キャベツの保存方法でよく聞くのが芯の部分をくりぬいてそこに水を含ませたキッチンペーパーを詰めておくというものです。こうすれば鮮度を保ったまま長持ちさせることができるといいますが、実際本当に効果があるのでしょうか。気になったので実際に試してみてその効果を検証してみることにします。
まずは濡らしたキッチンペーパーを使ったキャベツの保存の仕方を詳しく見ていきます。キャベツの芯の部分を切り抜きます。
この際包丁よりも小さなぺてぃーナイフなどがあると便利です。
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次にキッチンペーパーを芯に詰まるように形を整え、水で濡らします。これを切り抜いた部分に詰めます。
上から包む新聞紙が濡れないように、キッチンペーパーの上にラップをかぶせます。
あとは新聞紙で包んでからポリ袋に入れ、軽く口をしめて冷蔵庫の野菜室で保存します。
今回はキッチンペーパーを詰める方法だけでなく、新聞紙とポリ袋に入れて保存する方法も試します。これを何もしないで保存する方法と比較して保存方法の効果を検証していきます。
まずは何もせずに野菜室で保存するキャベツの初日の状態です。葉は葉先までしっかりとハリがありみずみずしいです。
芯は白くて特に変色は見られません。
重さは637.2gです。
つぎは新聞紙に包んでポリ袋に入れ、保存するキャベツです。こちらも葉先もピンとしていて、みずみずしくて新鮮です。
芯も白くて変色は見られません。
重さは1073.2gです。
こちらは濡らしたキッチンペーパーを詰めて、新聞紙で包んでポリ袋に入れ保存するほうのキャベツです。こちらもみずみずしくて葉先もピンとしています。
断面は白くて特に変色は見られません。
重さは1076.5gです。
何もせずにそのまま野菜室で保存したキャベツは、3日目にはやや葉がしなびれてきています。
断面も少し変色してきました。
重さは619.3gで、初日の637.2gからは2.9%減少しています。
つぎは3日目の新聞紙とポリ袋で保存したキャベツです。葉は若干しなびれた感じがします。
断面は若干変色してきました。
重さは1067.6gで、初日の1073.2gからは0.6%減少しています。
こちらは濡らしたキッチンペーパーを詰めて保存したキャベツです。こちらも葉先までピンとしていてみずみずしいです。
断面は若干の変色が見られます。
重さは1081.3gで、初日の1076.5gからは逆に0.4%増えています。保存している間に重さが増えたのはこの方法だけです。
しっかりと水分を吸収していることがわかります。その証拠に濡らしていたキッチンペーパーは以下の画像のように乾いていました。
なので再び濡らしてからキャベツの芯に詰めました。キッチンペーパーは乾いてくるので、2〜3日に1回ぐらい濡らしてやるといいです。
何もせずにそのまま野菜室で保存したキャベツは、 1週間ともなると外葉はかなりしなびれてきました。
芯の周りの黒ずみも少し増えている感じがします。
水分が蒸発し重さもさらに減少しています。重さは600.7gで、初日の637.2gからは5.8%減少しています。ただ思ったほど減少はしませんでした。キャベツは葉が何重にも折り重なっているので、外側に近い葉こそしなびれていますが、中はそれほど水分が抜けていないのかもしれません。
つぎは1週間目の新聞紙とポリ袋で保存したキャベツです。外葉はややしおれが出てきたかなという印象ですが、そこまでハリやみずみずしさも失われていません。
芯はやや変色が進んだかなという印象ですが、周囲はまだ黒ずんではいません。
重さは1059.1gで、初日の1073.2gからは1.4%減少しています。
こちらは濡らしたキッチンペーパーを詰めて保存したキャベツです。こちらは葉先までまだみずみずしいままです。
ただくりぬいた芯の切り口は茶色く変色してきました。ちなみに変色については色素成分のポリフェノールが酸素に触れることでおきるもので、食べても特には問題ないそうです。
重さは1080.9gで、初日の1076.5gからは0.4%増えています。
何もせずにそのまま野菜室で保存したキャベツは、 9日目にもなると外葉のしなびれた感じも増してきています。
ただ外葉を1,2枚はぐと、比較的奇麗でみずみずしい葉が出てきます。キャベツは何層にも折り重なっているので、比較的中の水分は抜けにくい形状なのでしょう。
9日目のキャベツを半分にカットした断面を見ると、まだ比較的奇麗でみずみずしさを保っています。
芯の周囲の黒ずみもさらに増しています。
重さは593.7gで、初日の637.2gからは6.9%減少しています。
経過日数 | 重さ(増減率) |
---|---|
初日のそのままのキャベツ | 637.2g |
3日目のそのままのキャベツ | 619.3g(-2.9%) |
