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じゃがいもを光に当てないで保存したら発芽を抑えれるのか検証したら意外な結果に!

赤い斑点の出たじゃがいも

はじめに

じゃがいもは20度以上の気温と光の当たる環境で保存すると、芽が出やすいといわれています。実は以前の記事で20度以上で、光も当たるという、両方の条件を満たした状態で保存するとどうなるかを検証しました。

結果は保存期間が1か月以上になるころに芽が出てきました。検証記事はじゃがいもから芽が出てきた!間違った保存法でこんなことに!です。

5週間と4日常温保存して芽が出たじゃがいも

今回は20度未満の環境で、光の影響だけに絞って光の当たる環境で保存した場合と、光を遮断した環境で保存した場合で発芽に違いが出るのかどうかを検証してみることにします。

じゃがいもを光に当たる環境下で保存

じゃがいもをそのまま常温保存した時の見た目の変化

今回はジャガイモを光を遮らないようにそのまま常温で保存しました。まずはダンボールに新聞紙を敷き、その中にじゃがいもを入れて室内で常温で保存します。

5週間と4日常温保存して芽が出たじゃがいも

こちらは初日の状態です。ハリもあり、適度に乾燥していて色もきれいです。

じゃがいもをそのまま常温保存1日目

こちらは3日目の状態です。またそんなに大きな変化は見られません。

じゃがいもをそのまま常温保存3日目

こちらは1週間目の状態です。まだ1週間しかたっていないのに、ぽつぽつと芽が出始めてきています。

じゃがいもをそのまま常温保存1週間目

こちらは10日目の状態です。出てきた芽がさらに伸びてきています。

じゃがいもをそのまま常温保存10日目

初日からの変化を並べるとこんな感じです。1週間目から徐々に芽がでて伸びてきているのがわかるかと思います。

じゃがいもをそのまま常温保存1日目から10日目まで

じゃがいもをそのまま常温保存した時の気温と湿度の変化

10日目までの気温と湿度の変化はこんな感じです。1日目の気温は12度で、湿度は61%、3日目の気温は13度で湿度は64%、1週間目の気温は13度で湿度は64%、10日目の気温は16度で湿度は66%です。

