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 | 水道代の計算方法
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はじめに
今回は水道代の計算の仕方についてみていくことにします。水道代は電気代のように大手電力会社が幅広い営業範囲で電力を供給しているのとは違い、市町村などの自治体単位で管理・運営されています。また市町村ごとに水道代や料金体系も異なります。
料金体系について
東京都水道局の料金体系
料金体系はすでに述べた通り自治体によって異なるのですが、大まかには大体どこも同じ体系をとっていて、細かな部分での違いがあるようです。水道料金は主に基本料金と、使用量によって決まる従量料金からなります。基本料金はメーターの口径の太さごとに設定されています。従量料金は使用量に応じて1m
3あたりの単価が異なります。ここでは東京都水道局の料金体系を例に見て行く事にします。
(東京都水道局 基本料金 2016/05/02付)
メータ口径
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基本料金
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13mm
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860円
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20mm
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1170円
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25mm
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1460円
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30mm
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3435円
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40mm
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6865円
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50mm
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20720円
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75mm
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45623円
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(東京都水道局 従量料金 メータ口径13mm〜25mm 2016/05/02付)
使用水量
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1m3ごとの単価
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1〜5m3
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0円
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6〜10m3
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22円
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11〜20m3
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128円
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21〜30m3
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163円
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31〜50m3
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202円
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51〜100m3
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213円
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101〜200m3
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298円
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大阪市水道局の料金体系
大阪市水道局の料金体系についても見ていきましょう。基本料金と従量料金の2種類からなるのは同じですが、大阪市水道局の場合は基本料金は一律で850円です。また東京都水道局の場合は1〜5m
3までは従量料金はかかりませんが、大阪市水道局の場合は1m
3から料金が加算されます。ただし10m
3使った場合の従量料金は東京都水道局だと110円で、大阪市水道局なら100円とそれほど差はありません。
(大阪市水道局 従量料金 2016/05/02付)
使用水量
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1m3ごとの単価
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1〜10m3
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10円
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11〜20m3
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97円
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21〜30m3
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124円
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31〜50m3
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168円
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51〜100m3
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230円
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101〜200m3
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293円
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201〜1000m3
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342円
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実際に料金を計算してみる
世帯人員別の月平均使用水量
ここでは使用水量から実際に料金と1リットル当りの単価を計算して見ます。1m
3が1000リットルなので1リットルは1m
3を1000分の1すれば求められます。計算には東京都水道局の料金体系を用います。ちなみに東京都水道局 平成28年度生活用水実態調査によると世帯平均での1ヶ月の水使用量は1人世帯: 8.2m
3 2人世帯:15.9m
3 3人世帯:20.4m
3
4人世帯:24.3m
3 5人世帯:28.5m
3となっています。
世帯人数別1カ月当たりの使用水量
世帯人数 | 使用水量 | 1人当たり使用水量 |
1人 | 8.2立方メートル | 8.2立方メートル |
2人 | 15.9立方メートル | 7.9立方メートル |
3人 | 20.4立方メートル | 6.8立方メートル |
4人 | 24.3立方メートル | 6.1立方メートル |
5人 | 28.5立方メートル | 5.7立方メートル |
6人以上 | 33.9立方メートル | 5.6立方メートル |
世帯人数が増えるほど1人当たりの水使用量は減る
それでは家庭で多く水が使われるのはどこなのでしょうか。こちらも東京都水道局の平成27年度の調査によると、風呂が40%と最も多く、次いでトイレ21%、炊事18%、洗濯15%、洗面その他6%となっています。
家庭で特に水を使うのがお風呂と洗濯機ですが、浴槽に水をためる場合は1人よりも数人で利用したほうが水道代は少なくてすみ、洗濯機も少量よりも一度に洗う量がある程度多いほうが使う水の量は少なくてすみます。1人2人だとこうした部分で無駄が出てしまうため、使う水の量は8m
3単位で増えていきますが、3人目からは増加の幅が5m
3単位に減少しています。
世帯人数ごとの1月の水道料金
それでは東京都水道局の料金体系で水の1ヶ月の使用料ごとに水道代を計算して見ることにします。使用料は1人分の8m
3と4人分の25m
3、50m
3、100m
3で計算します。
■ 8m3使った場合
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料金
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基本料金
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メータ口径13mm
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860円
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6〜8m3
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22 × 3 = 66
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66円
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消費税
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92円
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合計
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860 + 66 + 92 = 1018
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1018円
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1L当りの単価
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1018 % 8000 = 0.12
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0.12円
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■ 25m3使った場合
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料金
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基本料金
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メータ口径13mm
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860円
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6〜10m3
|
22 × 5 = 110
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110円
