように食べやすい大きさにカットしてレンジで加熱しました。こちらは加熱したものです。食べて見ると意外なことにこちらも十分な甘さがありました。 追熟で甘くなったはずの常温保存したかぼちゃと比べてもそんなに甘味は変わりません。
ただ果肉は常温保存のものがだいぶ柔らかくなっていたのに対し、野菜室の方はまだホクホク感がありました。また食べた時の甘味も常温保存のものはすぐに甘みが感じられましたが、野菜室で保存したものは食べてちょっとして甘味が広がる感じでした。
また常温保存のかぼちゃはややコクというか香ばしさのようなものが増してきている感じがしました。野菜室で保存したものは単純に甘さがあり、常温保存のものは香ばしさのようなものも加わっているっといった感じです。
個人的には単純に甘かった野菜室で保存したものの方が好みです。ただ常温保存したものも全然おいしいので、これは好みによるかと思います。
追熟させたかぼちゃと野菜室で保存したかぼちゃの味や食感の特徴をまとめるとこんな感じです。
ちなみに今回の検証についてはこちらの動画でも取り上げているので、よかったら合わせて参考にしてみてください。
またかぼちゃの保存方法全般についてはかぼちゃの保存方法と保存期間、長持ちのコツでも詳しく解説しています。
常温で追熟させたかぼちゃは野菜室で保存したかぼちゃに比べてだいぶ緑の色味が薄れて、裏側などは一部が大分黄色っぽく変色していました。かぼちゃは熟すこと皮も黄色っぽくなってくることがわかりました。
そこで購入段階でこのように一部がかなりオレンジ色に変色しているものの場合は、味がどうなっているのかも検証してみました。おそらく熟しているのでこちらも甘みが強く、香ばしさも出てきているのではないかと予想されます。
まずはこのように半分にカットしてみました。皮がオレンジ色に変色している部分に面している果肉の色は、ほかの部分の果肉よりも黄色が濃いいのがわかるかと思います。おそらくこの部分が特に熟しているのだと思われます。
こちらの皮と種を取り、食べやすい大きさにカットしてからレンジで加熱します。
こちらはレンジで加熱したものです。食べてみたところやはりかなり甘みは強くてよく熟しているのがわかります。ただ香ばしさまではそんなに感じませんでした。
一応オレンジ色に変色した皮に近い部分で、色も黄色の濃い部分を食べてみましたが、こちらは他の部位とは違って香ばしさが出ていました。この部分は他の部分よりもさらに良く熟しているのが味でもわかりました。
一部がこのようにオレンジ色の変色したかぼちゃは他の緑一色のかぼちゃとはだいぶ見栄えが違うので、敬遠される方もいらっしゃるかと思いますが、このように食べてみてもよく熟したかぼちゃで甘みも強くてかなりおいしいです。
甘みを見分ける分かりやすいポイントでもあるので、見かけた際は購入してみてはいかがでしょうか。ちなみにオレンジ色に変色したかぼちゃと通常の緑のかぼちゃの味や食感の違いについてはオレンジ色に変色したかぼちゃは食べられるの?緑のかぼちゃとどっちが甘い?実際に食べ比べて見た!でも詳しく検証しているので、併せて参考にしてみてください。
今回は夏の暑い時期にかぼちゃを常温保存してみて追熟させることで、甘みは増すのかどうかを検証してみました。結果はそんなに大きく甘みが増すということはありませんでした。
すでに販売されている時点で甘さに関してはしっかり追熟がなされていて、そこからさらに常温で長期保存してもそんなに甘さが増すことはないのかもしれません。
それよりも常温保存によって果肉はだいぶ柔らかくなり、味もやや香ばしさが増すといった変化が見られました。
まだ追熟がしっかりできていなくて甘みが足りないかぼちゃの場合は常温での長期保存も効果があるのかもしれませんが、すでに甘さがしっかりあるかぼちゃの場合は、長く常温保存してみてもそこまで大きな甘さの変化は期待できないようです。