HOME > カット野菜、余った野菜保存 > カットした白菜の芯に切り込みを入れて保存した方が長持ちするって本当なの?検証してみた
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カットした白菜はそのまま保存するよりも、芯の部分に包丁で切り込みを入れてから保存した方が長持ちするといいますが本当なのでしょうか。気になったので実際に試してみることにします。
そもそもなぜ芯に切り込みを入れると長持ちするのかというと、白菜は外側の葉が成長した後内側の葉が結球して行き、徐々に身が詰まっていきます。なのでそのままだと中の葉の成長とともに外の葉の栄養が消費されて行きます。
そこで芯に切り込みを入れることで中の葉の成長を抑えます。すると外の葉の栄養の消費が抑えられるので、その分長持ちするというわけです。
理屈はわかりましたが実際にどうやるかを解説していきます。まずは白菜を半分にカットします。
次に芯の部分にこのように切り込みを入れます。真ん中は深めに、両側2本は芯の大きさに合わせてやや浅めに包丁を入れます。
横から見るとこんな感じです。
あとはラップで全体を包みます。
これをポリ袋に入れ軽く口をしめ、冷蔵庫の野菜室で保存します。
比較のために芯には何もしないでそのままラップで包んでポリ袋に入れ、同じように野菜室で保存した場合も見ていきます。
そして最後は保存方法の効果を比較するために何もしないで冷蔵庫の野菜室で保存します。
まずは芯に切り込みを入れた方の変化です。こちらは1日目です。断面は白くてきれいで、みずみずしい状態です。
こちらは3日目です。少し黄色い部分の色が薄くなった感じがしますが、そんなに大きな変化は見られません。
こちらは1週間目です。黄色い部分は若干薄くなってきています。白い部分も若干変色してきています。
こちらは2週間目です。白い部分の一部がやや茶色っぽく変色してきています。
2週間目までの変化を並べるとこうなります。徐々に葉の中心が黄色から黄緑に変色してきています。
ちなみに変色してきた断面ですが、右側の様に表面を少しスライスするとこのように中は白くてきれいな状態です。なので変色はあくまで表面にとどまっているのがわかります。
断面を横から見てみるとこんな感じです。1日目は断面は平らな状態です。
こちらは3日目です。断面はやや中心部が盛り上がってきています。
こちらは1週間目です。中心部の盛り上がりが若干高くなってきています。
こちらは2週間目です。中心の盛り上がりが少し高くなっています。
2週間目までの変化を並べるとこうなります。内側が徐々に盛り上がってきているのがわかるかと思います。
次は芯には何もしないで保存した方を見ていきます。まずは1日目です。こちらも断面はきれいでみずみずしいです。
こちらは3日目です。こちらも葉の黄色が若干薄くなった感じがしますが、そんなに大きな変化は見られません。
こちらは1週間目です。黄色い部分は少し薄くなってきています。白い部分も若干変色してきています。
こちらは2週間目です。断面がやや茶色っぽく変色してきている部分が見られます。
2週間目までの変化を並べるとこうなります。こちらも徐々に変色してきているのがわかるかと思います。
白菜の芯に切り込みを入れて保存した方と並べるとこんな感じです。変色具合に関してはどちらもそんなに差は見られません。
ちなみにこちらも表面を少しスライスすると中は白くてきれいな状態です。
断面を横から見るとこんな感じです。1日目は断面は平面です。
こちらは3日目です。断面はやや中心から上が盛り上がってきている感じがします。
こちらは1週間目です。そんなには変わってはいません。
こちらは2週間目です。少し盛り上がりが高くなってきています。
2週間目までの変化を並べるとこうなります。こちらは外側から内側へと徐々になだらかに盛り上がってきているのがわかるかと思います。
芯に切り込みを入れた方と比べるとこんな感じです。比べると芯そのままの方は外側からなだらかに中心へと盛り上がっている感じですが、芯に切り込みを入れた方が外側は平坦で、中心で急にぼこっと盛り上がっている感じです。
葉の盛り上がり方の違いこそ見られましたが、芯に切り込みを入れても入れなくても葉の中心の成長自体は抑えるのは難しいようです。
芯にさらに深く切り込みを入れた場合はどうなるかも検証してみました。こちらは芯と葉の境目を超えて深く切り込みを入れています。
1回目と比べるとこんな感じです。2回目は境目を超えて深く切り込みを入れているのがわかるかと思います。
2週間での変化はこんな感じです。やはりこちらも中心の葉が黄色から黄緑色に変化しています。
2週間切り込みを入れずに保存した方と比べても、色の変色にそんなに差はありません。