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11〜20m3
|
128 × 10 = 1280
|
1280円
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21〜25m3
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163 × 5 = 815
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815円
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消費税
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306円
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合計
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860 + 110 + 1280 + 815 + 306 = 3371
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3371円
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1L当りの単価
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3371 % 25000 = 0.13
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0.13円
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■ 50m3使った場合
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料金
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基本料金
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メータ口径13mm
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860円
|
6〜10m3
|
22 × 5 = 110
|
110円
|
11〜20m3
|
128 × 10 = 1280
|
1280円
|
21〜30m3
|
163 × 10 = 1630
|
1630円
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31〜50m3
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202 × 20 = 4040
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4040円
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消費税
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792円
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合計
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860 + 110 + 1280 + 1630 + 4040 + 792 = 8712
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8712円
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1L当りの単価
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8712 % 50000 = 0.17
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0.17円
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■ 100m3使った場合
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料金
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基本料金
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メータ口径13mm
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860円
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6〜10m3
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22 × 5 = 110
|
110円
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11〜20m3
|
128 × 10 = 1280
|
1280円
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21〜30m3
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163 × 10 = 1630
|
1630円
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31〜50m3
|
202 × 20 = 4040
|
4040円
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51〜100m3
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213 × 50 = 10650
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10650円
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消費税
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1857円
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合計
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860 + 110 + 1280 + 1630 + 4040 + 10650 + 1857 = 20427
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20427円
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1L当りの単価
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20427 % 100000 = 0.20
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0.20円
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1人よりも4人世帯のほうが1人当たりの水道料金は安い
水道料金は1人世帯平均の8m
3の使用量だと1018円で、4人世帯平均の25m
3の使用量では3371円です。約3.3倍なので1人世帯よりも4人世帯のほうが1人当たりの水道代は少なくなります。
ちなみに4人世帯の倍の50m
3の水道料金は8554円で、4人世帯平均の25m
3の3310円の2.58倍、100m
3では20056円で6倍にもなります。
1リットル当たりの単価は水使用量に応じて高くなる
基本的に使う量が多くなるほど1リットルあたりの水の単価は高くなります。1人暮らしの1ヶ月平均の8m
3なら単価は0.12円ですが、4人暮らしの平均25m
3なら0.13円になります。50m
3、100m
3になるとさらに単価が0.17円、0.20円と上がります。コンビニやスーパーなどで市販されているミネラルウォーターは2リットルで100円ぐらいしますが、水道水なら2リットルでもわずか0.2〜0.4円です。水道水がいかに安いかがわかるかと思います。
ちなみに下の画像は2リットルの容量のペットボトルに1リットル分の水が入ったものです。下の目盛りは0.1mlまで計測できます。数値は1000.0mlを表していて、リットルに換算すると1リットルになります。
主要都市の水道料金
東京都水道局では各主要都市の水道局の水道料金の調査結果も発表しています。平成26年度のものですが口径20mm、24m
3使用した際の各主要都市の水道局の水道料金は以下の通りです。これを見ると各都市によってかなり差があることがわかります。なかでも大阪市が特に水道料金が安いことがわかります。一方札幌市や福岡市は他市と比べて割高な水道料金となっています。
都市名
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水道料金
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東京都
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3414円
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札幌市
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4579円
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横浜市
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3628円
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名古屋市
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3777円
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大阪市
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2609円
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福岡市
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4343円
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口径とは
口径とはメータ(量水器)につながるパイプの太さのことです。口径が太いほど流れる水の量も多くなります。家庭内にカラン(水栓、蛇口)がたくさんあり、同時に多くのカランを使用する場合は、口径が細いと水量が少なくなってしまうので、カランの数に合わせて口径を選ぶことが重要になります。一般家庭なら13mm、20mmで十分なようです。
水量については口径の太さが重要なわけですが、水圧についてはその地域を通る水道管の水圧やメーターの水圧調整など様々な要因が関係しているので口径を太くすれば水圧は高くなるというほど単純なものではないようです。
早見表で一目瞭然
水道料金の料金体系については各自治体の水道局のホームページをご覧ください。水道料金は基本料金と従量料金からなるケースが多いため、計算が少し煩雑なので、使用水量と計算結果である水道料金を一覧表にした早見表を掲載している自治体が多いようです。使用水量から計算なしに一目で大体の料金がわかるので便利です。
口座振替でお得に
東京都水道局では料金の支払いを口座振替にすると毎月50円(年600円)の割引が受けられます。口座振替で割引が受けられるサービスというのは電気やガスなど光熱費の支払いで比較的多く見られるものです。ご利用の水道局でも同様なサービスがないかどうかを確認されてみてはいかがでしょうか。ちなみに大阪市水道局では振替利用による割引サービスは実施していません。
この記事を書いた人

生活知恵袋
生活知恵袋の管理人で管理人の名前も生活知恵袋といいます。料理雑学研究家です。2002年より当サイトを運営。野菜を中心に食品に関する見分け方や保存方法などを、実際の検証とともに解説した記事を多数執筆。光熱費や水道代の節約、衣服や住まい、掃除に関する豆知識も紹介。
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