キャベツは芯の部分につまようじを刺してから保存すると長持ちするといわれていますが本当なんでしょうか。気になったので実際に試してみることにします。
今回はつまようじを刺してから新聞紙に包み、ポリ袋に入れてから野菜室で保存する方法と、そのまま新聞紙で包み、ポリ袋に入れてから野菜室で保存する方法、何もせずにそのまま野菜室で保存する方法の3つを比較して、本当に効果があるのかどうかを検証してみます。
そもそもなぜキャベツの芯につまようじを刺すだけで長持ちするといわれているのでしょうか。まずキャベツは芯から葉が出て成長していきます。
そこでこの方法ではその芯の部分を傷つけることで成長点を壊します。結果成長により栄養分が消費されるのが抑えられるので、長持ちするというわけです。
まずは芯につまようじを刺して保存する方法を紹介します。キャベツをひっくり返して芯側にします。芯につまようじを刺さるまで差し込んでいきます。大体2.2cmほどつまようじが刺さりました。
同じようにして3か所等間隔でつまようじを刺します。
このままだと保存しにくいので、つまようじの出ている部分をハサミでカットします。
こちらはカットしたものです。
これを新聞紙で包み、ポリ袋に入れて軽く口をしめます。あとは冷蔵庫の野菜室で保存します。
比較のために芯には何もせず、そのまま新聞紙で包み、ポリ袋に入れて野菜室で保存する方法も試します。
さらに比較のために今度は新聞紙にも包まず、そのまま冷蔵庫の野菜室で保存する方法も試します。これらの方法と比較することで、芯につまようじを刺して保存する方法がどのくらい効果があるのかを検証します。
まずは芯につまようじを刺して保存するキャベツの見た目の変化を見ていきます。まずは初日です。初日のキャベツはみずみずしくてしっかりとハリもあります。
こちらは1週間目です。特に大きな変化は見られません。
こちらは2週間目です。2週間目でも特に大きな変化は見られません。
こちらは3週間目です。3週間目でも特に大きな変化は見られません。正直3週間たってもここまで鮮度を維持できているのは驚きです。
並べてみるとこんな感じです。左上は初日の芯につまようじを刺して保存するキャベツで、右上は1週間目の芯につまようじを刺して保存したキャベツ、左下は2週間目のキャベツで、右下は3週間目のキャベツです。
3週間たっても当初とあまり変化がないのがわかるかと思います。
次は芯の変化を見ていきます。まずは1日目です。芯も特に変色もなくきれいな状態です。
こちらは1週間目です。芯の部分は少し薄赤色に変色してきました。
こちらは2週間目です。1週間目と比べるとあまり変化はありません。
こちらは3週間目です。芯は少し赤茶色っぽく変色してきています。また右側に少し突起のようなものも出てきています。
並べてみるとこんな感じです。左上は初日の芯につまようじを刺して保存するキャベツの芯で、右上は1週間目の芯につまようじを刺して保存したキャベツの芯、左下は2週間目のキャベツの芯で、右下は3週間目のキャベツの芯です。
芯は徐々に変色していき、突起のようなものが出てきている様子がわかるかと思います。
半分にカットしてみると、このように折り重なる葉はどれもきれいでみずみずしいままです。
また芯の部分も白くてきれいな状態を保っています。正直ここまで鮮度を維持することができたのは驚きです。
重さ変化はこんな感じです。1日目は1140.0gで、1週間目は1131.3g(-0.8%)、2週間目は1120.8g(-1.7%)で3種間目は1109.4g(-2.8%)です。3週間たっても重さはほとんど減っていません。
経過日数 | 重さ(増減率) |
---|---|
初日の芯につまようじを刺したキャベツ | 1140.0g |
1週間目の芯につまようじを刺したキャベツ | 1131.3g(-0.8%) |
2週間目の芯につまようじを刺したキャベツ | 1120.8g(-1.7%) |
3週間目の芯につまようじを刺したキャベツ | 1109.4g(-2.8%) |