じゃがいもをそのまま常温保存1日目から10日目までの気温と湿度の変化

今回は12度から16度と涼しい温度帯での検証でした。

じゃがいもを光に当たらないようにして保存

じゃがいもを新聞紙とアルミで包んで保存した時の見た目の変化

比較のために同じような気温下で光が当たらない場合はどうなるかも見ていきます。まずは光をしっかりと遮断できるように新聞紙で包みます。

じゃがいもを新聞紙で包む

新聞紙だけだと光が透けて入りそうだったので、さらにその上からアルミホイルで包みます。これを同じように常温で保存します。

じゃがいもをアルミホイルで包んで常温保存

まずは1日目の状態です。

じゃがいもを光を遮断して常温保存1日目

こちらは3日目の状態です。そんなに大きな変化は見られません。

じゃがいもを光を遮断して常温保存3日目

こちらは1週間目の状態です。こちらもそのまま保存したものと同じように、ぽつぽつと芽が出始めています。

じゃがいもを光を遮断して常温保存1週間目

しっかりと光を遮断していたにもかかわらず、同じように芽が出てしまったのは以外でした。じゃがいもの発芽にはひかりはそこまで影響は大きくないのかもしれません。

こちらは10日目の状態です。こちらもそのまま保存したものと同じように、芽が大きくなってきています。

じゃがいもを光を遮断して常温保存10日目

初日からの変化を並べるとこんな感じです。徐々にくぼみ部分から芽が出てきているのがわかるかと思います。

じゃがいもを光を遮断して常温保存1日目から10日目まで

常温保存したものと並べるとこんな感じです。光を遮断してもしなくてもどちらも同じように芽が出てしまいました。

じゃがいもを野菜室で保存

じゃがいもを新聞紙とポリ袋に入れて冷蔵保存

常温だと光を遮断してもしなくても芽が出てしまったので、次は新聞紙で包んでポリ袋に入れ、冷蔵庫の野菜室で保存してみることにします。

じゃがいもをポリ袋に入れて保存

こちらは10日間野菜室で保存したものですが、くぼんだ部分からも特に芽が出てきていません。やはり低温で保存するというのが発芽を抑えるうえでは非常に重要なようです。

じゃがいもを野菜室で保存10日目

保存方法別に並べるとこんな感じです。保存時の気温の違いで発芽にここまで差が出ました。

それぞれの保存法での発芽の有無を比較

購入時の鮮度によって発芽迄の日数は異なる

ちなみに前回の検証では同じような条件で常温で保存しても1カ月は芽は出ませんでした。じゃがいもの種類や購入時の鮮度によっても発芽してしまうまでにかかる日数は違うのかもしれません。

じゃがいもを常温保存4週間目

調べたところじゃがいもには自家休眠と呼ばれる期間があるそうです。通常じゃがいもは収穫してから2〜4カ月は萌芽しないそうです。この期間を自家休眠といいます。休眠期間は植物ホルモンにより複雑に調節されているので、人為的に伸ばすのは困難だそうです。

じゃがいもの収穫から休眠期間を経て萌芽するまでの図

おそらく今回検証したじゃがいもは自家休眠の期間があまり残っていなくて、常温保存で比較的早くに芽が出てしまったのだと考えられます。ちなみに自家休眠の期間は 低温で保存することである程度は伸ばすことができるようです。

今回野菜室で保存したじゃがいもが萌芽しなかったのはやはり低温で保存したことが大きいようです。

目の部分にはソラニンが含まれる

ソラニンは有毒成分

じゃがいもの芽や芽の根元あたりにはソラニンが含まれています。ソラニンとはアルカロイドの一種でポテトグリコアルカロイド(PGA)と呼ばれる有毒物質です。

芽が生えたじゃがいも

アルカロイドの特徴は強い生理作用で、中毒となるものもあれば薬として利用されるものもあります(カフェインやモルヒネ、ニコチンなどもアルカロイドの一種)。

芽の部分を食べるとどうなる?

めまいや腹痛、場合によって命の危険も

ソラニンを含む芽や緑がかった皮を食べるとめまいや腹痛、場合によっては命を落とす危険もあるので注意してください。

芽が出てきたじゃがいもの対処法

ソラニンは熱に強いので、火にかけてもなかなか分解されません。なので加熱したから大丈夫だというものではありません。芽が生えてきたジャガイモは、芽が残らないように芽の部分とさらにその根元あたりを大きめにくりぬいてやるといいです。

芽をくりぬいたじゃがいも

こうすれば残りの部分を食べることができます。その範囲が一部であれば、しっかりとその部分を厚めにカットすれば食べることができます。ただ全体的に緑がかっている場合捨てたほうが無難です。

ちなみに今回の失敗談についてはこちらの動画でも取り上げているので、よかったら合わせて参考にしてみてください。

またじゃがいもの保存方法全般についてはじゃがいもの保存方法と保存期間、長持ちのコツでも詳しく解説しています。

まとめ

今回はじゃがいもの発芽への光の影響について検証してみました。結果は光がそのまま当たる環境でも、光をしっかりと遮断した環境でも、どちらも気温が高ければ、同じように発芽してしまいました。

一方冷蔵庫の野菜室で保存した場合は、同じ期間保存しても発芽は見られませんでした。このことからじゃがいもの発芽には光の影響はそれほど大きくなく、一番大きいのは気温なのだということがわかりました。

なのでじゃがいもを長期間発芽させることなく保存しておきたいなら、低温下である冷蔵庫の野菜室で保存しておくことをおすすめします。

公開日 2022/10/09

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生活知恵袋の管理人で管理人の名前も生活知恵袋と申します。料理研究家です。2002年より当サイトを運営。野菜を中心に食品に関する見分け方や保存方法などを、実際の検証とともに解説した記事を多数執筆。光熱費や水道代の節約、衣服や住まい、掃除に関する豆知識も紹介。

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