HOME > 食品を上手に冷凍保存・解凍する方法 > 大根の輪切りが冷凍保存してもまずくならないって本当なの?鍵は金属トレイだった!急速冷凍の威力とは!
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大根は実は冷凍にはあまり向いてない野菜で、輪切りにして冷凍する場合は生でも下茹でしたとしても食感は大きく落ちます。
ただ味や鮮度が落ちにくい急速冷凍をした場合はどうなのでしょうか。気になったので今回実際に検証してみることにします。
そもそも今回検証しようと思ったきっかけというのが以前取り上げたと業務スーパーの冷凍大根って味や食感はどうなの?産直の大根と食べ比べて見たいう記事です。
こちらの冷凍大根を煮物にして食べてみたところ食感が特にぶよっとした感じもなく、柔らかくてトロっとしたおいしい食感でした。
冷凍なのにおいしかったのでなぜなんだろうと理由を考えてみたところ、こちらの商品は急速冷凍によって冷凍されたものでした。
野菜はゆっくりと冷凍すると冷凍の際にできる氷結晶も大きくなり、食品へのダメージもその分大きくなるそうです。一方で急速冷凍すれば氷結晶も小さくて済み、食品のダメージも抑えることができるようです。
なので急速冷凍をすればもしかしたら自分で大根を冷凍する場合でも食感よく冷凍保存ができるんじゃないかと思い今回検証してみたわけです。
ただ業務用などの急速冷凍機の場合は庫内の気温も通常の冷凍庫よりも低く、さらに急速冷凍が進むような工夫も取り入れられているそうです。
一方通常の家庭用の冷蔵庫の場合は冷凍庫内の温度も業務用ほど低くなく、急速冷凍に適したような作りにもなっていません。
そこで今回は金属トレイを使うことにしました。金属トレイは熱伝導率が空気よりも高いので、その分早く冷却することができます。今回はこちらの金属トレイを使って大根を冷凍保存してみることにします。
まずは大根を輪切りにします。厚みがありすぎるとその分冷凍にも時間がかかりそうなので、今回は1.5cm程とやや薄めに輪切りにしました。さらに皮をむきます。
生で冷凍する場合はこのまま冷凍用の保存袋に入れます。
下茹でする場合は輪切りにした大根を鍋に入れ、大根が浸るくらいにひたひたに水を入れます。そこに大根300gに対して米を大さじ1入れて火にかけます。沸騰したら中火で15分ほど煮込んだら火を止め、そのまま冷めるまで待ちます。
冷めたら冷凍用の保存袋に入れます。
さらに金属トレイの上にのせて冷凍保存します。
保存袋に入れる際は重ならない程度の分量で入れてください。重なってしまうとその分冷凍にも時間がかかってしまいます。
量が多くて重ねないと一度に冷凍しきれない場合は、余った分はいったん冷蔵庫などに入れておくといいです。
それで最初の分を5〜6時間ほど冷凍してしっかり冷凍出来たら、金属トレイから取り出して普通に冷凍し、カラの金属トレイに今度は冷蔵庫に入れていた分をのせて冷凍保存します。
ちなみに金属トレイは2個用意して上からも乗せると上下から一気に冷却できます。
さらに金属トレイは先に冷凍庫に入れてこのように冷やしておくとなおいいです。またしっかりと冷凍できるまではその間冷凍庫の扉は開けない方がいいです。開閉することで中の冷気が出てしまうので、その分冷凍に時間がかかってしまいます。
それでは実際に急速冷凍した大根の味や食感はどうなのかを確かめてみることにします。
今回も大根のだし煮にしてみることにします。下茹でして冷凍したものは25分、生で冷凍したものは下茹でしてないだけゆで時間が少ないので40分煮込みます。
こちらは下茹でして急速冷凍した大根の輪切りで作った大根のだし煮です。食べてみたところぶよぶよした食感はあまりなくてちゃんと適度に柔らかい大根でした。
正直金属トレイではさんで冷凍しただけで急速冷凍できるのかどうか不安でしたが、ここまで食感がよくなったのには驚きました。ただ業務スーパーの冷凍大根と比べると外側にぶよぶよとした食感が少しあります。
やはり業務用の冷凍庫の場合は家庭用よりも冷却温度が低いので、金属トレイを使ったとはいえ限界はあるようです。それでも使わないのと比べるとかなり食感は改善しています。味の方はしっかりとだしがしみこんでおいしかったです。
急速冷凍してない方と並べるとこんな感じです。見た目からも表面の固さやぶよぶよ感が全然違うのがわかるかと思います。
こちらは生で急速冷凍した大根の輪切りで作った大根のだし煮です。食べてみたところこちらも急速冷凍してないものに比べるとぶよぶよ感は減っています。ただぶよぶよとした食感とやや水っぽい食感があって、下茹でして急速冷凍したものよりは食感は落ちます。
味の方はこちらもしっかりとだしがしみこんでいましたが、下茹でしたものよりは若干薄いです。
急速冷凍してない方と並べるとこんな感じです。こちらは見た感じはそこまで差はないです。
今回検証した2つの大根と業スーの冷凍大根を比べてみると、業務用の急速冷凍庫を使っていると思われる業務スーパーの冷凍大根が一番食感はよかったです。次いで下茹でして急速冷凍した大根、生で急速冷凍した大根と続きます。
星で表すと業務スーパーの大根が星5なら、下茹でして急速冷凍した大根は星3.9、生で急速冷凍した大根が星3.4といった感じです。
下茹でして急速冷凍すれば全然食べれるレベルで冷凍は可能ですが、業スーの冷凍大根と比べると少しぶよっとした食感はあるので、大根の輪切りの冷凍自体はあまりおすすめはしないです。
ちなみに今回の検証についてはこちらの動画でも取り上げているので、よかったら合わせて参考にしてみてください。
今回は大根の輪切りも金属トレイを使えば本当に急速冷凍できるのか、急速冷凍で味や食感がよくなるのかを検証しました。結果は予想以上に食感の落ちを大きく抑えることができました。
急速冷凍せずにそのまま冷凍した大根の輪切りは食感が悪すぎて正直食べれたものではないです。それが金属トレイを使うことで普通に食べれるレベルで冷凍保存が可能になります。
ただ業務スーパーの冷凍大根と比べると少しぶよっとした食感はあるので、これが業スーレベルまで行けば自分でも冷凍保存してもいいかなと思います。なのであともう一歩よくなれば冷凍保存もおすすめできるかなといった感じです。