ちなみに新聞紙とポリ袋に入れて野菜室で保存していると、キャベツから出る水分で新聞の下になっている部分が濡れてくることがあります。
そのままだと傷みやすくなるので、2、3日ごとに新聞紙が濡れていないかチェックしてみて、濡れていたら新しいものに交換してください。
つぎは芯につまようじは刺さず、そのまま新聞紙とポリ袋に入れて保存したキャベツの見た目の変化を見ていきます。まずは1日目です。
こちらは1週間目です。特に大きな変化は見られません。
こちらは2週間目です。ほとんど変化はありませんが、ごく若干ですが葉先がしなっとした感じになってきています。
こちらは3週間目です。外葉が少し乾燥してハリがなくなってきています。
並べてみるとこんな感じです。左上は初日の新聞紙とポリ袋に入れて保存するキャベツで、右上は1週間目の新聞紙とポリ袋に入れて保存したキャベツ、左下は2週間目のキャベツで、右下は3週間目のキャベツです。
2週目から3週目にかけて少し葉にハリがなく泣てきているのがわかるかと思います。
新聞紙に包んでからポリ袋に入れ保存したものと、さらに芯につまようじを刺して保存したものとの3週目での結果を比較してみると、外葉に関しては芯につまようじを刺したものの方がハリやみずみずしさを維持した状態で保存ができました。
次は芯の変化を見ていきます。まずは1日目です。
こちらは1週間目です。芯の部分は少し変色してきています。
こちらは2週間目です。芯は若干ですが茶色っぽく変色してきています。また少し中央部分からポコンと突起のようなものが出てきています。
こちらは3週間目です。断面もさらに茶色っぽく変色が進んでいます。さらに中央から出ていた突起物の範囲が広がってきています。おそらく芯が長期の保存で少しずつ成長してきているものと思われます。
並べてみるとこんな感じです。左上は初日の新聞紙とポリ袋に入れて保存するキャベツで、右上は1週間目の新聞紙とポリ袋に入れて保存したキャベツ、左下は2週間目のキャベツで、右下は3週間目のキャベツです。
こちらは2週目あたりから出てきた突起物が、3周目でさらに大きくなっています。
芯につまようじを刺して保存した方と比べてみると、つまようじを刺さない方は2週目あたりから突起のようなものが出てきはじめ、それが3周目でさらに大きくなっています。一方でつまようじを刺した方は、3周目でようやく突起のようなものが出始めています。
これが芯の成長によるものだとすると、やはりつまようじを刺したことで成長のスピードを抑えることができているのだと考えられます。
半分にカットしてみたところ、断面に関しては特に傷んだ様子もなく、白くてきれいな状態を維持していました。
芯につまようじを刺して保存した方と比べると、こちらは両者にそれほど大きな違いは見られませんでした。どちらもきれいな白でみずみずしい状態です。
重さの変化を見てみるとこんな感じです。1日目は1209.8gで1週間目は1196.3g(-1.2%)、2週間目は1182.9g(-2.3%)で3週間目は1166.3g(-3.6%)です。つまようじを刺して保存した方の3週間目の重さの変化の-2.8%と比べると若干多いですが、それほど差はありません。
経過日数 | 重さ(増減率) |
---|---|
初日の新聞紙とポリ袋に入れたキャベツ | 1209.8g |
1週間目の新聞紙とポリ袋に入れたキャベツ | 1196.3g(-1.2%) |
2週間目の新聞紙とポリ袋に入れたキャベツ | 1182.9g(-2.3%) |
3週間目の新聞紙とポリ袋に入れたキャベツ | 1166.3g(-3.6%) |
キャベツの芯につまようじもささず、新聞紙やポリ袋にも入れないでそのまま冷蔵庫の野菜室で保存した場合の見た目の変化も見ていきます。まずは1日目です。
こちらは1週間そのまま保存したキャベツです。そのまま保存した外葉がかなりしなびれて、ハリもなくしんなりしています。
