カリフラワーは栄養価の高い野菜の一つですが、上手に保存することで、無駄なく最後まで使えます。そこで今回はカリフラワーの冷蔵庫での保存法、冷凍保存の仕方、解凍の仕方などを詳しく見ていきます。さらに保存しておいたカリフラワーを使ったおいしいレシピも紹介します。
カリフラワーはそのまま保存する場合は、白いつぼみの部分をキッチンペーパーで包みます。
その上から全体にラップをします。
それをポリ袋に入れ、軽く口をしめて冷蔵庫に切り口を下にして立てて保存します。これで2週間は保存ができます。
カリフラワーはゆでてから冷蔵庫で保存することもできます。まずは蕾のついていない茎の部分は火が通りにくいので切り分け、厚い皮の部分を包丁で切り取り、下の画像のように板状にカットします。
つぎに塩(水1リットルに対して2%)とお酢大さじ1を加えて沸騰させた湯に、カリフラワーを切り口の部分を下にして入れます。板状にカットしたつぼみも一緒に入れます。ふたをして2分ほど茹でたら上下をひっくり返してさらに2分茹でます。ゆでたらあとは取り出します。
水にはさらさずに置いておき、冷めたら包丁で茎の部分に切れ目を入れて、手でさいて切り分けます。これを保存袋に入れ、冷蔵庫で保存すれば3日は持ちます。料理の際にゆでる手間が省けるので便利です。
実際にカリフラワーを3重に包んで冷蔵庫の野菜室で保存した場合、どのくらい鮮度は持つのでしょうか。気になったので実践してみることにしました。
比較のために同じように3重に包んで常温で保存した場合と、何もせずそのまま常温で保存した場合も一緒に検証しました。結果は以下の通りです。
経過日数 | そのままのカリフラワー | 3重で野菜室のカリフラワー | 3重で常温のカリフラワー |
---|---|---|---|
1日目 | 718.6g | 692.4g | 592.3g |
3日目 | 686.1g(-4.6%) | 691.8g(-0.1%) | 589.0g(-0.6%) |
1週間目 | 632.1g(-12.1%) | 690.2g(-0.4%) | 586.9g(-1.0%) |
2週間目 | 553.3g(-23.1%) | 687.7g(-0.7%) | 585.4g(-1.2%) |
何の対策もしてない方は水分が抜けて、2週間目には重さが23.1%も減少しています。一方で3重に包んで保存したほうは冷蔵庫の野菜室で-0.7%、常温で-1.2%減に抑えられています。
やはり乾燥対策にはしっかりと包んで保存するのが大事なようです。
こちらは何もしないでそのまま常温で保存したカリフラワーです。外葉がかなり乾燥してしなびています。
並べるとこんな感じです。左は初日の状態で、右は2週間たったものです。並べてみるとこんな感じです。違いがよくわかるかと思います。
芯の部分はこんな感じです。だいぶ色は変色してきています。
並べるとこんな感じです。左は初日の状態で、右は2週間たったものです。色の違いがよくわかるかと思います。
ちなみに味の方も確認するために、茹でてから食べて見ました。こちらは茹でたものです。味はやや味が薄まっていて、食感は少しコリコリと固くなっていました。そのまま常温で保存すると見た目だけでなく、味や食感も結構落ちるようです。
こちらはつぼみをキッチンペーパーで覆い、全体をラップで包んでからポリ袋に入れ、冷蔵庫の野菜室で保存したカリフラワーです。見た限りそんなに傷んだ様子は見られません。
並べるとこんな感じです。左は初日の状態で、右は2週間たったものです。初日からそんなに変化していないのがわかるかと思います。
芯の部分はこんな感じです。左は初日の状態で、右は2週間目のものです。芯は周囲から大分黒く変色してきています。
ちなみに茹でてから食べて見ました。こちらは茹でたものです。食感は普通で、味もしっかりカリフラワーの味がしました。見た目だけでなく味や食感もキープできているようです。
こちらはつぼみをキッチンペーパーで覆い、全体をラップで包んでからポリ袋に入れ、常温で保存したカリフラワーです。ちなみに保存してる間の気温は12度から15度くらいです。
つぼみには黒い斑点が所々見られ、葉の断面も乾燥して黒っぽく変色している部分が見られます。
並べるとこんな感じです。左は初日の状態で、右は2週間たったものです。並べるとつぼみや葉の断面の変化がよくわかるかと思います。
ちなみに2週間たったそのまま野菜室で保存したカリフラワー、3重に包んで野菜室と常温で保存したカリフラワーを並べてみるとこうなります。
そのまま常温保存したものは外葉がだいぶしなびています。3重に包んで常温で保存したものはつぼみに黒い斑点のようなものが出てきています。3重に包んで野菜室で保存したものは葉もつぼみもきれいな状態を維持しています。