1週間目のそのままのキャベツ | 600.7g(-5.8%) |
9日目のそのままのキャベツ | 593.7g(-6.9%) |
つぎは9日目の新聞紙とポリ袋で保存したキャベツです。外葉もしなびれてきた感じが多少はありますが、そこまで大きな変化はありません。
芯もそこまで大きな変化はありません。
重さは1056.4gで、初日の1073.2gからは1.6%減少しています。
経過日数 | 重さ(増減率) |
---|---|
初日の新聞紙とポリ袋に入れたキャベツ | 1056.4g |
3日目の新聞紙とポリ袋に入れたキャベツ | 1067.6g(-0.6%) |
1週間目の新聞紙とポリ袋に入れたキャベツ | 1059.1g(-1.4%) |
9日目の新聞紙とポリ袋に入れたキャベツ | 1056.4g(-1.6%) |
こちらは濡らしたキッチンペーパーを詰めて保存したキャベツです。こちらも見た目にもほとんど変化は見られません。また新聞紙で包んだものよりも若干葉にみずみずしさがあるように見えます。
ただくりぬいた真の部分はかなり茶色の変色してきました。
重さは1080.4gで、初日の1076.5gからは0.3%増です。9日たっても初日よりも重さがあるのは驚きです。
経過日数 | 重さ(増減率) |
---|---|
初日の濡らしたキッチンペーパーを詰めたキャベツ | 1080.4g |
3日目の濡らしたキッチンペーパーを詰めたキャベツ | 1081.3g(+0.4%) |
1週間目の濡らしたキッチンペーパーを詰めたキャベツ | 1080.9g(+0.4%) |
9日目の濡らしたキッチンペーパーを詰めたキャベツ | 1080.4g(+0.3%) |
ちなみに今回の検証については以下の動画でも取り上げているので、併せて参考にしてみてください。
キャベツを長持ちさせる保存法にはキャベツの芯に濡らしたキッチンペーパーをつける方法以外に、芯につまようじを刺す方法もあります。そこでこちらの方法でもどの程度レタスが持つのかを検証してみました。
まずは初日の状態です。ハリがありみずみずしさのあるキャベツです。
芯の断面もきれいです。
重さは1140.0gです。
今回は芯になるべく深くつまようじを3か所刺します。
保存する際の邪魔にならないよう、飛び出たつまようじの先をカットします。
これをポリ袋に入れ、冷蔵庫の野菜室で保存します。
こちらは3週間たったものです。3週間たっても特に変色などもみられずハリがありみずみずしいままです。
並べるとこんな感じです。並べてもあまり変化がないのがわかるかと思います。
芯の断面は少し赤茶色っぽく変色してきています。
並べるとこんな感じです。徐々に変色してきているのがわかるかと思います。
重さは1109.4gで、初日の1140.0gからは2.8%減少しています。
こちらもカットして断面を見てみることにしましょう。カットした断面も傷んだところもなく、きれいでみずみずしいままでした。
芯につまようじを刺す方法は、3週間たってもほとんど傷んだ様子もなく、鮮度をしっかりと維持していたのは驚きでした。芯をくりぬいて湿らせたキッチンペーパーを詰める方法も効果的でしたが、こちらも非常に効果のある方法です。
芯が茶色に変色してしまうこともないので、色の変色が気になる場合はこちらの方法をおすすめします。
ちなみにキャベツの芯につまようじを刺して保存する方法についてはキャベツにつまようじを刺して保存すると本当に長持ちするのか検証してみたでも詳しく検証しているので、併せて参考にしてみてください。また以下の動画でも検証しています。
ちなみにキャベツは冷凍保存しておくことでも長期保存が可能です。千切りにしたり、ざく切りにして塩もみしてから冷凍保存もできます。またキャベツの葉をそのまま1枚茹でてから冷凍保存することもできます。
冷凍保存は1か月ほど可能です。くわしくはキャベツの冷凍保存と解凍方法、レンジや自然解凍の仕方で解説しています。
今回は芯をくりぬき、そこに濡らしたキッチンペーパーを詰めてから新聞紙で包み、ポリ袋に入れて冷蔵庫の野菜室で保存する方法が、本当に効果があるのかどうかを検証していきました。キャベツは何もせずに保存しても、水分が抜けにくい構造なのか、外葉こそしなびれてきますが、中の葉は比較的鮮度を保っています。
新聞紙とポリ袋に入れるだけでも外葉の葉はそれなりにみずみずしさをキープできますが、若干鮮度は落ちてきます。一方で濡らしたキッチンペーパーを詰めたキャベツは、9日たっても外葉までみずみずしいままです。やはり言われている通り、鮮度をキープする効果が高いということがわかりました。
ただ切り口部分は食べても問題はありませんが変色してくるので、その点が気になる場合は芯はくりぬかず、新聞紙で包んでポリ袋に入れる方法にとどめておくといいでしょう。