HOME > 間違った野菜の保存方法 > かぼちゃに白カビが!この保存方法だけはやっちゃダメ!ちなみにまだ食べれるの?
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かぼちゃは長期保存が可能な野菜ですが、保存の仕方が悪いと白カビができることがあります。そこで今回は白カビを発生してしまったかぼちゃの保存の失敗談と、正しいかぼちゃの保存方法を紹介します。
かぼちゃは常温でも長期保存ができる野菜です。また分厚くてかたい外皮に覆われているので、乾燥にも強い野菜です。しかしながら湿度が高い環境で、長期保存する場合には注意が必要です。
今回はこの湿度が理由で白カビが発生してしまいました。まずは今回失敗した保存方法について見ていきます。かぼちゃを新聞紙で包み、そのまま冷蔵庫の野菜室に入れて保存しました。
今回は底側での変化が大きかったので、まずは底側から見ていきます。まずは初日の状態です。ハリつやもあり色も濃い緑色できれいです。
こちらは1週間目です。特に変化は見られません。
こちらは1カ月目です。特に変わった様子は見られません。
こちらは6週間目です。ところどころ白カビが発生していました。まさか冷蔵庫の野菜室に保存して白カビが生えるとは思いませんでした。下の方が湿気がたまりやすいので、おそらく湿気により白カビが発生したのだと思われます。
並べてみるとこんな感じです。左上が初日のかぼちゃの裏側で右上は1週間目のもの、左下は1カ月目のもので右下は6週間目のものです。1か月前までは特に変化がなかったものが、6週間目にして白カビが発生しているのがわかるかと思います。
ちなみに新聞紙に包んで野菜室で保存するかぼちゃの表側の初日はこんな感じです。ハリつやもあり、触るとしっかりとした固さもあります。
こちらは1週間目です。見た限りでは特に大きな変化は見られません。
こちらは1カ月目です。1か月たっても特に変化は見られません。
こちらは6週間目です。こちらは6週間目でも特に大きな変化は見られません。表側よりも底側の方が湿気がたまりやすく、カビも生えやすいようです。
並べてみるとこんな感じです。左上が初日のかぼちゃで右上は1週間目のかぼちゃ、左下は1カ月目のかぼちゃで右下は6週間目のかぼちゃです。並べても表側にはそんなに変化がないのがわかるかと思います。
重さの変化を見ていくとこんな感じです。初日の重さは2013.1gです。
そこから6週間目までの重さの変化はこんな感じです。1週間目は2002.5gで初日からは0.6%減、1カ月目は1972.9gで初日からは2.0%減、6週間目は1953.9gで初日からは3.0%減となっています。
経過日数 | 重さ(増減率) |
---|---|
初日の新聞紙で包んで野菜室で保存するかぼちゃ | 2013.1g |
1週間目の新聞紙で包んで野菜室で保存したかぼちゃ | 2002.5g(-0.6%) |
1カ月目の新聞紙で包んで野菜室で保存したかぼちゃ | 1972.9g(-2.0%) |
6週間目の新聞紙で包んで野菜室で保存したかぼちゃ | 1953.9g(-3.0%) |
ちなみに白カビが生えたかぼちゃですが、他の部分はきれいだったので、白カビの生えた部分をしっかりと取り除けば食べれそうです。
そこで白カビ部分を包丁で切り取ってみました。
ただこの程度の切り込みでは、果肉が変色している部分があり、まだ傷みは中まで進んでいそうです。そこでさらに切り込みを深く入れてみました。
局所的ですが、だいぶ中まで傷みが進んでいたようで、ここまで深く切り込みを入れてカットすることで、しっかりと傷んだ部分を取り除くことができました。
半分にカットしてみると、種やワタには特に傷みは見られませんでした。
新聞紙で包むと蒸れて白カビが出てきてしまったので、今度は新聞紙には包まず、そのままで冷蔵庫の野菜室で保存しました。こちらは初日の底側の状態です。
こちらは6週間目です。こちらは底側を見ても特に白カビなども見られず、変わった様子は見られません。やはり湿気がたまらないように新聞紙で包まなかったのがよかったようです。
並べるとこんな感じです。特に変わっていないのがわかるかと思います。
新聞紙で包んで野菜室で保存したかぼちゃと並べるとこんな感じです。どちらも6週間保存したものですが、並べると白カビの有無がよくわかるかと思います。
かぼちゃの表側の1日目はこんな感じです。
こちらは6週間たったものです。熟してきたのか黄色みが増してきている部分も見られますが、傷んだ様子などは特にありません。
並べるとこんな感じです。濃い緑がやや明るくなり、全体的に黄色みが増してきているのがわかるかと思います。
新聞紙で包んだものと並べるとこんな感じです。こちらはどちらも目立った傷みは見られません。
重さの変化はこんな感じです。初日は1204.7gで、これが6週間目では1105.1gで、初日の1204.7gからは8.3%も減少しています。こちらは新聞紙で包んでいなかったせいか、乾燥して大分重さが減ってしまいました。
かぼちゃは厚い皮で覆われていますが、そのまま野菜室で保存するとやはりだいぶ乾燥は進むようです。
経過日数 | 重さ(増減率) |
---|---|
初日のそのまま野菜室で保存するかぼちゃ | 1204.7g |
6週間目のそのまま野菜室で保存したかぼちゃ | 1105.1g(-8.3%) |
味の方はどうなのかを実際に食べて見ることにします。まず半分にカットした断面です。特に傷んだ様子は見られません。こちらをだし汁や砂糖、しょうゆなどで煮物にして食べて見ることにします。
で実際に調理して食べて見たのですが、なぜかかなり薬っぽい味がしました。この薬っぽさが強烈で、正直全然おいしくはありませんでした。食べれないことはありませんが、おいしくないので、残りは処分しました。