並べてみるとこんな感じです。左は初日のそのまま保存するキャベツで、右は1週間目のそのまま保存したキャベツです。見た目にもかなり変わってきているのがわかるかと思います。
次は芯の変化を見ていきます。まずは1日目です。
こちらは1週間目です。芯は全体的に変色してきていて、芯の周囲も黒っぽく変色してきています。
並べてみるとこんな感じです。左は初日のそのまま保存するキャベツの芯で、右は1週間目のそのまま保存したキャベツの芯です。色の違いがよくわかるかと思います。
次は重さの変化です。1日目は637.2gで1週間目は600.7g(-5.8%)です。1週間で5.8%減少しています。
そのまま保存するキャベツについてはすでにかなりしなびれてきているので、検証はここまでとします。
経過日数 | 重さ(増減率) |
---|---|
初日のそのままのキャベツ | 637.2g |
1週間目のそのままのキャベツ | 600.7g(-5.8%) |
ちなみに今回の検証については以下の動画でも取り上げているので、併せて参考にしてみてください。
ちなみにキャベツの芯をくりぬいて、そこに湿らせたキッチンペーパーなどを当てるという保存方法もありますが、その効果のほどはどうなのでしょうか。
気になったのでこちらも試してみました。まずは初日の状態です。ハリがありみずみずしいキャベツです。
芯もきれいです。
重さは1076.5gです。
まずはこちらのキャベツの芯の部分を切り抜きます。この際包丁よりも小さなぺてぃーナイフなどがあると便利です。
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次にキッチンペーパーをくりぬいた部分に合うように形を整え、水を含ませてから切り抜いた部分に詰めます。
こちらは9日目の芯をくりぬいて湿らせたキッチンペーパーを当てて保存したキャベツです。表面はみずみずしくてかなりハリのある状態です。水分補給の効果が出ているようです。
ただくりぬいた芯の部分を見ると、かなり茶色に変色してしまっています。ちなみにこの変色はキャベツに含まれる色素成分ポリフェノールが、空気に触れることで参加することが原因のようです。食べても特には問題ないようです。
重さは1080.4gで、初日の1076.5gからは0.3%増です。重さに関しては水分補給の効果で逆に少し増えています。
芯をくりぬいて水を含ませたキッチンペーパーを詰めておく方法は、保水効果により外葉までしっかりとみずみずしさを維持することができます。ただ食べられるとはいえ、くりぬいた芯の部分がかなり茶色に変色してしまいます。
つまようじを刺す方法も3週たってもしっかりと外葉のみずみずしさを維持でき、芯も水を含ませる方法ほどは変色はしないので、つまようじを刺す方法の方が個人的にはおすすめです。
ちなみにキャベツを長持ちさせたいなら、購入段階で鮮度のいいものを選ぶのも大切です。キャベツは葉の緑が濃くて色つやのいいもの、芯の断面が白くてきれいなものがいいです。
また手に取ってみてより重みのあるものも新鮮です。キャベツの詳しい見分け方についてはおいしいキャベツの見分け方・選び方で解説しています。
今回はキャベツの芯につまようじを刺す方法が、本当に効果があるのかどうかを検証してみました。3週間その変化を見ていきましたが、外葉にこそややハリがなくなり、しなびた感じになりましたが、半分にカットした断面は、つまようじに芯を刺さなくてもしっかりとみずみずしさを維持していました。
つまようじの効果はそれほどないのかなと思いきや、芯の部分を見てみると、刺さない方が芯から突起が出るのが早く、その範囲も大きくなっていました。
つまようじを刺したほうは突起が出始めるのも遅く、その大きさも刺さないものよりも小さかったので、やはり成長を抑える効果はあるようです。
成長を抑えることができれば、その分栄養も消費されずに済むので、キャベツの栄養価の維持につながります。なのでキャベツを保存する場合はつまようじを刺して保存する方法をおすすめします。