HOME > 食材を外で常温保存する方法 > 大根を夏に常温保存しちゃダメなの?検証してみたら意外な結果に!
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大根を保存する場合、通常は冷蔵庫の野菜室で保存します。ただ常温でも保存ができるのか気になったので、今回は夏場の暑い時期に常温で保存した場合にどうなるのかを実際に試してみることにします。
まずは常温での保存の仕方について解説します。大根が乾燥しないように新聞紙で包み、これをポリ袋に入れます。
あとは新聞紙を敷いたダンボールに立てかけて室内で常温保存します。
まずはこちらが初日の大根です。白くてハリつやがあり、しっかりとした固さもあります。
こちらは3日目です。白い根の部分はそこまで大きな変化はありませんが、カットした茎のあたりから新しい茎と葉が伸びてきています。
ちなみに包んでいた新聞紙がやや湿気ていて、ポリ袋内側にも少し水滴がついていたので、新しい新聞紙に交換しました。
こちらは5日目です。5日目では新聞紙を開く前からやや腐ってきているような異臭がしてきています。開けてみるとこんな感じで、カットした茎の部分と白い根の先の方が一部茶色に変色して、傷んで来ていました。
おそらく高い気温と、ポリ袋内での湿気の高さが大根の傷みを速めてしまったようです。
茎の部分は傷んで溶けてきたせいか、このようにぽろぽろと取れてしまっていました。
白い根の先の方はこのように一部が茶色に変色して溶けてきています。さすがにこれ以上はただ傷みがすすむだけなので、検証はここまでにします。
5日目までの変化を並べてみるとこんな感じです。
ちなみに新しく伸びてきた茎や葉は3日目、5日目とどんどん伸びてきています。
ちなみに保存期間中の気温と湿度はこんな感じです。まずは1日目です。気温は30度で、湿度は59%です。3日目の気温は30度で、湿度は65%でした。5日目の気温は29度で、湿度は67%でした。
茎側や白い根の先の方で傷みが出た大根ですが、このように両端の傷んだ部分をカットすると残りはまだきれいな状態でした。
なのでこれ以上傷まないように新聞紙に包んでからポリ袋に入れ、今度は冷蔵庫の野菜室で保存することにします。
保存する前にその日のうちに半分ほど料理に使ってみようと、大根を半分にカットしてみました。するとこのように中が赤茶色に変色していました。端の方の断面は白かったので、中心がこのように変色していたとは驚きでした。
縦にカットするとこんな感じで、変色が広範囲に広がっているのがわかるかと思います。調べたところ大根は高温や乾燥した環境で保存していると、中にすが入り、スカスカとした断面になります。このすが入る前段階で茶色く変色してくるそうです。
確かに夏場という高温下での保存だったので、変色したのもうなずけます。ちなみに変色しても食べる分には問題ないようですが、味は落ちて辛味や苦みが増してくるそうです。
実際に薄切りにして食べて見ましたが、確かに両端の全体的に白い部分とは違い、茶色く変色したものは、大分辛味が増していました。ただ苦みはそんなにありませんでした。食感もジューシーさが少し減っていました。
生でも食べられる味でしたが、しっかりと甘みのあった両端の白い部分よりも味も食感も落ちていました。まああまりおいしくはなかったので、無理して食べなくてもいいかもしれません。
比較のために同じように大根を新聞紙で包み、ポリ袋に入れて野菜室で保存した場合はどうなるかも見ていくことにします。まずは1日目です。
こちらは2週間目です。白い根の方は特に大きな変化は見られません。ただカットした茎の間から新たに葉が伸びてきています。
並べるとこんな感じです。左は新聞紙とポリ袋に入れて野菜室で保存した大根1日目で、右は2週間目です。白い根の部分にはほとんど変化がないのがわかるかと思います。
夏場に常温で保存した大根と比べるとこんな感じです。野菜室で保存した方は白い根に特に傷んだ様子は見られません。
一方茎からは新しい葉が伸びてきています。
新しく伸びてきた葉の方はどちらも同じくらいの長さですが、常温は5日目で、野菜室は2週間目での結果なので、野菜室の方が葉の成長は抑えられるようです。
ちなみに大根を新聞紙で包みポリ袋に入れて野菜室で保存する場合も、このように2、3日ほどでだいぶ新聞紙が濡れてきます。なのでこちらも2、3日ごとにチェックしてみて、濡れている場合は新しい新聞紙で包みなおすようにしてください。
野菜室で2週間保存した大根の茎の根元の方をカットしてみると、断面はこのようにみずみずしい状態です。
また半分にカットして中の状態を見てみると、こちらもすなどは入っていなくて、白くてみずみずしい状態です。
夏場に常温で保存した大根と中の状態を比べるとこんな感じです。色の変色やすの入り具合の違いがよくわかるかと思います。
味の方もこのように薄切りにして、その日に買ってきた大根と食べ比べてみました。結果は特に味や食感に差はありませんでした。やはり野菜室で保存した方が見た目や味の変化を大きく抑えることができるようです。
夏場に常温で保存した大根との味や食感の違いをまとめるとこんな感じです。
ちなみに今回の失敗談についてはこちらの動画でも取り上げているので、よかったら合わせて参考にしてみてください。
また大根の保存方法全般については大根の保存方法と保存期間、長持ちのコツでも詳しく解説しています。
今回は大根を夏場に保存するとどうなるかを検証しました。正直多少は長く保存できるのかなと思っていたのですが、結果は5日目で傷んで一部で溶けてきてしまいました。まさか5日でこうなるとは予想外でした。
ただ傷んだ部分は局所的だったので、その部分をカットすると残りは食べることはできます。それでもカットすると中はやや茶色に変色していて、味は落ちていました。やはり30度台の夏場の高い気温では大根は、常温保存には向いていないようです。
保存する場合は冷蔵庫の野菜室で保存しましょう。野菜室なら2週間たっても大きな傷みもなく、鮮度を維持したまま保存が可能です。