調べてみたところかぼちゃは高温や乾燥下にさらされると、かぼちゃに含まれる糖質やでんぷん質が結晶化する「クリスタル症状」というものを引き起こすそうです。食べる分には問題ないようですが、味は薬っぽくなるそうです。
確かに重さの変化でも見ましたが、乾燥はかなり進んでいました。また断面にもクリスタル症状である、ぽつぽつとした白い結晶のようなものが見られます。
6週間新聞紙で包んだ方の断面と比べると、その違いがよく分かります。冷蔵庫でかぼちゃをそのまま保存する方法にもどうやら問題があるようです。
野菜室で保存する方法では白カビが生えたり、薬っぽい味がしたりしてしまったので、次は同じように新聞紙で包み、ポリ袋に入れて室内で常温で保存することにします。
まずは初日の底側の状態です。
こちらは2カ月目です。特に白カビなども見られません。ただ熟してきたのかだいぶ色は黄色っぽくなっています。
並べるとこんな感じです。並べると色味の変化がよくわかるかと思います。
それぞれの保存方法での変化を並べるとこんな感じです。新聞紙で包んで野菜室で保存したもの以外は、白カビなどは見られません。
表側はこんな感じです。
こちらは2カ月たったものです。こちらも熟してきたのか全体的にだいぶ黄色みが増してきています。
並べるとこんな感じです。黄色っぽくなってきているのがわかるかと思います。
それぞれの保存方法での変化を並べるとこんな感じです。常温で2カ月間と少し長めに保存しているので、熟したせいか、色味は常温で保存したものが全体的に一番黄色みが増してきています。
重さの変化はこんな感じです。1日目は1794.6gです。2カ月目は1691.4gで、初日の1794.6gからは5.8%減少しています。
経過日数 | 重さ(増減率) |
---|---|
初日の常温で保存するかぼちゃ | 1794.6g |
2カ月目の常温で保存したかぼちゃ | 1691.4g(-5.8%) |
それぞれの保存方法での重さの変化を並べるとこんな感じです。やはり新聞紙に包まずそのまま保存したものが、最も重さの減りが多いです。
かぼちゃを常温で保存した気温と湿度の変化を見ていくとこんな感じです。初日の気温は29度で、湿度は57%でした。
1週間目の気温は30度で、湿度は58%、1カ月目の気温は28度で、湿度は58%、6週間目の気温は28度で、湿度は55%、2カ月目の気温は27度で、湿度は60%となっています。27度から30度と真夏の時期で検証でした。
断面をカットしてみるとこんな感じです。中も特に傷んだ様子は見られません。クリスタル症状も特に出ていません。レンジで加熱してから食べて見ましたが甘くておいしいかぼちゃでした。
それぞれの保存方法での断面の変化を並べるとこんな感じです。そのまま野菜室で保存したかぼちゃ以外は、奇麗な断面で、クリスタル症状は見られません。
ちなみに今回の失敗談についてはこちらの動画でも取り上げているので、よかったら合わせて参考にしてみてください。
またかぼちゃの保存方法全般についてはかぼちゃの保存方法と保存期間、長持ちのコツでも詳しく解説しています。
ちなみに何とか冷蔵庫でもかぼちゃが長期保存できないかと思い、いくつか白カビが生えないように対策を講じて再び冷蔵庫でのかぼちゃの長期保存にチャレンジしてみました。
まず白カビが生えたのはかぼちゃの底側だけだったので、底側に湿気がたまらないようにこのように台を敷きます。これは100均で買ってきたものです。
台を引くことでそこに空気の通り道ができ、湿気がたまりにくいようにするものです。この上に新聞紙で包んでかぼちゃをのせ、冷蔵庫で保存することにします。
さらに1、2週間ごとに上下をひっくり返して、湿気が一方にこもらないようにします。
まずは初日の底側の状態です。このように奇麗です。
こちらは6週間目です。恐る恐る新聞紙を開いて底側を見てみましたが、このように白カビが一切生えることなく、きれいに保存することができました。
並べるとこんな感じです。特にカビなどがないのがわかると思います。
さらに白カビが生えたかぼちゃと並べるとこんな感じです。並べると白カビの有無がよくわかるかと思います。
ちなみに表側の6週間目までの変化ですが、緑色は少し薄くなってきていますが、こちらも特に白カビなどは見られません。
こちらも食べやすい大きさにカットしてレンジで加熱してから食べて見ました。味の方は特に薬っぽさもなくしっかりと甘くて、食感もほくほくとしておいしかったです。
ちなみに白カビ対策を講じた上でのかぼちゃの保存についてはかぼちゃの冷蔵保存での白カビの発生を抑える対策をしてみた!結果はいかに!でも詳しい検証記事を上げているので合わせて参考にしてみてください。
今回はかぼちゃの保存に失敗して白カビがはえてしまった失敗談を取り上げました。かぼちゃを新聞紙で包んで野菜室で保存する場合、1か月ほどなら特に変化もなく保存ができますが、6週間目になると湿気からか白カビがはえてしまいました。
湿気がこもらないように新聞紙には包まずそのまま野菜室で保存した場合は、6週間目でクリスタル症状が起き、味が大きく劣化してしまいました。
新聞紙で包んで野菜室で保存する場合は湿気が底にこもらないように、下に台を敷いてからその上において保存するといいです。こうすると白カビが発生することなく野菜室でも長期保存ができました。
また常温で保存した場合も2カ月たっても特に白カビなども発生せず、またクリスタル症状も出ることもなくおいしさを維持していました。なのでかぼちゃを長期で保存したいなら、しっかりと湿気対策をして野菜室で保存するか、常温での保存をおすすめします。