芯の部分はこんな感じです。左は初日の状態で、右は2週間たったものです。芯は初日に比べるとだいぶ変色が進んでいます。
そのまま保存したものと3重に包んで野菜室、常温で保存したものとの芯の違いを見てみるとこんな感じです。そのまま保存したものはかなり黒っぽくなり乾燥しています。
野菜室で保存したものは乾燥はそこまでしていませんが、やや黒っぽく変色しています。3重に包んで常温で保存したものは3つの中では比較的変色は抑えられています。
ちなみに茹でてから食べて見ました。こちらは茹でたものです。身はやや固くなっていて、味も少し薄くなっていました。2週間常温保存したものも見た目の変化はそこまでありませんでしたが、味は結構落ちるようです。
それぞれの保存方法での味や食感の違いをまとめるとこんな感じです。
なお以下の動画でも3重に包んで野菜室、常温で保存する方法の効果を、1日目、3日目、1週間目、2週間目と比較しながら検証しているので、併せて参考にしてみてください。
カリフラワーを冷凍保存するときは生ではなく加熱調理してから保存した方が保存性は高まります。生のままだとカリフラワーに含まれる酵素により腐敗が進んでしまいます。この酵素は低温化だとその働きも弱まるのですが、それでも徐々に腐敗は進みます。
そこでカリフラワーをあらかじめ加熱処理することでこの酵素を壊し、腐敗の進行を遅らせることでより保存性を高めることができます。これをブランチングといいます。
冷凍保存は長期間保存できるのでついつい使いそびれてしまうこともあります。後になっていつ保存したのかがわからなくなることもしばしば。そこで保存する際保存日と中身を保存袋に記入しておくことで、後になってもいつ保存したのかがすぐに確認できて便利です。
ちなみに冷凍用保存袋といえばジップロックが有名ですが、こちらはあらかじめ保存袋の表面に日付や保存する食材名を記入する欄がプリントされています。ジップロックはS、M、Lとサイズがあり、スーパーやドラッグストアなどでも売っていますが、ネットでまとめて購入することもできます。
食品の冷凍で大事なのはいかに早く冷凍するかですが、そのためにも保存する際は食材をなるべく薄く平らにして保存しましょう。こうすると素早く均一に冷凍することができます。また解凍時の時間も短縮することができます。
食材を冷凍保存する際に大事なのは素早く冷凍することです。冷凍までに時間がかかるとそれだけ食材の品質も低下します。冷凍庫でより早く冷凍させたいなら熱伝導率の高い金属トレイの上にのせて保存するといいです。さらに上から保冷剤を乗せるとより早く冷凍させることができます。
カリフラワーの冷凍保存についてはカリフラワーの冷凍保存と失敗しない解凍のコツ、活用レシピも紹介でも詳しく解説しています。
冷凍した茹でたカリフラワーは、サラダやあえ物に使うなら前日の夜に冷蔵庫に移して自然解凍しておくといいです。
解凍は常温よりも低温下で行った方が水分の流出も少なく、味や食感が落ちるのも抑えることができます。下の画像は冷凍した茹でたカリフラワーです。
冷蔵庫で自然解凍すると以下の画像のようになります。炒め物やスープなど加熱する料理で使う場合は冷凍のまま使ってもいいです。
茹でてから刻み、冷凍保存したカリフラワーは、サラダなどで使う場合は、前日に冷蔵庫で自然解凍しておくといいです。下の画像は冷凍した茹でて刻んだカリフラワーです。
自然解凍すると以下の画像のようになります。こちらもスープや炒め物など、加熱調理で使う場合は冷凍のまま使ってもいいです。
冷凍保存したカリフラワーを使ったレシピを紹介します。まずは茹でたカリフラワーを使ったレシピです。今回紹介するのはカリフラワーとえびの炒め物です。使う材料は以下の通りです。冷凍した茹でたカリフラワーは、前日に冷蔵庫に移して自然解凍してからでも、冷凍のままでもどちらでもかまいません。
まずは調味料Aをボウルにいれてよく混ぜておきます。むきえびは背ワタ(腸管)が残っている場合はえびの身の中央あたりにつまようじをさして、上にゆっくりと引き上げて取ります。背ワタがちぎれないように力加減には注意が必要です。背ワタが残っていると匂いやジャリっとした触感などが出るので取ったほうがいいです。
つぎにフライパンにサラダ油をひき加熱してから弱火にし、しょうがの薄切りを炒めて香りを油に移していきます。それから強火にしてむきエビとカリフラワーを加えて炒めます。
さらに調味料Aも加えてよく炒めます。さいごに火を止めて同量の水で溶いた片栗粉を回し入れます。再び火にかけフライパンを揺らして片栗粉を全体になじませ、とろみが出て来たら完成です。
次も冷凍保存した茹でたカリフラワーを使ったレシピです。紹介するのはカリフラワーとマッシュルームのサラダです。使う材料は以下の通りです。
まずは解凍したカリフラワーを5mm幅に薄切りにします。マッシュルームも縦に5mm幅にカットします。クレソンは食べやすいように7cmほどの長さに切り分けます。
