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キャベツの芯に濡らしたキッチンペーパーを詰めると本当に鮮度が長持ちするのかを検証してみた!

キャベツの芯をくりぬいて濡れたキッチンペーパーを詰める

はじめに

キャベツの保存方法でよく聞くのが芯の部分をくりぬいてそこに水を含ませたキッチンペーパーを詰めておくというものです。こうすれば鮮度を保ったまま長持ちさせることができるといいますが、実際本当に効果があるのでしょうか。気になったので実際に試してみてその効果を検証してみることにします。

濡らしたキッチンペーパーを使った保存の仕方を解説

まずは濡らしたキッチンペーパーを使ったキャベツの保存の仕方を詳しく見ていきます。キャベツの芯の部分を切り抜きます。

キャベツの芯をくりぬく

この際包丁よりも小さなぺてぃーナイフなどがあると便利です。

下村工業 ネオヴェルダン ペティナイフ 125mm NVD-04
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次にキッチンペーパーを芯に詰まるように形を整え、水で濡らします。これを切り抜いた部分に詰めます。

濡らしたキッチンペーパーを詰める

上から包む新聞紙が濡れないように、キッチンペーパーの上にラップをかぶせます。

上からラップをかぶせる

あとは新聞紙で包んでからポリ袋に入れ、軽く口をしめて冷蔵庫の野菜室で保存します。

キャベツを新聞紙で包んでポリ袋に入れる

濡らしたキッチンペーパーの保存効果を検証

キッチンペーパーを詰めて保存したキャベツの見た目の変化

今回はキッチンペーパーを詰める方法だけでなく、新聞紙とポリ袋に入れて保存する方法も試します。これを何もしないで保存する方法と比較して保存方法の効果を検証していきます。

まずは濡らしたキッチンペーパーを詰める方法です。こちらは濡らしたキッチンペーパーを詰めて、新聞紙で包んでポリ袋に入れ保存するほうのキャベツです。こちらもみずみずしくて葉先もピンとしています。

初日の芯に濡らしたキッチンペーパーを詰めて保存するキャベツ

こちらは3日目です。葉先までピンとしていてみずみずしいです。

3日目の芯に濡らしたキッチンペーパーを詰めて保存したキャベツ

しっかりと水分を吸収していることがわかります。その証拠に濡らしていたキッチンペーパーは以下の画像のように乾いていました。

乾いたキッチンペーパー

なので再び濡らしてからキャベツの芯に詰めました。キッチンペーパーは乾いてくるので、2〜3日に1回ぐらい濡らしてやるといいです。

こちらは1週間目です。葉先までまだみずみずしいままです。

1週間目の芯に濡らしたキッチンペーパーを詰めて保存したキャベツ

こちらは濡らしたキッチンペーパーを詰めて保存したキャベツです。こちらも見た目にもほとんど変化は見られません。また新聞紙で包んだものよりも若干葉にみずみずしさがあるように見えます。

9日目の芯に濡らしたキッチンペーパーを詰めて保存したキャベツ

9日目までの変化を並べてみるとこんな感じです。初日からハリやみずみずしさがほとんど変わっていないのがわかるかと思います。

芯に濡らしたキッチンペーパーを詰めて保存したキャベツの9日目までの見た目の変化

キッチンペーパーを詰めて保存したキャベツの芯の変化

次は芯の変化を見ていきます。こちらは1日目です。断面は白くて特に変色は見られません。

初日の濡らしたキッチンペーパーを詰めて保存するキャベツの芯

こちらは3日目です。断面は若干の変色が見られます。

3日目の濡らしたキッチンペーパーを詰めて保存したキャベツの芯

こちらは1週間目です。くりぬいた芯の切り口は茶色く変色してきました。ちなみに変色については色素成分のポリフェノールが酸素に触れることでおきるもので、食べても特には問題ないそうです。

