HOME > カット野菜、余った野菜保存 > カットした白菜、使いかけで余った白菜の保存方法が本当に効果があるのか検証してみた
|
白菜は1個丸々使い切るのはまれで、だいたいカットして使って残りは保存しておくか、残さずに済むようにあらかじめカットしてあるものを買うことも多いです。
そこで今回は使いかけのカットした白菜を保存する方法を実際に実践してみて、実践しなかった方と実践した方でどのような違いが出るかを見ていきます。その結果から保存方法にどの程度の効果があるのかを検証していきます。
今回は2つの保存方法と何もしないで保存する方法を実践して見て、その違いを検証します。1つ目はカットした白菜全体をラップで包みます。
これをポリ袋に入れて軽く口をしめ、冷蔵庫の野菜室で保存します。
もう一つはラップはせずにそのままポリ袋に入れ、冷蔵庫の野菜室で保存します。
そして最後は保存方法の効果を比較するために何もしないで冷蔵庫の野菜室で保存します。
まずははカットした白菜をラップで包んでポリ袋に入れ、野菜室で保存したときの変化を見ていきます。まずは1日目です。断面は白くてきれいで、葉もみずみずしいです。
こちらは3日目です。そんなに変化はありませんが一部で少し灰色っぽく変色している部分が見られます。
こちらは5日目です。断面の色は少し白からくすんだ色になってきています。葉の黄色っぽかった部分は少し色が薄れてきている感じがします。
こちらは1週間目です。断面は大分白から灰色っぽく変色してきている範囲が広がっています。また葉も少し乾燥してきているように見えます。
1週間目までの変化を並べるとこうなります。徐々に変色してきているのがわかるかと思います。
ちなみに黒く変色するのは白菜に含まれる色素成分のポリフェノールが酸素に触れて酸化することが原因で、食べても特には問題はないそうです。
ただ色もよくないので食べるのは気になるという場合は表面を薄くカットして使うといいです。このように変色している断面ですが、これを包丁で薄く表面をカットするとこのように中は白くてきれいな状態です。
ラップしてポリ袋に入れて保存するカットした白菜の初日の重さは1146.6gです。
3日目の重さは1145.8g(-0.1%)、5日目の重さは1144.9g(-0.2%)、1週間目の重さは1145.4g(-0.2%)です。1週間たってもそんなに重さは減ってはいません。
経過日数 | 重さ(増減率) |
---|---|
ラップとポリ袋で保存した白菜1日目 | 1146.6g |
ラップとポリ袋で保存した白菜3日目 | 1145.8g(-0.1%) |
ラップとポリ袋で保存した白菜5日目 | 1144.9g(-0.2%) |
ラップとポリ袋で保存した白菜1週間目 | 1145.4(-0.2%) |
次にカットした白菜をラップには包まず、そのままポリ袋に入れて野菜室で保存したときの変化を見ていきます。まずは1日目です。断面は白くてきれいで、葉もみずみずしいです。
こちらは3日目です。断面は少し白から変色してきた部分が見られます。
こちらは5日目です。変色していた部分の色がやや濃くなってきています。葉の黄色っぽい部分は少し色が薄れている感じがします。
こちらは1週間目です。茶色っぽく変色している部分がさらに濃くなって広がっています。
1週間目までの変化を並べるとこうなります。こちらも徐々に変色してきているのがわかるかと思います。
ラップで包んでから保存した方と並べるとこんな感じです。ラップの方は灰色っぽく、ポリ袋だけの方は茶色っぽくとやや変色の色味に違いはありますが、変色の程度はどちらもそんなに差はありません。
ただラップの方は断面がラップに接しているので、空気に触れる面がそれだけ減らせ、酸化による変色を抑えられるのかと思っていたのですが、しなかった方と比べてそこまで差がなかったのは意外でした。
個人の場合、市販のラップしてあるカットした白菜の様にぴっちりと隙間なくラッピングするというわけにはいかなかったので、その効果にも限界があるのかもしれません。