ボウルにフレンチドレッシングの材料を入れて混ぜ合わせます。油は最後に少しずつたらしながら混ぜ合わせるとよく混ざり合います。
ここのカリフラワーとマッシュルーム、クレソンを加え、よく混ぜ合わせれば出来上がりです。
次に刻んで冷凍保存したカリフラワーを使ったレシピを紹介します。紹介するのはカリフラワーのチャウダーです。使う材料は以下の通りです。なお刻んだカリフラワーは冷凍のまま使えます。
まずは玉ねぎをみじん切りに、ベーコンは5mm幅に切っておきます。鍋にバターを加えて中火にかけ、バターを溶かします。
バターが溶けて来たらたまねぎとベーコンを加えてしんなりするまで炒めます。
薄力粉をふりかけてかき混ぜたら牛乳を加えてよくまぜながら加熱します。
さらに刻んだカリフラワーも加え、顆粒スープのもと、塩、こしょうで味を調整したら、ふたをして弱めの中火で6分ほど煮込んで完成です。
次も冷凍した刻んだカリフラワーを使ったレシピです。紹介するのは具沢山なカリフラワーのスペイン風オムレツです。使う材料は以下の通りです。こちらもカリフラワーは冷凍でも自然解凍したものでも構いません。
まずは玉ねぎを刻みます。次にフライパンに油をひいて熱し、玉ねぎを加えて弱めの中火でしんなりするまで炒めます。
次にトマトを刻みます。ボウルには卵と調味液Aを加えてよく混ぜます。
ここにカリフラワーと炒めた玉ねぎ。刻んだトマトも加えてよく混ぜます。
フライパンにバターをひいて中火にかけ、バターを溶かします。
ここにボウルのオムレツの材料を流し入れます。最初は菜箸などでかき混ぜて空気を含ませます。こうすることでふんわりとします。あとはふたをして加熱します。
下のほうが固くなってきたら、お皿をかぶせてひっくり返します。再びフライパンに滑らせながら戻しいれ、反対側も加熱していきます。
しっかり反対側も固まってきたら出来上がりです。
あらかじめカリフラワーを作り置きのおかずにして保存しておけば、簡単に料理に一品加えることもでき、料理時間の短縮にもつなげることができます。保存は冷蔵庫なら3〜4日、冷凍庫なら2週間ほど可能です。
まずはカリフラワーの温ソースから紹介します。使う材料は以下の通りです。
まずはカリフラワーを茹でます。ゆでる時間は2分ほどです。ゆですぎないようにしてください。ゆで方は水1リットルに対して塩は1%で小さじ2ほど入れます。カリフラワーは茎の方を下にしてふたをしてまるごと茹でます。
つぎにフライパンにサラダ油を入れ、刻んだにんにくを加え、弱火で香りが出るまで炒めます。
さらに粉からし、酢、黒コショウ、塩を加えてよく混ぜながら煮立たせたら火を止めます。
ここに茹でたカリフラワーを加えて、しっかりソースと絡めたら、皿にとって出来上がりです。
それではいったんここでカリフラワーの保存方法別の保存期間を一覧表にしてまとめてみましょう。カリフラワーは冷蔵保存なら1週間、冷凍保存なら1か月ほど保存が可能です。
保存方法 | 保存期間 |
---|---|
冷蔵保存 | 2週間 |
冷凍保存 | 1か月 |
作り置きにして保存 | 冷蔵なら3〜4日、冷凍なら2週間 |
上手に保存すれば長期保存もできるカリフラワーですが、傷んでくるとどうなるのでしょうか。カリフラワーは傷んでくると黒斑点が出てきます。一部ならその部分だけカットすればまだ食べられますが、全体に広がった場合はもう食べられません。
ちなみにこちらは保存に失敗して黒い斑点が出てきたカリフラワーです。ところどころぽつぽつと黒い斑点ができてきているのがわかるかと思います。
斑点が出てしまった失敗談についてはカリフラワーに黒い点や茶色のしみが!カビなの?まだ食べれる?間違った保存法でこんなことに!でも解説しているので、併せて参考にしてみてください。
また異臭やぬめりが出てきた場合ももう食べられないので処分しましょう。
カリフラワーを長持ちさせたいならまずはいいものを選ぶことも大切です。カリフラワーは白いつぼみ部分がよく締まっていてこんもりしているもの、色は白で黒い斑点などがないものがいいです。外葉は青々として新鮮なもの、切り口は白くてみずみずしいものがいいです。
手に取ってみて重量感のあるものも良品です。くわしくはカリフラワーの見分け方・選び方、おいしさと鮮度を見分けるコツを紹介!で解説しています。
今回はカリフラワーの保存方法について取り上げました。カリフラワーは生のままだと冷蔵庫で1週間保存ができます。茹でてから小分けにしたり、刻んでから保存袋に入れ、冷凍保存すれば1か月の保存が可能です。
冷凍したカリフラワーは料理の用途に合わせて自然解凍したり、凍ったまま直接使うといいです。保存しておいたカリフラワーを使ったレシピも紹介しているので合わせて参考にしてみてください。