HOME > 食材を外で常温保存する方法 > かぼちゃを夏場に常温保存しちゃダメなの?実際に検証してみたら意外な結果に!
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かぼちゃは本来14度以下の冷暗所であれば、常温で長期保存が可能です。保存することで甘みも増してきます。大体2〜3か月は保存ができます。
ただ夏場の暑い時期に常温保存した場合はどうなるのでしょうか。気になったので今回実際試してみることにします。
まずは今回試すかぼちゃの常温での保存方法を紹介します。まずは乾燥しないようにかぼちゃを新聞紙で包みます。
これをダンボールの上に置きます。あとは室内で常温保存します。
まずは初日の状態です。濃い緑色でツヤあり、触ると表面もしっかりと固いです。へたもしっかり乾燥しています
こちらは常温で保存して1週間目の状態です。1週間経ちましたが特に大きな変化は見られません。へたもしなびれることもなく、特に変化はありません。
こちらは1カ月間たった状態です。特に見た目に変化は見られません。へたも特に変化はありません。
こちらは6週間たった状態です。見た限りでは特に大きな変化は見られません。へたも特に変化は見られません。
こちらは2カ月間たった状態です。見た限りでは特に大きな変化は見られません。へたも特に変化は見られません。
並べてみるとこんな感じです。左上が初日の常温で保存するかぼちゃで、右上は1週間目のもの、左下は1カ月目のもので右下は2カ月目のものです。2カ月目でも特に変化がないのがわかるかと思います。
今度はひっくり返した反対側、底側の変化を見ていきます。まずは初日です。
1週間目でも特に変化はありません。
1カ月目では一部が少し黄色くなってきています。
6週間目では一部でさらに黄色っぽさが増してきています。
2カ月目ではさらに黄色っぽくなってきています。
並べてみるとこんな感じです。左上が初日の常温で保存するかぼちゃの底側で、右上は1週間目のもの、左下は1カ月目のもので右下は2カ月目のものです。徐々に黄色くなっているのがわかるかと思います。
1日目の重さは1794.6gです。
1週間目の重さは1764.0gで、初日の1794.6gからは1.8%減少しています。
1カ月目の重さは1729.1gで、初日の1794.6gからは3.7%減少しています。
6週間目の重さは1707.9gで、初日の1794.6gからは4.9%減少しています。
2カ月目の重さは1691.4gで、初日の1794.6gからは5.8%減少しています。
経過日数 | 重さ(増減率) |
---|---|
初日の常温で保存するかぼちゃ | 1794.6g |
1週間目の常温で保存したかぼちゃ | 1764.0g(-1.8%) |
1カ月目の常温で保存したかぼちゃ | 1729.1g(-3.7%) |
2カ月目の常温で保存したかぼちゃ | 1691.4g(-5.8%) |
ちなみにかぼちゃを夏場に常温で保存した時の気温と湿度の変化はこんな感じです。今回は27度から30度の温度帯での検証でした。
ちなみに半分にカットしてみると、このように断面も特に傷んだ様子は見られません。
ワタと種をくりぬいて見ても、果肉はきれいなままです。
比較のために同じように新聞紙で包んでからポリ袋に入れ、冷蔵庫の野菜室で保存した場合どうなるかも見てみました。
まずは初日の状態です。
こちらは同じ1カ月が経過したものですが、緑が若干薄くなっています。
こちらは6週間目のものです。やはり1カ月目からは見た目に特に大きな変化は見られません。
並べるとこんな感じです。左は新聞紙とポリ袋に入れて野菜室で保存するかぼちゃ1日目で、真ん中は1カ月目、右は6週間目です。1カ月目からは色もそんなに変わっていません。
この時点では特に傷みもなく保存できるんだなと思っていました。
底側の1日目はこんな感じです。
1カ月目ではそんなに変化はありません。
6週間目ですが、ここで異常を発見しました。何とぽつぽつと白いカビがはえているのです。匂うとかび臭い匂いがしたのですぐカビだとわかりました。
冷蔵庫の野菜室の場合は適度な湿度があるせいか、白カビが生えてしまったようです。
並べるとこんな感じです。左は新聞紙とポリ袋に入れて野菜室で保存するかぼちゃの底側1日目で、真ん中は1カ月目、右は6週間目です。1カ月目までは問題ありませんが、6週間目でカビがはえてきています。