ちなみに茶色っぽく変色するのも色素成分の酸化によるものだそうです。気になるなら表面を薄くカットして使うといいです。
このように茶色く変色した断面ですが、このように表面を薄くカットすると中はきれいな状態です。
ポリ袋に入れて保存するカットした白菜の初日の重さは837.6gです。
3日目の重さは835.7g(-0.3%)、5日目の重さは834.6g(-0.4%)、1週間目の834.5g(-0.4%)です。こちらも1週間たってもそんなに重さは減ってはいません。
経過日数 | 重さ(増減率) |
---|---|
ポリ袋で保存した白菜1日目 | 837.6g |
ポリ袋で保存した白菜3日目 | 835.7g(-0.3%) |
ポリ袋で保存した白菜5日目 | 834.6g(-0.4%) |
ポリ袋で保存した白菜1週間目 | 834.5g(-0.4%) |
最後は何もせずそのまま野菜室で保存した場合を見ていきます。まずは1日目です。このようにみずみずしくてハリもあります。
こちらは3日目です。葉の黄色は少し薄くなり、断面は平面だったものが、中心のあたりから少し盛り上がってきています。
こちらは5日目です。乾燥が進みしなっとして全体的な厚みが小さくなってきています。
こちらは1週間目です。全体的にさらに少ししなびてきて、色も少し薄くなってきています。
1週間目までの変化を並べるとこうなります。日が経つごとに乾燥が進み、緑も薄くなってきているのがわかるかと思います。
保存方法ごとの変化を並べるとこんな感じです。そのまま保存した方は全体的にしなっとして葉と葉の隙間もだいぶ開いてきているのがわかるかと思います。
さらに横から見るとこのように中心が大分盛り上がってきてしまいました。
ちなみに1週間ポリ袋に入れた方はこんな感じです。
1週間ラップで包んでからポリ袋に入れた方はこんな感じです。どちらも中心部はそんなに盛り上がってはいません。
ただこちらはカットした断面を両あわせにする形で保存していたので、それが中央部の盛り上がりを抑える要因だったのかもしれないです。
こちらは何もしないでそのまま保存するカットしたトマトの初日の重さは911.2gです。
3日目の重さは870.7g(-4.5%)、5日目重さは830.7g(-8.9%)、1週間目の重さは801.9g(-12.0%)でした。やはり何もしないでそのまま野菜室に入れるとかなり乾燥が進んでしまうようです。
経過日数 | 重さ(増減率) |
---|---|
そのまま保存した白菜1日目 | 911.2g |
そのまま保存した白菜3日目 | 870.7g(-4.5%) |
そのまま保存した白菜5日目 | 830.7g(-8.9%) |
そのまま保存した白菜1週間目 | 801.9(-12.0%) |
それぞれの保存方法ごとの重さの変化を比較するとこんな感じです。そのまま保存したものがかなり重さが減っているのがわかるかと思います。
カットした白菜の保存方法については以下の動画でも詳しく解説しているので、併せて参考にしてみてください。
ちなみによく聞く芯に包丁で切り込みを入れて保存したらどうなるかも検証してみました。
白菜はそのままだと外側の葉の栄養を使って中の葉がどんどん成長していき、その分外側の鮮度が落ちていきます。そこで芯に切り込みを入れることで中の葉の成長を抑え、外側の栄養の消費を少なくして鮮度を保つ保存法です。
これが本当に効果があるのかを検証しました。まずはこのように半分にカットした白菜の芯に包丁で深めに切り込みを3か所入れました。
これをラップをしてポリ袋に入れて野菜室で保存します。
まずは1日目です。断面はきれいでみずみずしいです。
こちらは2週間目です。少し変色は見られますが比較的奇麗です。
こちらは芯に切り込み入れずにラップとポリ袋に入れて2週間保存した白菜の断面と比較したものです。並べてみるとそんなに違いは見られません。
次は中心の盛り上がりの変化です。初日はこのように平面です。
こちらは2週間後です。結構盛り上がってきています。