1週間目の濡らしたキッチンペーパーを詰めて保存したキャベツの芯

こちらは9日目です。こちらは1週間目からはそこまで大きな変化はありません。

9日目の濡らしたキッチンペーパーを詰めて保存したキャベツの芯

9日目までの芯の変化を並べてみるとこんな感じです。芯の色は徐々に変色してきているのがわかります。

芯に濡らしたキッチンペーパーを詰めて保存したキャベツの9日目までの見た目の変化

キッチンペーパーを詰めて保存したキャベツの重さの変化

次は9日目までの重さの変化を見ていきます。1日目の重さは1076.5gです。3日目は1081.3g(+0.4%)、1週間目は1080.9g(+0.4%)、9日目は1080.4g(+0.3%)です。重さに関してはしっかり水分を補給していたことで9日たっても逆に少し増えた状態を維持していました。

芯に濡らしたキッチンペーパーを詰めて保存したキャベツの9日目までの重さの変化

経過日数重さ(増減率)
初日の濡らしたキッチンペーパーを詰めたキャベツ1076.5g
3日目の濡らしたキッチンペーパーを詰めたキャベツ1081.3g(+0.4%)
1週間目の濡らしたキッチンペーパーを詰めたキャベツ1080.9g(+0.4%)
9日目の濡らしたキッチンペーパーを詰めたキャベツ1080.4g(+0.3%)

新聞紙とポリ袋に入れて保存したキャベツの変化

新聞紙とポリ袋に入れて保存したキャベツの見た目の変化

次は新聞紙とポリ袋に入れて冷蔵保存したキャベツの変化を見ていきます。まずは1日目です。葉先もピンとしていて、みずみずしくて新鮮です。

初日の新聞紙とポリ袋で保存するキャベツ

こちら3日目です。葉は若干しなびれた感じがします。

3日目の新聞紙とポリ袋で保存したキャベツ

こちらは1週間目です。外葉はややしおれが出てきたかなという印象ですが、そこまでハリやみずみずしさも失われていません。

1週間目の新聞紙とポリ袋で保存したキャベツ

こちらは9日目です。外葉もしなびれてきた感じが多少はありますが、そこまで大きな変化はありません。

9日目の新聞紙とポリ袋で保存したキャベツ

9日目までの変化を並べてみるとこんな感じです。外葉が徐々にしなびれてきているのがわかるかと思います。

新聞紙とポリ袋に入れて保存したキャベツの9日目までの見た目の変化

新聞紙とポリ袋に入れて保存したキャベツの芯の変化

次は芯の変化を見ていきます。こちらは1日目です。芯は白くて変色は見られません。

初日の新聞紙とポリ袋で保存するキャベツの芯

こちらは3日目です。断面は若干変色してきました。

3日目の新聞紙とポリ袋で保存したキャベツの芯

こちらは1週間目です。芯はやや変色が進んだかなという印象ですが、周囲はまだ黒ずんではいません。

1週間目の新聞紙とポリ袋で保存したキャベツの芯

こちらは9日目です。芯もそこまで大きな変化はありません。

9日目の新聞紙とポリ袋で保存したキャベツの芯

9日目までの変化を並べてみるとこんな感じです。芯はそこまで変色してきていないのがわかるかと思います。

新聞紙とポリ袋に入れて保存したキャベツの9日目までの芯の変化

新聞紙とポリ袋に入れて保存したキャベツの重さの変化

次は9日目までの重さの変化を見ていきます。1日目の重さは1073.2gです。3日目は1067.6g(-0.6%)、1週間目は1059.1g(-1.4%)、9日目は1056.2g(-1.6%)です。こちらは減ってはいますがそこまで大きく減ってはいません。

新聞紙とポリ袋に入れて保存したキャベツの9日目までの重さの変化

経過日数重さ(増減率)
初日の新聞紙とポリ袋に入れたキャベツ1073.2g
3日目の新聞紙とポリ袋に入れたキャベツ1067.6g(-0.6%)
1週間目の新聞紙とポリ袋に入れたキャベツ1059.1g(-1.4%)
9日目の新聞紙とポリ袋に入れたキャベツ1056.2g(-1.6%)