ちなみに半分にカットした断面はこんな感じです。中の種やワタの部分は特に傷みは見られません。
ただこのようにカビがはえた部分については別です。
この部分をカットするとこのように中まで傷んでいました。
傷んだ部分までしっかりとカットするとこのぐらいになります。ただ傷んだ部分をカットすれば、残りは普通に茹でて食べてもおいしかったです。
それぞれの方法で6週間保存した結果を比較するとこうなります。色は野菜室で保存したものの方が緑が濃いです。
底側を見ると野菜室で保存した方はカビがはえてしまっています。
ちなみに今回の検証についてはこちらの動画でも取り上げているので、よかったら合わせて参考にしてみてください。
常温でもかぼちゃは長期保存できますが、やはり野菜室じゃないと心配という方もいるかと思います。そこで野菜室でもなんとか白カビの発生を抑えながら長期保存ができないか検証してみました。
そのまま新聞紙に包んで野菜室で保存すると湿気が下にたまって白カビが生えてしまったので、今回はこのように100均で台を買ってきました。
こちらを下に敷きます。こうすることで空気の通り道を作り、湿気が下にこもらないようにします。この上に新聞紙で包んだかぼちゃを置いて野菜室で保存します。
さらに1、2週間ごとに上下をひっくり返し、片側だけに湿気がこもらないようにします。これで同じように保存してみることにします。
まずは初日の状態です。底側ですが奇麗な状態です。
こちらは6週間目の状態です。白カビができていないか恐る恐る新聞紙を開いてみたところ、このように白カビは見当たらず、きれいな状態を維持していました。
並べるとこんな感じです。初日と比べても黄色い部分がやや広がってきている以外は特に変化がないのがわかるかと思います。
こちらは表側の1日目の状態です。
こちらは6週間目の状態です。こちらも緑は少し薄くなってはいますが、白カビなどは見られません。
6週間目までの変化を並べるとこんな感じです。色以外は特に違いはないのがわかるかと思います。
ちなみにこちらも食べて見ましたが、甘くてほくほくとしておいしいかぼちゃでした。こちらの方法なら野菜室でも問題なく保存ができます。
今回の検証では甘み自体は常温保存前と後で変わるのかどうかまでは検証しませんでした。もちろん常温保存した後も甘かったのですが、それが当初に比べて増しているのかどうかまではわかりませんでした。
そこで別の機会に再びかぼちゃを2つ買ってきて、一方は野菜室で、もう一方は夏場に常温保存してみて、2つを食べ比べて見て甘みに違いが出るかどうかで、常温保存での追熟効果を検証してみました。
こちらは6週間常温保存したかぼちゃと野菜室で保存したかぼちゃを比較したものです。常温保存の方はかなり緑が薄くなってきています。
こちらはカットした断面です。こちらは常温保存の方がかなり果肉に赤みが増してきています。これも追熟の効果なのかもしれません。
気になる味の違いですが、両方をそれぞれ食べやすい大きさにカットしてレンジで加熱してから食べ比べてみました。
意外なことに甘味の方はどちらもそんなに変わりませんでした。ただ果肉は常温保存したものの方が柔らかくなっていました。
かぼちゃは出荷の段階である程度追熟されていて、甘みもしっかり引き出したうえで出荷されているのかもしれません。なのでそこからさらに常温保存で追熟させてみても、そこまで甘みに大きな変化が出なかったのかもしれません。
かぼちゃの追熟効果についてはかぼちゃを常温保存で追熟させたらどのくらい甘みが増すのか検証してみた。でも詳しく検証しているので、こちらも参考にしてみてください。
今回はかぼちゃを常温で、しかも夏場の暑い時期に長期で保存するとどうなるかを実際に検証してみました。結果は2カ月たっても特に傷むこともなく、しっかりと保存することができました。
かぼちゃは常温でしかも夏場であってもそのまま長く保存できることがわかりました。
一方冷蔵庫で保存した場合は、湿度のためか、長期で保存すると一部にカビが生えてしまいました。かぼちゃの保存で特に大事なのは湿度で、いかに湿気がこもらない環境で保存するかが、長期保存のカギなようです。
そこで湿気対策として下に台を敷いてから野菜室で保存してみました。こうすると6週間たっても白カビが発生することもなく保存ができました。
かぼちゃは夏場でも常温での保存が可能です。ただ常温が心配なら野菜室でしっかりと湿気対策をして保存するといいです。