緑がかってきたジャガイモ、まだ食べられるのかどうか気になるかと思います。結論から先に言うと食べない方がいいです。今回は緑がかったじゃがいもを通常のジャガイモと比較しながら、その違いについてみていきます。
さらに緑色に変色してしまう理由や、変色したジャガイモを食べるとどうなるのかについても解説します。最後にジャガイモの上手な保存法についても取り上げます。
緑がかったじゃがいもはこのように見た目でもやや緑っぽくなっています。
ちなみに通常のジャガイモはこのように黄金色です。
並べるとこんな感じです。左が通常のジャガイモで、右は緑がかったじゃがいもです。並べるとその違いがよく分かるかと思います。
ちなみにこちらは男爵イモと呼ばれる品種です。ジャガイモはメークインと呼ばれる品種も市場によく出回ります。メークインは男爵イモほど黄色ではなく、土っぽい色をしています。こちらも鮮度が落ちると緑がかってきます。
男爵いもとメークインの違いについては男爵いもとメークインの違いと料理での使い分けで詳しく解説しています。
緑がかったじゃがいもの皮をむいてみると、中の果肉も緑がかった色をしています。匂いも青っぽい感じが強くなります。
こちらは通常のジャガイモの果肉です。奇麗な黄色です。
並べるとこんな感じです。左は通常のジャガイモの果肉で、右は緑がかったじゃがいもの果肉です。
じゃがいもは基本的には長期保存が可能ですが、保存期間が長くなると芽の周りを中心に緑がかってきます。また日の光に浴びるとすぐに緑がかってきます。日の光を浴びると発芽が促され、芽も出やすくなります。
緑がかった部分にはソラニンやチャコニンが含まれています。ソラニンとチャコニンはアルカロイドの一種でポテトグリコアルカロイド(PGA)と呼ばれる有毒物質です。
アルカロイドの特徴は強い生理作用で、中毒となるものもあれば薬として利用されるものもあります(カフェインやモルヒネ、ニコチンなどもアルカロイドの一種)。
通常のじゃがいもの場合ソラニンやチャコニンはじゃがいも全体に含まれますが、その多くは皮の部分に含まれます。白い実の部分にも含まれますがその量は少量なので、食べても問題ないようです。
緑に変色した部分や芽の部分にはかなり多くのソラニンやチャコニンが含まれているので、この部分を食べるのは厳禁です。
ソラニンやチャコニンを含む芽や緑がかった皮を食べるとめまいや腹痛、場合によっては命を落とす危険もあるので注意してください。ちなみに下の画像はジャガイモの芽です。
ソラニンやチャコニンは熱に強いので、火にかけてもなかなか分解されません。なので加熱したから大丈夫だというものではありません。緑がかったじゃがいもも、その範囲が一部であれば、しっかりとその部分を厚めにカットすれば食べることができます。ただ全体的に緑がかっている場合捨てたほうが無難です。
ちなみに緑がかったじゃがいもについては以下の動画でも詳しく検証しているので、併せて参考にしてみてください。
それでは実際に緑になったじゃがいもはどの程度むけばいいのか検証してみることにします。まずはこちらは別の緑がかったじゃがいもです。
こちらの皮をむくとこんな感じです。キウイフルーツのように果肉が緑色になっているのがわかるかと思います。このままでは当然食べられません。そこで最初に皮を厚くむけば食べられるのかどうかを確認します。
まずは緑がかったじゃがいもをこのように半分にカットします。こちらはカットした断面です。どうやらこのじゃがいもは中まで緑にはなっておらず、通常のじゃがいもと同じように奇麗な黄色です。
半分にカットした際に中までじゃがいもが緑色になっている場合は食べられないので、あきらめて処分しましょう。
こちらは断面をアップにしたものですが、よく見ると外側が緑色になっているのがわかります。どうやらこの部分まで緑への変色が進んでいるようで、ここをしっかりとむいて行けば残りは食べることができそうです。
それでは実際に皮をむいていくことにします。こちらはピーラーで皮を1枚むいた状態です。まだまだ果肉は緑色です。
2回むいた状態です。大分黄色っぽくはなりましたが、まだ若干緑色が残っているような気もします。
3回皮をむいた状態です。もうすでにだいぶ黄色っぽくなってきた気がします。
4回皮をむいた状態です。やはり大分黄色いです。
5回皮をむいた状態です。すでに十分黄色くてあまり変わっていない感じもします。
6回皮をむいた状態です。さすがにすっかり黄色い見た目なので、ここで終了とします。
1回目から6回目までを並べるとこんな感じです。3回目でもかなり黄色いですが、大事を取って6回目までしっかりと皮を重ねてむいてみました。
それでは実際に食べて見ることにします。皮のついた残りの部位も同じように6回しっかりと皮をむき、乱切りにしました。
これを耐熱容器に入れ、ラップをしてレンジで加熱しました。こちらがレンジで加熱したものです。食べて見たところ特に変な味もせず、普通のじゃがいもの味がしました。
緑に変色したじゃがいもを食べた場合に30分後に急激な吐き気や嘔吐に見舞われたといった記事も目にしましたが、今回はしっかりと緑に変色した部分をカットしたので、翌日になっても特に体調に変化はありませんでした。
じゃがいもは光に当たると発芽が促進されてしまうので、直射日光の当たらない場所で保存するようにします。乾燥しないように新聞紙に包んでポリ袋に入れ、冷蔵庫の野菜室で保存するといいです。
室温が7℃〜15℃くらいであれば常温でも保存ができます。この場合も直射日光の当たらない場所で新聞紙で包み、ポリ袋に入れて保存するといいです。
これでだいたい1か月は保存が可能です。ジャガイモの上手な保存方法についてはじゃがいもの保存方法と保存期間、長持ちのコツでも枠しく解説しています。
また以下の動画でもその保存効果について検証しているので合わせて参考にしてみてください。
今回は緑に変色したじゃがいもが食べられるのかどうかを検証しましたが、実際じゃがいもはどのくらいたつと緑化するのでしょうか。
気になったので実際に黄金色の状態から、何日くらいたつと緑化するのかを観察してみました。保存は新聞紙とポリ袋に入れて冷蔵庫の野菜室で保存しました。こちらは1日目です。まだ黄金色で奇麗なじゃがいもです。
こちらは野菜室で保存して4カ月たったものです。4カ月もするとここまで緑に変化してきました。
ちなみに1日目から4カ月目までの変化の様子はこちらです。
1カ月目までは特に色に変化は見られませんが、2カ月目には少し緑がかってきて3カ月目にはさらに緑が濃くなり、4カ月目には大分緑色に変色してしまいました。
皮をむくと中の実はかなり緑色になっています。
断面はこんな感じで外側は緑色になっていますが、中はまだきれいな色をしているので、しっかりと外側の皮をむくことでこちらも問題なく食べることはできました。
ただ緑色への変色が進むとどんどん食べれなくなってくるので、緑色への変色が進む前に消費してしまいたいものです。こちらの検証もじゃがいも保存の参考にしていただけると幸いです。
ちなみに何日で変色してしまうのかについての検証はじゃがいもが緑になるのは保存何日目?実際に観察してみたら驚きの結果に!でも詳しく検証しているので、こちらも併せて参考にしてみてください。
今回は緑がかったじゃがいもについて、通常のジャガイモとの違いや、緑に変色する理由、緑に変色したジャガイモの対処法を詳しく見ていきました。ジャガイモは長期保存が効くので、ついつい常備野菜として使わずにそのままにして置きがちです。
長く保存しすぎてしまうと緑に変色して食べられなくなるので、保存期間内でしっかりと使いきるようにしましょう。