そのまま保存したキャベツの変化

そのまま保存したキャベツの見た目の変化

次はそのまま保存したキャベツの変化を見ていきます。まずは1日目です。葉は葉先までしっかりとハリがありみずみずしいです。

初日のそのまま保存するキャベツ

3日目にはやや葉がしなびれてきています。

3日目のそのまま保存したキャベツ

1週間ともなると外葉はかなりしなびれてきました。

1週間目のそのまま保存したキャベツ

何もせずにそのまま野菜室で保存したキャベツは、 9日目にもなると外葉のしなびれた感じも増してきています。

9日目のそのまま保存したキャベツ

9日目までの変化を並べてみるとこんな感じです。外葉がかなりしなびれてきているのがわかるかと思います。

そのまま保存したキャベツの9日目までの見た目の変化

それぞれの保存方法で保存したキャベツの9日目までの見た目の変化を並べるとこんな感じです。濡らしてキッチンペーパーで当てて保存したキャベツが一番ハリつやがよくてみずみずしいのがわかるかと思います。

それぞれの方法で冷蔵保存したキャベツの見た目の変化を比較

ちなみにそのまま9日間保存したキャベツですが、外葉を1,2枚はぐと、比較的奇麗でみずみずしい葉が出てきます。キャベツは何層にも折り重なっているので、比較的中の水分は抜けにくい形状なのでしょう。

9日目のそのまま保存したキャベツの外葉を剥いだもの

そのまま9日目保存したキャベツを半分にカットした断面を見ると、まだ比較的奇麗でみずみずしさを保っています。

9日目のそのまま保存したキャベツの断面

そのまま保存したキャベツの芯の変化

次は芯の変化です。こちらは1日目です。芯は白くて特に変色は見られません。

初日のそのまま保存するキャベツの芯

こちらは3日目です。断面も少し変色してきました。

3日目のそのまま保存したキャベツの芯

こちらは1週間目です。芯の周りの黒ずみも少し増えている感じがします。

1週間目のそのまま保存したキャベツの芯

芯の周囲の黒ずみもさらに増しています。

9日目のそのまま保存したキャベツの芯

9日目までの変化を並べてみるとこんな感じです。芯はこちらもそこまで変色してきていないのがわかるかと思います。

そのまま保存したキャベツの9日目までの芯の変化

それぞれの保存方法で保存したキャベツの9日目までの芯の変化を並べるとこんな感じです。芯に関しては意外にも濡らしてキッチンペーパーで当てて保存したキャベツが一番変色が進んでいました。濡れた状態だと芯の変色も進みやすいようです。

それぞれの方法で冷蔵保存したキャベツの見た目の変化を比較

そのまま保存したキャベツの重さの変化

次は9日目までの重さの変化を見ていきます。1日目の重さは637.2gです。3日目は619.3g(-2.9%)、1週間目は600.7g(-5.8%)、9日目は593.7g(-6.9%)です。こちらは重さがかなり減っています。

そのまま保存したキャベツの9日目までの重さの変化

経過日数重さ(増減率)
初日のそのままのキャベツ637.2g
3日目のそのままのキャベツ619.3g(-2.9%)
1週間目のそのままのキャベツ600.7g(-5.8%)
9日目のそのままのキャベツ593.7g(-6.9%)

それぞれの保存方法で保存したキャベツの9日目までの重さの変化を並べるとこんな感じです。そのまま保存したキャベツの重さの減りが特に多いのがわかるかと思います。何もしていないのでやはり乾燥が進んでしまったようです。

それぞれの方法で冷蔵保存したキャベツの重さの変化を比較

ちなみに今回の検証については以下の動画でも取り上げているので、併せて参考にしてみてください。

芯につまようじを刺す方法は?