こちらは切り込みを入れなかった方との比較です。入れない方は外からなだらかに盛り上がり、入れたほうは中心から急にぼこっと盛り上がっています。
盛り上がり方は違いますが、どちらも盛り上がっているので、芯に切り込みを入れたからと言って中心の成長を抑える効果はそんなにないようです。
芯に切り込みを入れる効果も検証してみましたが、しなかった方と比べてそこまで大きな違いは見られませんでした。こちらの検証についてはカットした白菜の芯に切り込みを入れて保存した方が長持ちするって本当なの?検証してみたでも詳しく検証しているので、こちらも参考にしてみてください。
芯に切り込みを入れて保存する方法のほかにもう一つの保存法として、カットした白菜の内側の葉をカットしてから保存するという方法もあります。
そのままだとどんどんと成長する内側の葉を先にカットすることで、栄養分の消費を抑えて鮮度を長持ちさせるというものです。
これが本当に効果があるのかを検証しました。まずはこのように4分の1にカットした白菜の内側の葉をこのようにカットします。
これをラップをしてポリ袋に入れて野菜室で保存します。
まずは1日目です。断面はきれいでみずみずしいです。
こちらは2週間目です。特に大きな変色もなく、色も黄色でハリもあります。
次は内側の葉を残したまま保存するカット白菜1日目です。
こちらは2週間後です。内側の葉は盛り上がり、色も黄色から緑色の変わってきています。
こちらは内側の葉をカットした方との比較です。カットした方は葉の盛り上がりもなく、色も黄色のままなのがわかるかと思います。
やはり内側の葉をカットしてから保存する方法は効果があるようです。ちなみにこちらの検証についてはカット白菜は内側から使って保存した方が長持ちするって本当?検証してみたら意外な事実が!でも詳しく取り上げているので、こちらも参考にしてみてください。
今回はカットした白菜を生のままいかに鮮度を保って保存するかを実践し、その効果を検証してみましたが、冷凍保存しておくことも可能です。冷凍保存なら長期保存も可能です。
まずは白菜を1枚ずつ剥がして茹でます。鍋に水を入れ、水1リットルに対して小さじ1の塩を加えて火にかけます。沸騰したら白菜の葉を芯の方から入れて1分茹でます。
白菜の水気を絞ってからざく切りにします。表面の水気もキッチンペーパーで拭きとります。あとは冷めるまで待ってから1回に使う分ごとにラッピングして冷凍用保存袋に入れ、冷凍保存します。
白菜は塩もみしてから冷凍保存してもいいです。まずは食べやすい大きさにカットしてボウルに入れ、白菜400gに対して大さじ1/2の塩を振りかけてよく揉みます。このまま30分ほど置いておきます。
しんなりしたら軽く水けをきり、表面の水気もキッチンペーパーで拭きとってから1回で使う分ごとにラップをします。これを冷凍用保存袋に入れ冷凍保存します。これでこちらも1カ月は保存ができます。
まず購入段階で鮮度のいいものを選ぶのも、カットした白菜を長持ちさせるためには重要です。そこでおいしくて鮮度のいい白菜を見分けるポイントを紹介します。白菜は葉が生き生きとした緑色で葉のまきがしっかりしたもの、芯が白くてきれいなものがいいです。
頭の部分が弾力性があるものもの、持ってみて重量感のあるものも良品です。くわしくはおいしい白菜の見分け方・選び方でも解説しているのでこちらも参考にしてみてください。
今回はカットした白菜の保存方法が本当に効果があるのかどうかを検証しました。何もしないで保存するとかなり乾燥が進んで葉もしなっとしてしまいます。
一方ポリ袋に入れたりラップをしてから保存した場合は、断面はややしなびていますが、葉はしっかりとハリやみずみずしさを維持していて、重さもほとんど減っていませんでした。
なのでしっかりと保存方法を実施すればカットした白菜でも十分に鮮度を維持したまま保存が可能です。
ちなみにラップをした場合としなかった場合ではそんなに大きな差は見られませんでした。なのでそのままポリ袋に入れるだけでも十分に保存効果は得られます。