HOME > 間違った野菜の保存方法 > じゃがいもから芽が出てきた!間違った保存法でこんなことに!ちなみにまだ食べれるの?
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じゃがいもも保存の仕方が悪いと芽が出てきてしまいます。そこで今回は芽が出てしまったじゃがいもの保存の失敗談と、芽が出たじゃがいもの調理の仕方、それから正しいじゃがいもの保存方法を紹介します。
今回はジャガイモを常温でそのまま保存しました。ダンボールに新聞紙を敷き、その中にじゃがいもを入れて室内で常温で保存します。
まずは初日の状態です。ハリもあり、適度に乾燥していて奇麗な黄金色です。
重さは160.9gです。
この日の気温は20度で、湿度は62%です。
こちらは1週間目の状態です。見た限りでは特に大きな変化は見られません。
並べるとこんな感じです。左はそのまま常温保存したじゃがいも1日目で、右は1週間目のものです。そんなに違いがないのがわかるかと思います。
重さは159.2gで、初日の160.9gからは1.1%減少しています。
ちなみにこの日の気温は20度で、湿度は62%でした。
こちらは4週間目の状態です。4週たちますが見た限りでは特に大きな変化は見られません。
並べるとこんな感じです。左はそのまま常温保存したじゃがいも1日目で、真ん中は1週間目のもの、右は4週間目のものです。色は少し違いますが、見た目に大きな違いがないのがわかるかと思います。
重さは156.4gで、初日の160.9gからは2.8%減少しています。
ちなみにこの日の気温は21度で、湿度は64%でした。
こちらは5週間と4日たった状態です。4週目までは特に大きな変化も見られませんでしたが、ここにきてだいぶ芽が出てきています。芽が出始めると芽の成長により味や栄養がどんどん落ちてくるので、検証はここまでにします。
並べてみるとこんな感じです。左上が初日のじゃがいもで右上は1週間目のじゃがいもで、左下は4週間目のじゃがいも、右下は5週と4日目のじゃがいもです。
4週間目までそこまで変化のなかったじゃがいもが5週と4日目で芽が出てきているのがわかるかと思います。
じゃがいもは常温でも比較的そのままの状態で保存ができますが、常温での保存期間が長くなるとさすがに芽が出始めてくるようです。
写真がぼやけてしまっていますが、重さは155.3gで、初日の160.9gからは4.5%減少しています。
ちなみにこの日の気温は24度で、湿度は71%でした。
じゃがいもは20度以上の気温での長期保存で発芽しやすくなるようです。また日の光を浴び続けることでも発芽が促進されます。
じゃがいもの芽や芽の根元あたりにはソラニンが含まれています。ソラニンとはアルカロイドの一種でポテトグリコアルカロイド(PGA)と呼ばれる有毒物質です。
アルカロイドの特徴は強い生理作用で、中毒となるものもあれば薬として利用されるものもあります(カフェインやモルヒネ、ニコチンなどもアルカロイドの一種)。
ソラニンを含む芽や緑がかった皮を食べるとめまいや腹痛、場合によっては命を落とす危険もあるので注意してください。
ソラニンは熱に強いので、火にかけてもなかなか分解されません。なので加熱したから大丈夫だというものではありません。芽が生えてきたジャガイモは、芽の部分とさらにその根元あたりを大きめにくりぬいてやるといいです。
こうすれば残りの部分を食べることができます。その範囲が一部であれば、しっかりとその部分を厚めにカットすれば食べることができます。ただ全体的に緑がかっている場合捨てたほうが無難です。
常温で保存する方法では5週間と4日目で発芽が確認されました。そこで新聞紙で包んでポリ袋に入れ、冷蔵庫の野菜室で保存するとどうなるかも確認してみました。
こちらは同じ5週間と4日が経過しても、色も特に変化がなく、また発芽もみられません。
並べるとこんな感じです。左はそのまま新聞紙とポリ袋に入れ野菜室で保存したじゃがいも1日目で、右は5週間と4日目のものです。芽なども出ていないのがわかるかと思います。
常温でも1カ月程度なら発芽することなく保存ができましたが、やはり冷蔵庫の野菜室で保存した方が発芽を抑えられるようです。
同じ期間常温で保存して芽が出たジャガイモと比べるとこんな感じです。野菜室の方は同じ期間でも全然芽が出ていないのがわかるかと思います。
ちなみに今回の失敗談についてはこちらの動画でも取り上げているので、よかったら合わせて参考にしてみてください。
またじゃがいもの保存方法全般についてはじゃがいもの保存方法と保存期間、長持ちのコツでも詳しく解説しています。
ちなみにじゃがいもの保存中に光が当たると本当に芽が出るのか検証したら意外過ぎる結果に!では常温で光をしっかりと遮断した場合には発芽はどうなるのかを検証しています。
こちらの場合は同じようにじゃがいもをそのまま常温で保存したにもかかわらず、1週間ほどで芽が出始めてしまいました。じゃがいもも種類や購入時の鮮度によっては、常温保存した場合に早めに芽が出てしまうこともあるようです。
しらべたところじゃがいもは収穫後に2〜4カ月の休眠期間と呼ばれるものがあり、この間は萌芽しないそうです。休眠期間は植物ホルモンにより複雑に調節されているので、人為的に伸ばすのは困難だそうです。
なのでじゃがいもの休眠期間の残りが少ない場合、常温保存でも1週間ほどで芽が出てしまうこともあるようです。
ただ休眠期間も低温下で保存することである程度は伸ばすことができます。こちらのケースでも野菜室で保存したものは1週間たっても萌芽は見られませんでした。なのでやはりじゃがいもを長期保存するなら冷蔵庫の野菜室での保存がよさそうです。
今回はじゃがいもの保存法に失敗して芽が出てしまった失敗談について取り上げました。じゃがいもは常温でも1か月ほどなら特に変わりなく保存ができますが、保存期間がそれ以上になると徐々に発芽が見られるようになるようです。
一方冷蔵庫の野菜室で保存すれば、同じ長期で保存していても発芽を抑えたまま保存しておくことが可能です。なので保存するなら冷蔵庫の野菜室で保存するといいです。