キャベツの芯につまようじを刺して保存

キャベツを長持ちさせる保存法にはキャベツの芯に濡らしたキッチンペーパーをつける方法以外に、芯につまようじを刺す方法もあります。そこでこちらの方法でもどの程度レタスが持つのかを検証してみました。

キャベツの芯につまようじを刺す

まずは初日の状態です。ハリがありみずみずしさのあるキャベツです。

初日のキャベツ

芯の断面もきれいです。

初日のキャベツの芯

重さは1140.0gです。

キャベツの芯につまようじを刺して保存1日目の重さは1140.0g

今回は芯になるべく深くつまようじを3か所刺します。

つまようじの飛び出た部分をカット

保存する際の邪魔にならないよう、飛び出たつまようじの先をカットします。

つまようじをカットしたキャベツ

これをポリ袋に入れ、冷蔵庫の野菜室で保存します。

爪楊枝を刺したキャベツを新聞紙で包みポリ袋に入れて野菜室で保存

3週間目の芯につまようじを刺して保存したキャベツ

こちらは3週間たったものです。3週間たっても特に変色などもみられずハリがありみずみずしいままです。

キャベツの芯につまようじを刺して保存3週間目

並べるとこんな感じです。並べてもあまり変化がないのがわかるかと思います。

キャベツの芯につまようじを刺して保存1日目と1週間目と2週間目と3週間目

芯の断面は少し赤茶色っぽく変色してきています。

つまようじを刺して保存したキャベツの芯3週間目

並べるとこんな感じです。徐々に変色してきているのがわかるかと思います。

つまようじを刺して保存したキャベツの芯1日目と1週間目と2週間目と3週間目

重さは1109.4gで、初日の1140.0gからは2.8%減少しています。

キャベツの芯につまようじを刺して保存3週間目の重さは1109.4g

こちらもカットして断面を見てみることにしましょう。カットした断面も傷んだところもなく、きれいでみずみずしいままでした。

つまようじを刺して3週間保存したキャベツの断面

こちらも効果があった

芯につまようじを刺す方法は、3週間たってもほとんど傷んだ様子もなく、鮮度をしっかりと維持していたのは驚きでした。芯をくりぬいて湿らせたキッチンペーパーを詰める方法も効果的でしたが、こちらも非常に効果のある方法です。

芯が茶色に変色してしまうこともないので、色の変色が気になる場合はこちらの方法をおすすめします。

ちなみにキャベツの芯につまようじを刺して保存する方法についてはキャベツにつまようじを刺して保存すると本当に長持ちするのか検証してみたでも詳しく検証しているので、併せて参考にしてみてください。また以下の動画でも検証しています。

キャベツの冷凍保存の仕方

ちなみにキャベツは冷凍保存しておくことでも長期保存が可能です。千切りにしたり、ざく切りにして塩もみしてから冷凍保存もできます。またキャベツの葉をそのまま1枚茹でてから冷凍保存することもできます。

冷凍保存は1か月ほど可能です。くわしくはキャベツの冷凍保存と解凍方法、レンジや自然解凍の仕方で解説しています。

まとめ

今回は芯をくりぬき、そこに濡らしたキッチンペーパーを詰めてから新聞紙で包み、ポリ袋に入れて冷蔵庫の野菜室で保存する方法が、本当に効果があるのかどうかを検証していきました。キャベツは何もせずに保存しても、水分が抜けにくい構造なのか、外葉こそしなびれてきますが、中の葉は比較的鮮度を保っています。

新聞紙とポリ袋に入れるだけでも外葉の葉はそれなりにみずみずしさをキープできますが、若干鮮度は落ちてきます。一方で濡らしたキッチンペーパーを詰めたキャベツは、9日たっても外葉までみずみずしいままです。やはり言われている通り、鮮度をキープする効果が高いということがわかりました。

ただ切り口部分は食べても問題はありませんが変色してくるので、その点が気になる場合は芯はくりぬかず、新聞紙で包んでポリ袋に入れる方法にとどめておくといいでしょう。

最終更新日 2024/12/10

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この記事を書いた人

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生活知恵袋の管理人で管理人の名前も生活知恵袋と申します。料理研究家です。2002年より当サイトを運営。野菜を中心に食品に関する見分け方や保存方法などを、実際の検証とともに解説した記事を多数執筆。光熱費や水道代の節約、衣服や住まい、掃除に関する豆知識も紹介。

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