HOME > 間違った野菜の保存方法 > かぼちゃが薬臭い?これ食べれるの?間違った保存法でクリスタル症状が!
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あれ、なんか薬臭い?かぼちゃを保存していて、いざ食べようと調理してみたら、かぼちゃが薬のような味がして、おいしくなくなっていたことってありませんか?
今回は間違ったかぼちゃの保存の仕方で、かぼちゃが薬臭くなってしまった失敗談と、薬臭くなる理由、食べれるのかどうかを実際に検証してみることにします。さらに正しかぼちゃの保存方法も解説します。
今回はかぼちゃをそのまま冷蔵庫の野菜室で保存しました。結果的にこれがよくなかったわけですが、どのように変化していったのかを順を追ってみていきます。
まずは初日の状態です。ハリつやもあり、触るとしっかりとした固さもあります。
こちらは1週間目のものです。見た目はそんなに変化は見られません。
こちらは1カ月目の状態です。やや黄色くなっている部分が色が濃くなってきている気がします。
こちらは6週間目の状態です。熟してきたのか黄色みが増してきている部分も見られますが、傷んだ様子などは特にありません。
並べてみるとこんな感じです。左上が初日のかぼちゃで右上は1週間目のかぼちゃ、左下は1カ月目のかぼちゃで右下は6週間目のかぼちゃです。黄色い部分が濃くなっている以外は特に変化はありません。
野菜室でそのまま保存するかぼちゃの重さの変化についても見ていきます。まずは初日です。重さは1204.7gです。1週間目の重さは1187.5g(-1.5%)で4週間目の重さは1134.5g(-5.9%)、6週間目の重さは1105.1g(-8.3%)です。
かぼちゃは厚い皮で覆われていますが、そのまま野菜室で保存するとやはりだいぶ乾燥は進むようです。
ここまでは特に傷んでいなように見えます。かぼちゃは何もせずともしっかりと野菜室で保存できるんだなと、この時点では思っていました。
乾燥は進みましたが、見た目には特傷んだ様子も見られないので、実際に食べて見ることにしました。
まずは半分にカットします。中は見たところ特に傷んだ様子もありません。
ワタと種をくりぬき、食べやすい大きさにカットしてから煮物にしました。こちらはだし汁と砂糖、しょうゆで味付けをして煮たものです。実際に食べて見たところ、予想していた甘いかぼちゃとは違い、かなり薬っぽい味がしました。
カビは生えていなかったはずなのに、なんでだろう、そもそもカビの匂いともちょっと違う。いったい何だろうと思い調べてみました。
調べてみたところどうやら高温や乾燥下で生育、保存した際に起こる「クリスタル症状」というもののようです。クリスタル症状ではかぼちゃに含まれる糖質やでんぷん質が結晶化してしまうようです。
食べること自体は問題ないそうですが、味がかなり薬っぽくなってしまうようです。残念ながら薬っぽさがかなり強いので、とても食べれたものではありません。もったいないですが残りは処分しました。
確かにカットした断面を改めて見直すと、このように所々結晶化してぷつぷつと白っぽくなっている部分が見られます。カットした際は気にはしませんでしたが、どうやらしっかりとクリスタル症状が出ていたようです。
そのまま保存した場合は乾燥してしまったので、乾燥しないように新聞紙で包んでから冷蔵庫の野菜室で保存した場合はどうなるのでしょうか。野菜室は少し湿度が高いので湿気が底にたまると白カビなどの原因にもなります。
そこで100均で買ってきた台を下に敷きます。
こうすることで下に空気の通り道ができ、湿気がこもりにくくなります。
この上に新聞紙で包んだかぼちゃを置き保存します。
まず初日の状態はこちらです。
こちらは6週間目のものです。特に緑色は少し薄くなってきていますが、それ以外は特に変化は見られません。
並べるとこんな感じです。並べて見ても色が薄くなってきた以外は特に変化は見られません。
そのまま野菜室で保存したものと並べるとこんな感じです。そのまま保存した方が黄色への変色は進んでいるように見えます。
次は重さの変化です。1日目の重さは1333.7gです。これが6週間たつと重さは1252.5gです。初日の1333.7gからは6.1%減少しています。
そのまま保存したものと比べるとこんな感じです。やはり新聞紙で包んだほうが重さの減りは少ないです。
ちなみに半分にカットした断面はこんな感じです。中の種やワタの部分は特に傷みは見られません。
そのままの方と比べて見てもクリスタル症状が出ていないのがわかるかと思います。
こちらもこのようにカットしてからレンジで加熱し、食べて見ましたが、甘くておいしいかぼちゃでした。
野菜室以外でも常温でも保存は可能です。同じように新聞紙で包んで常温保存したものも見ていくことにします。まずはかぼちゃが乾燥しないように新聞紙で包みます。これをダンボールの上にのせて、室内で常温保存います。
まずは初日の状態です。
こちらは2カ月目の状態です。大分緑の色が薄れてきています。
並べるとこんな感じです。色味の変化がよくわかるかと思います。
それぞれの保存方法での変化を並べるとこんな感じです。色は常温で保存したものが大分緑が薄くなっています。
次は重さの変化です。常温で保存したかぼちゃの1日目の重さは1794.6gです。2カ月目の重さは1691.4gで、初日の1794.6gからは5.8%減少しています。
それぞれの保存方法での重さの変化を並べるとこんな感じです。やはり新聞紙に包まずそのまま野菜室で保存したものが、最も重さの減りが多いです。
ちなみに常温での検証は27度から30度の温度帯で行いました。
断面をカットしてみるとこんな感じです。中も特に傷んだ様子は見られません。クリスタル症状も特に出ていません。レンジで加熱してから食べて見ましたが甘くておいしいかぼちゃでした。
それぞれの保存方法での変化を並べるとこんな感じです。そのまま野菜室で保存以外の2つにはクリスタル症状は見られません。
ちなみに今回の失敗談についてはこちらの動画でも取り上げているので、よかったら合わせて参考にしてみてください。
またかぼちゃの保存方法全般についてはかぼちゃの保存方法と保存期間、長持ちのコツでも詳しく解説しています。
今回はかぼちゃの保存に失敗して薬っぽくなってしまった失敗談について取り上げました。かぼちゃは厚い皮に覆われているので、乾燥に強そうなイメージでしたが、そのまま野菜室で長期保存すると、結構乾燥が進んでしまいます。
乾燥するとかぼちゃはクリスタル症状を起こし、薬っぽくなって味が大きく落ちてしまいます。
一方乾燥対策で新聞紙に包んで野菜室で保存する方法なら、6週間たっても特に問題もなく保存もでき、味もおいしい状態を維持することができます。
また常温で新聞紙に包んで保存した場合も同様、2カ月たっても特に傷みもなく、またカットしてみてもクリスタル症状なども見られません。なので長期保存するなら新聞紙で包んでから野菜室で保存するか、常温での保存をおすすめします。