横から見た変化を並べるとこんな感じです。やはりこちらも中心からモコっと盛り上がっています。
2週間切り込みを入れずに保存した方と比べるとこんな感じです。こちらも切り込みを入れたほうは中心がモコっともりあがり、そのままの方は外からなだらかに盛りあがりと盛り上がり方の違いはありますが、中心の葉の成長自体は深く切り込みを入れても抑えられないようです。
最後は何もせずそのまま野菜室で保存した場合を見ていきます。まずは1日目です。初日はハリもみずみずしさもあります。
こちらは3日目です。葉の黄色は少し薄くなり、断面は平面だったものが、中心のあたりから少し盛り上がってきています。
こちらは1週間目です。全体的にさらに少ししなびてきて、色も少し薄くなってきています。
1週間目までの変化を並べるとこうなります。日が経つごとに乾燥が進み、緑も薄くなってきているのがわかるかと思います。
保存方法ごとの変化を並べるとこんな感じです。そのまま保存した方は全体的にしなっとして葉と葉の隙間もだいぶ開いてきているのがわかるかと思います。
さらに横から見るとこのように中心が大分盛り上がってきてしまいました。
保存方法ごとの変化を並べるとこんな感じです。どれも中心は盛り上がってきています。
芯に切り込みを入れて保存する白菜の保存効果の検証については以下の動画でも詳しく解説しているので、併せて参考にしてみてください。
芯に切り込みを入れて保存する方法の効果を検証してきましたが、他にもカットした白菜の鮮度を維持する保存方法はあります。
こちらはカットした白菜の内側の葉から先に使うというものです。内側の葉を先にカットしておくことで外側の葉の栄養分の消費を抑えて鮮度を長持ちさせるものです。実際に効果があるのか試してみました。
このように先に内側の葉をカットします。
ラップで包みポリ袋に入れて野菜室で保存します。
こちらは1日目です。葉の色も黄色でみずみずしいです。
こちらは2週間目です。特に大きな変色もなく、色も黄色でハリもあります。
次は内側の葉を残したまま保存するカット白菜1日目です。
こちらは2週間後です。内側の葉を成長してこんもりと盛り上がり、色も黄色から黄緑色へと変色してしまっています。
こちらは内側の葉をカットした方との比較です。カットした方との差がよくわかるかと思います。
やはり内側の葉をカットしてから保存した方がよさそうです。ちなみにこちらの検証についてはカット白菜は内側から使って保存した方が長持ちするって本当?検証してみたら意外な事実が!でも詳しく取り上げているので、こちらも参考にしてみてください。
今回はカットした白菜を生のままでいかに鮮度を維持したまま保存するかを検証しましたが、冷凍保存しておくことでも長持ちさせることは可能です。冷凍保存ならより長期間の保存も可能です。
方法はまずは白菜の葉を一枚ずつ剥がします。鍋に水を入れ、水1リットルに対して小さじ1の塩を加えて火にかけます。沸騰したら白菜の芯の方から入れていき1分茹でます。
茹でたら水けを絞ってからざく切りにします。表面の水気をキッチンペーパーでふき取り冷めるまで待ちます。冷めたら1回に使う分ごとにラッピングして冷凍用保存袋絵に入れ、冷凍保存します。
白菜は他にも塩もみしてから冷凍保存してもいいです。まずは白菜を食べやすい大きさにカットしてボウルに入れます。ここに白菜400gに対して大さじ1/2の塩を振りかけてよく揉みます。このまま30分ほど置いておきます。
しんなりしたら軽く水けをきり、表面の水気もキッチンペーパーで拭きとってから1回で使う分ごとにラップをします。これを冷凍用保存袋に入れ冷凍保存します。これでこちらも1カ月は保存ができます。
まず購入段階で鮮度のいいものを選ぶのも、カットした白菜を長持ちさせるためには重要です。そこでおいしくて鮮度のいい白菜を見分けるポイントを紹介します。白菜は葉が生き生きとした緑色で葉のまきがしっかりしたもの、芯が白くてきれいなものがいいです。
頭の部分が弾力性があるものもの、持ってみて重量感のあるものも良品です。くわしくはおいしい白菜の見分け方・選び方でも解説しているのでこちらも参考にしてみてください。
今回はカットした白菜の芯に包丁で切り込みを入れると鮮度の持ちがよくなるのかどうかを検証しました。結果は予想に反してみずみずしさや色の変色具合に関しては、芯に切り込みを入れても入れなくてもそんなに差はありませんでした。
さらに中心の葉の成長を抑える効果に関しても、中心の葉の盛り上がり方には違いがありましたが、中心の葉の成長自体はどちらでも抑えることは難しいようです。
芯の切り込みの効果に関しては結構期待していたのですが、特に大きな効果は得られませんでした。なのでカットした白菜を保存する場合は、芯に切り込みを入れるか入れないかはそこまで気にしなくてもよさそうです。